ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

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『1408号室』

2008-10-08 22:29:59 | 新作映画
※※映画の見どころについて触れています。
鑑賞ご予定の方は、その後で読んでいただいた方がより楽しめるかも。


(原題:1408)


「う~。怖かったあ。
スティーヴン・キングの原作だから、
ある程度の覚悟はしていたけど、
まさかここまでとは……」

----キングのホテルものというと、
『シャイニング』みたいな感じニャの?
「あれは、父親がどんどんおかしくなっていって、
その彼によって妻子が恐い目に遭うという設定。
これはそうではなくて、
ホテルの部屋に入った男が味わう恐怖を描いたものなんだ」

----ニャるほど。
ホテルって、いやな感じがするよね。
だって、そのベッドにどんな人が寝ていたのか分からないわけだし。
「そういうこと。
この映画の舞台となっているドルフィンホテルでは
宿泊した56人の客がすべて自殺しているんだ」

----うわあ。呪われている、
どうして主人公はそんなところに泊まったの?
「うん。まずはそこから説明しよう。
主人公はマイク・エイズリン(ジョン・キューザック)。
幽霊ホテルや心霊スポットという噂のあるところに出向いては、
そのルポを執筆する、いわゆるオカルト作家。
だが、彼自身は実際にはそんなものに出会ったことはなく、
それらは客寄せのために作られたものだという考えを持っているんだ。
そんな彼の元に、
ある日、差出人不明のドルフィンホテルの絵葉書が届く。
そこには『1408号室には入ってはいけない』という
謎に満ちた言葉が書かれていた」

----そういう男だったら、
そんな葉書が届くと余計に行きたくなるよね。
「そのとおり。
しかも電話に出たホテルの受付は
いつも満室と言って予約を拒否。
1408=1+4+0+8=13。
不吉の数字ということもあり、
俄然、興味がわいてきたマイクは、
直接ホテルに出向き支配人(サミュエル・L・ジャクソン)に交渉。
『絶対に入るな』という彼の再三の警告にも関わらず
ついに1408号室のドアを開けてしまう…」

----ゴクッ。ど、どんなことが起こったわけ。
「う~ん。これを言葉で説明するのは少し難しいな。
たとえば、ラジオ付きデジタルの時計がぐるぐる回って
60からカウントダウン。
これはこの部屋に60分以上、
生きていた人はいないということを意味する
死のカウントダウン。
そしてそれが動き出すと
なぜかカーペンターズが大音量で流れるんだ。
外の空気を入れようと窓を開けると、
いきなりその窓が降りてきて手は血だらけに。
バスルームのトイレットペーパーは
使ったはずなのにきれいに折り畳まれ……。
と、いうように
最初は目に見えない恐怖がじわりじわり。
やがてそれは、この部屋で死んだとおぼしき人々の霊が
窓から飛び降りる姿や
彼に遅いあっ駆るこの世のものとは思えない異形の男と言ったように、
目に見える<恐怖>の形となって現れてくる」

----うわあ、ホントに恐そう。
主人公が作家というのもキングらしいよね。
「うん。ある意味、
これはこれまでの彼の恐怖の集大成。
溺死、焼死、さらにはビルからの落下といったように
死のイメージもふんだん。
外の壁を伝って隣の部屋に逃げようととするとそこには窓がない。
窓の向こう、隣のビルの窓の人に助けを求めると、
それは彼自身……」

----分かった分かった、もういいよ。
でも最近のキングって、
『ミスト』を見ても
親子の愛だとか、
ヒューマンな部分も描かれているよね。
「うん。この映画でも
彼はまだ幼い娘を病気で失っている。
そのことがきっかけで妻ともうまくいかなくなり離別しているんだ。
さてそのことがこの物語に果たしてどのように左右するのか?
まあ、これはあまり言わない方がいいだろうな。
実は、監督のミカエル・ハフストロムは、
撮影途中までエンディングをどうするか決めていなかったらしい。
で、スタッフと話し合いを重ねて
この形に決まったらしい」

