ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『あの日、欲望の大地で』

2009-07-29 22:36:19 | 新作映画
(原題:The Burning Plain)


----これはまた古めかしいタイトルだニャあ。
アフリカあたりを舞台にした一大叙事詩ってこと?
「いや、主たる舞台はアメリカだね。
もっとも一部分はメキシコの国境近くだけど…」

----ふうん。どういうお話ニャの?
「それを一言で説明するのは、
かなり難しいな。
なんと言っても、この映画の監督は
あの『バベル』や『21グラム』の脚本家として知られるギジェルモ・アリアガだからね」

----へぇ~っ。
ということは、今回も過去と現在が交わりながら
複数のエピソードが展開していくってことだね?
「そう。
しかも今回はそこに3代の血の繋がった女性が関わってくる。
最初のうちは、いったいどこがどう繋がるのか、
当然だけど、まったく分からない。
でも、それでも観る者をいらいらさせることなく、
緊張感を維持させながらスクリーンに目を釘付けにさせるんだから、
ぼくはこの監督、きらいじゃないね。
テーマはともかくとして、映画を観たという充実感を与えてくれる」

----テーマはともかくって?
「テーマというよりも、
観るべきところはその設定かな。
これについてはイギリス版の予告編のテロップが
実にうまく言い表している。
『A YOUTHFUL MISTAKE』『TRAPPEDE BY THE PAST』」

----確かに惹かれる言葉だニャあ。
「この映画のストーリーを説明するのは、ほんとうに難しい。
というのも、観ながら頭の中でパズルを組み立てていくのが、
この映画ならではの楽しみだから。
ということで、ストーリーについては
言いすぎないように
思いっきりチラシから引用。
行きずりの情事を繰り返し、
孤独を守るレストランマネージャー・シルヴィア。
ある日、彼女のもとに、娘と名乗る少女マリアが現れた。
突然の出会いに激しく動揺するシルヴィアに、
ニューメキシコでの若き日の過ちがよみがえる。
かつて、心の傷から不倫に走った母ジーナ。
母と同じ宿命をたどることを恐れ、
すべてを捨てて逃げ出したシルヴィア。
灼熱の大地で渇きを満たすように愛を求めた女たちの秘密とは。
そしてシルヴィアは、自ら手放した愛を取り戻せるのだろうか……。
いやあ、いま、書き写しながら思ったけど、
これはほんとうによくまとめてあるね」

----お話を聞いていると、
いろんな女性が出てくるけど、
どの役ををだれがやっているの?
「それもチラシには書いてあるけど、
知らないで観た方がいいね。
それだけに、このキャスティングは秀逸」

----じゃあ、なにも喋れないじゃニャい(怒)。
「まあ、むくれない。むくれない。
細かい演技で言えば、
いつからかシャーリーズ・セロンは、
腕を組んで立つポーズがさまになってきた。
大胆な裸を見せながらも、
服を着ているときはこのポーズで心を押し隠し、人を拒否する。
それと、ファースト・シーン&ラスト・シーンだね。
昨今の映画で、その両者とも印象に残った作品というのは、
ほかになかった気がする」


         (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「こういう作りだと、ミステリーっぽくなるのかニャ」小首ニャ

それぞれの心理、その推移もよく描きこまれている度

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12 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (mig)
2009-08-29 23:06:34
こちらにも。
えいさん
わたしも書きづらい映画でしたこれ。

えいさん的にはなかなか高評価ですね!
7と迷いましたけど。。。
女優陣が全員良かったです。
返信する
■migさん (えい)
2009-08-30 22:13:55
この映画、その内容よりも
脚本のうまさ、
そして記憶に残る映像の数々。
そんなところに魅せられました。
返信する
こんばんわ (maru♪)
2009-09-19 19:21:03
見終わった直後は、よかったけど感動って感じではなかったんです。
でも、記事を書き始めたら、あれはそういうことだったのかと、
次々腑に落ちるというか・・・
さすがギジェルモ・アリアガという感じです!
重いテーマを時間軸を移動させながら描いて、
まったく飽きさせないのはスゴイです!

シャーリーズが良かったです。
キム・ベイシンガーほどの強烈な見せ場がない分、
逆に内面演技でしっかり見せてくれました。
返信する
こんばんは★ (dai)
2009-09-22 20:01:21
確かに書きづらい映画ですよね・・・。

脚本の巧さと俳優の巧さが見事にマッチして
個人的に非常に印象深い作品となりました。
返信する
■maru♪さん (えい)
2009-09-22 20:56:46
こんばんは。

maru♪さんはいつも突っ込んで
書かれるので、
確かに書きながらの再発見は多いでしょうね。

この語り口はギジェルモ・アリアガならでは。
知人は、キム・ベイシンガーにオスカーをと、
感動していました。
返信する
■daiさん (えい)
2009-09-22 21:52:56
脚本と演出、そして演技が見事に溶け合った映画でしたね。
観ながら、ぐいぐい引き込まれてゆきました。
返信する
こんにちわ~♪ (ともや)
2009-09-23 16:07:46
こんにちは、えいさん♪
チラシの裏を見るとキャラクターエピソードの繋がりを全部書いちゃってますね(苦笑)。
この時系列バラバラの物語が、徐々に繋がって行く過程を楽しむ作品だと思うんですが、こういう映画をつまらなくする宣伝はどうかと思っちゃいますよね~。

でもこれは確かに感想書きにくい作品でした(汗)。
返信する
■ともやさん (えい)
2009-09-24 21:27:42
こんばんは。

チラシ裏、そこまで書いてありましたか。
こういうのは、観た後に読むのと、
読んでから観るのでは
かなり感想が違ってきます。

映画は一期一会ですよね。
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うんうん (miyu)
2009-09-28 20:23:55
これは書きづらい映画ですよね。
ってかチラシや公式サイトですらネタばれと感じましたから、
出来るだけ抑え目にしたつもりです。
知らずに観た方が、組み立てていく興味深さがありますものね。
返信する
■miyuさん (えい)
2009-09-29 00:23:56
こんばんは。

みなさん、「チラシは書きすぎ」とのご意見。
そうか、確かに読んでしまうと、
脳内で組みたてて行く楽しみは失せますよね。

ぼくはなるべく読まないようにしていますが、
それでも上映まで時間があると、
つい目に入れてしまって後悔ということが多いです。
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