----へぇ=っ。どういうエンディングだろう?
まさか、夢オチにするわけにもいかないだろうし…。
でも、ホテルが瘴気を孕むというのもなんだかニャあ。
「いや、そんなこともあるとぼくは思うよ。
実はぼくは子供の頃に、
なぜかスゴい妖気というか、
恐いと感じた、とある高原のホテルがあるんだ。
20年ほど経って偶然にもまたそのホテルへ。
そこで、部屋に入った瞬間、
えも言われぬ恐怖を感じて、
そのとき初めて
そこが子供の頃にきた部屋と同じだと気づいたという
オカルトチックな経験があるんだ」

----で、結局その部屋には泊まったの?
「いや、一緒に行った人と部屋を代ってもらった。
でも、その人も不気味と感じてたようだ」

----もう、弱虫だニャあ。



       (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「しかし、その葉書だれが出したのかニャあ」小首ニャ

※それ考えたら、眠れなくなる度

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24 コメント

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こんばんは★ (dai)
2008-10-09 00:50:42
えいさんは不思議な体験をしているんですね。
でもまあ私も、ホテルのあの閉鎖空間は嫌な感じがします。特に古ければ古いほどホテルの部屋って不気味ですよね・・・。

この作品のエンディングは撮影途中まで決まっていなかったんですね。知らなかった。
旅先では私も… (よろ川長TOM)
2008-10-09 15:46:10
ここ10年以上旅行って行ってませんが、旅先では必ず泊まる部屋のヌシに最初の入室時には「よろしくお願いします」、そして帰るときには「お世話になりました」と挨拶するようにしていました。
私はなんら宗教に興味ありませんし、信心も持ち合わせてませんけど、幽霊とか怨霊というより、その土地神さまに対する礼儀だと思うんで…

ところでこの映画、なんで観ることができたのかもう忘れてしまうくらい以前に観るチャンスがあって、その時は「ふーむ、うーむ」という感想しか持たなかった記憶だけ残ってるんですが…
えいさんの記事を見たらもう一度観てみたくなってしまいました。

P.S. 拳さんの記事では過分のお言葉、感涙でした。
私も他の映画好きの方がきっと記事にされてるだろうなあと思って、まずは…と真っ先にこちらへお邪魔しましたら、案の定…。

というわけでようやく記事が書けましたのでトラバさせて頂きました。いつものようにクドクてお恥ずかしい限りですが。
■daiさん (えい)
2008-10-09 20:45:14
こんばんは。

スゴく早くご覧になっているんですね。
daiさんのところで、

>当初監督として挙がっていたのは『ホステル』というキチガイ殺戮映画のイーライ・ロスだったらしいのですが、あんなアホに(監督を)やらしたら、血まみれ作品になっちまう」とゴネ、本作の監督であるミカエル・ハフストロームになった……

と(ごめんなさい。長く引用させていただきました)
書かれていて、スティーヴン・キングらしいなと、
にんまりしてしまいました。
この映画は、
直接的な描写よりも心理面から攻めていく、
いわばスリラーの王道。
結果、大正解だと思います。

あのラストは、主人公は嬉しいでしょうが、
妻は大仰天。
あのあと、どう説明するんだろう---と、
余計なことを考えてしまいました。


■よろ川長TOMさん (えい)
2008-10-09 21:02:10
こんばんは。

>旅先では必ず泊まる部屋のヌシに最初の入室時には「よろしくお願いします」、そして帰るときには「お世話になりました」と挨拶するようにしていました。

それいいですね。
ぼくもこれから、それやってみよう。
よろ川長TOMさんもご覧になっている。
ということは、旅に行かれていないわけですから
国内ですよね。
お蔵入りになりかけていたのかな。
もったいないなあ。

拳さんの記事、書かれたんですね。
あとでお伺いします。
よろしくお願いします。
スゴくオモシロいのに……。
★えいさん★こんにちは。 (mig)
2008-10-22 15:31:51
映画祭で観て来ました♪

ホラーとしての怖さは物足りなかったけど
楽しめました~。
演出が上手いですね、
もちろんジョンキューザックも。

壁伝いにへり歩くシーンは
高所恐怖症のわたしとしてはかなり恐ろしかったです
しかも窓ないなんて!

えいさんそんな体験があるんですね、
それは怖いですね~

わたしも怖いもの平気といいながら
こんなホテルだったらお金もらったって泊まりたくないし取材するのだってお断りです!!(笑)
■migさん (えい)
2008-10-23 09:54:47
こんにちは。

ぼくはこの映画、怖かったです。
そうそう、あの経験。
別のところでも似たようなことがあって、
そのときは、連れのほうが怖がってました。
取材なんてとんでもないですよね。

実はぼくも高所恐怖症。
それに最初に気づいたのは
「嫌われ松子の一生」にも出てきた
福岡・岩田屋の屋上の観覧車でした。〔汗)
怖かったです (にゃむばなな)
2008-11-24 11:03:20
高所恐怖症の私には、あの隣の部屋に外壁伝いに移動するシーンがめちゃ怖かったです。
特に歩数を数えるあの演出。
高いところが怖い私はよく「何歩進めばここを抜けられるのか」なんて考えることがありますもんで。
戦慄でした (となひょう)
2008-11-24 19:50:18
すみません、登場が遅れてしまいました。
TB&コメントありがとうございます。
私も、高所恐怖症の気があるので。あの窓のシーンは、足がすくんでしまいました。
エンディングが決まっていないまま、撮影が進んでいたのですね。まるで、『エグザイル/絆』のエピソードみたいです。
私は、後半の展開は、前半とは違って見えました。
個人的には、前半のムードを保ち続けてもらっった方が超好みではありましたが。楽しめたので良しとしています。

えいさんは、ちょっぴり霊感がおありなんでしょうか。私は、自称「霊感の強い」知人に「アナタは、まず経験することないでしょう」なんて言われたことあるけど。そんなもの、無い方がいいに決まっています。
■にゃむばななさん (えい)
2008-11-24 23:29:35
こんばんは。

ぼくも、子供の頃に
デパートの屋上(『嫌われ松子の一生』に出てきた岩田屋です)の観覧車で
恐怖を味わって以来、
ちょっと高い場所の描写が出てきても
手に汗握ってしまうほどの高所恐怖症。
ぼくだったら、めまいして落ちちゃうでしょうね。(汗)
■となひょうさん (えい)
2008-11-24 23:33:25
こんばんは。

あらら、となひょうさんもお仲間。
と言いつつ、いまコメントを見直して、
二度も、自分の高所恐怖症のルーツを書いていることに気づきました。
やっぱり、そうとうなトラウマになっているんでしょうね。

前半の方が、霊的な怖さが東洋っぽかった気が…。
後半は、半分、ビックリハウス。

ぼくは霊感が強いというより、
単なる怖がり屋なのかも…。
こんばんは☆ (あん)
2008-11-25 00:41:26
『ホステル』お嫌いなんですね(笑)
えいさんにしては、ばっさり切られているので笑ってしまいました。
あ、でも『血まみれ』にならなくて良かったです。

やっと辿り着いたのに隣の部屋の窓が無い!なんて笑っていいのか、怖がるトコなのか、高所恐怖症にはぞぞ!としてしまいました。

結構、ヒューマンな物語なのかも知れませんね。
えぇ~!? (maru♪)
2008-11-26 02:09:00
えいさんそんな恐怖体験を?!
怖いです・・・

私、どうもホラー映画の見方が分かってないようで、
イマヒトツこの映画の楽しさ(?)が分かりませんでした・・・(涙)
■あんさん (えい)
2008-11-26 11:02:38
こんにちは。

『ホステル』、そんなにキツいこと書いてたかなあ?
でも確かに好みの作品じゃないし、
それがにじみでちゃったのかも。
ああいう直截的な表現は、
最初の頃こそは驚かされたものの、
いまではちょっと見慣れた感があるのが
自分でも怖いです。

隣の部屋の窓がないのは、
とても怖かったです。
でもここって
人によってはブラックな笑いなのかも。
■maru♪さん (えい)
2008-11-27 00:34:18
こんばんは。

maru♪さんのレビュー、拝見しました。
なるほど、そういう見方もあるんだなと、
参考になりました。

でも、ぼくの体験を怖いと思っていただけるのでしたら、
この映画もかなり怖いはずなんだけど…。
事実は小説、いや映画より奇なり----ってところでしょうか。
怖かったですぅ~ (たいむ)
2008-11-29 00:14:07
えいさん、こんにちは。
迂闊に窓から身を乗り出したり、ナイフを口にくわえたり。。。もう怖くて怖くて、目をつぶっていたところも沢山ありましたが、後半のヒューマン重視なところに救われた?感じです。
そして安易な夢オチじゃないところが良かったです。
■たいむさん (えい)
2008-11-29 17:04:02
こんにちは。

いやあ、怖い映画でした。
こんな経験したら、
一時間持たないのはよく分かります。

夢オチでも、まあ仕方ないや。
うまくダマされた。
そう思っていたのですが、
実はそこで終らない-----。
ぼくは満足の一本でした。
こんにちは! (ボー)
2008-11-30 12:02:40
うーん、そういう霊感は欲しくないですね。
うまくできた映画だったと思います。この監督さん、知らなかったですが。
窓、エアコン、音楽、時計、電話、おぼれる、通風口(?)、さまざま怖がらせてくれて面白かったです。

こんばんは^^ (ひろちゃん)
2008-12-01 22:22:48
えいさん、そんなに怖かったんですか?(笑)
私は、ホラー苦手なので、かなり身構えて行った
ためか、思ったほど怖くはなかったんです(^^ゞ

私が苦手なグロイとか痛いとか言う内容ではなくて
好きなはずの心理的な怖さと言う内容だったのですが
サイコのような怖さは感じませんでした(^^ゞ
って、サイコとは全然違いますか?(^^ゞ

えいさん、霊感が強いんですか?
その部屋には何があったんでしょうか?
って知りたくないですよね(^_^;)

面白かったんですけど、フォーンちゃんと同じで
ハガキはどこから?とか支配人の言葉の意味とか
ラストのシーンとか、私には謎が多い作品
でした(^^ゞ
■ポーさん (えい)
2008-12-02 00:47:17
こんばんは。

ぼくもこの監督のことは
寡聞にして知らなかったです。
でも、けっこう力量のある人だと思いました。
こういうオ-ソドックスな作りができる監督というのは、
いつか何をやってくれるのでは……と、
そんな期待を抱かせてくれます。
■ひろちゃんさん (えい)
2008-12-02 22:24:33
こんばんは。

ぼくは、こういうオカルト的な怖さには弱いんです。
でも、だからこそ観たくなるという
相反した気持ちもあるんですね。
かなりゾクッときました。
年末恒例のベストを選んだ時、
(ぼくの中では)ホラー部門のかなり上にくること
間違いないです。
こんばんは (ノラネコ)
2008-12-07 23:54:35
期待してなかったので結構面白かったです。
ちょっとキング物のセルフパロディ的な部分もあって、キングらしいなあと思いました。
舞台が限定された一人芝居と、映画で見せるには難しい題材だったと思いますが、まあまあ頑張っていたのではないでしょうか。
ただ、後半はちょっと息切れを感じて、映像が派手になればなるほどさめてしまいました。
トータルとしては普通に面白いというところでしょうか。
■ノラネコさん (えい)
2008-12-09 18:48:09
こんばんは。
なるほど、確かにセルフパロディの趣はありましたね。
ぼくも後半は息切れというより、
派手になっていく分、
凝縮された恐怖まで拡散していった感じがして、
正直、ノレませんでした。
でも前半の怖さが貞子級だったので、
このような高評価となりました。
はじめまして! (偏屈王)
2008-12-23 09:07:50
はじめまして!
コメントとTB有難うございました。

フォーン君の言葉に出てきた「ホテルが瘴気を孕む」というのは、上手い表現ですね。
「シャイニング」もまさにそういう話でしたし。
■偏屈王さん (えい)
2008-12-25 09:44:10
こんにちは。

こちらこそありがとうございました。
先ほど『シャイニング』の件について、
読ませていただきました。
「キューブリックはホラーの演出をまるで心得ていない」-----
キューブリック、そんなことまで言われていたんですか。
しかし、これはキングほどの大物じゃないと
とても言えない、
ある意味「勇気ある」発言ですね。

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