※※映画の見どころについて触れています。
鑑賞ご予定の方は、その後で読んでいただいた方がより楽しめるかも。
(原題:1408)
「う~。怖かったあ。
スティーヴン・キングの原作だから、
ある程度の覚悟はしていたけど、
まさかここまでとは……」
----キングのホテルものというと、
『シャイニング』みたいな感じニャの?
「あれは、父親がどんどんおかしくなっていって、
その彼によって妻子が恐い目に遭うという設定。
これはそうではなくて、
ホテルの部屋に入った男が味わう恐怖を描いたものなんだ」
----ニャるほど。
ホテルって、いやな感じがするよね。
だって、そのベッドにどんな人が寝ていたのか分からないわけだし。
「そういうこと。
この映画の舞台となっているドルフィンホテルでは
宿泊した56人の客がすべて自殺しているんだ」
----うわあ。呪われている、
どうして主人公はそんなところに泊まったの?
「うん。まずはそこから説明しよう。
主人公はマイク・エイズリン(ジョン・キューザック)。
幽霊ホテルや心霊スポットという噂のあるところに出向いては、
そのルポを執筆する、いわゆるオカルト作家。
だが、彼自身は実際にはそんなものに出会ったことはなく、
それらは客寄せのために作られたものだという考えを持っているんだ。
そんな彼の元に、
ある日、差出人不明のドルフィンホテルの絵葉書が届く。
そこには『1408号室には入ってはいけない』という
謎に満ちた言葉が書かれていた」
----そういう男だったら、
そんな葉書が届くと余計に行きたくなるよね。
「そのとおり。
しかも電話に出たホテルの受付は
いつも満室と言って予約を拒否。
1408=1+4+0+8=13。
不吉の数字ということもあり、
俄然、興味がわいてきたマイクは、
直接ホテルに出向き支配人(サミュエル・L・ジャクソン)に交渉。
『絶対に入るな』という彼の再三の警告にも関わらず
ついに1408号室のドアを開けてしまう…」
----ゴクッ。ど、どんなことが起こったわけ。
「う~ん。これを言葉で説明するのは少し難しいな。
たとえば、ラジオ付きデジタルの時計がぐるぐる回って
60からカウントダウン。
これはこの部屋に60分以上、
生きていた人はいないということを意味する
死のカウントダウン。
そしてそれが動き出すと
なぜかカーペンターズが大音量で流れるんだ。
外の空気を入れようと窓を開けると、
いきなりその窓が降りてきて手は血だらけに。
バスルームのトイレットペーパーは
使ったはずなのにきれいに折り畳まれ……。
と、いうように
最初は目に見えない恐怖がじわりじわり。
やがてそれは、この部屋で死んだとおぼしき人々の霊が
窓から飛び降りる姿や
彼に遅いあっ駆るこの世のものとは思えない異形の男と言ったように、
目に見える<恐怖>の形となって現れてくる」
----うわあ、ホントに恐そう。
主人公が作家というのもキングらしいよね。
「うん。ある意味、
これはこれまでの彼の恐怖の集大成。
溺死、焼死、さらにはビルからの落下といったように
死のイメージもふんだん。
外の壁を伝って隣の部屋に逃げようととするとそこには窓がない。
窓の向こう、隣のビルの窓の人に助けを求めると、
それは彼自身……」
----分かった分かった、もういいよ。
でも最近のキングって、
『ミスト』を見ても
親子の愛だとか、
ヒューマンな部分も描かれているよね。
「うん。この映画でも
彼はまだ幼い娘を病気で失っている。
そのことがきっかけで妻ともうまくいかなくなり離別しているんだ。
さてそのことがこの物語に果たしてどのように左右するのか?
まあ、これはあまり言わない方がいいだろうな。
実は、監督のミカエル・ハフストロムは、
撮影途中までエンディングをどうするか決めていなかったらしい。
で、スタッフと話し合いを重ねて
この形に決まったらしい」
----へぇ=っ。どういうエンディングだろう?
まさか、夢オチにするわけにもいかないだろうし…。
でも、ホテルが瘴気を孕むというのもなんだかニャあ。
「いや、そんなこともあるとぼくは思うよ。
実はぼくは子供の頃に、
なぜかスゴい妖気というか、
恐いと感じた、とある高原のホテルがあるんだ。
20年ほど経って偶然にもまたそのホテルへ。
そこで、部屋に入った瞬間、
えも言われぬ恐怖を感じて、
そのとき初めて
そこが子供の頃にきた部屋と同じだと気づいたという
オカルトチックな経験があるんだ」
----で、結局その部屋には泊まったの?
「いや、一緒に行った人と部屋を代ってもらった。
でも、その人も不気味と感じてたようだ」
----もう、弱虫だニャあ。
(byえいwithフォーン)
フォーンの一言「しかし、その葉書だれが出したのかニャあ」
※それ考えたら、眠れなくなる度
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※ポスター画像はイタリア・オフィシャル/ダウンロードサイトより。
鑑賞ご予定の方は、その後で読んでいただいた方がより楽しめるかも。
(原題:1408)
「う~。怖かったあ。
スティーヴン・キングの原作だから、
ある程度の覚悟はしていたけど、
まさかここまでとは……」
----キングのホテルものというと、
『シャイニング』みたいな感じニャの?
「あれは、父親がどんどんおかしくなっていって、
その彼によって妻子が恐い目に遭うという設定。
これはそうではなくて、
ホテルの部屋に入った男が味わう恐怖を描いたものなんだ」
----ニャるほど。
ホテルって、いやな感じがするよね。
だって、そのベッドにどんな人が寝ていたのか分からないわけだし。
「そういうこと。
この映画の舞台となっているドルフィンホテルでは
宿泊した56人の客がすべて自殺しているんだ」
----うわあ。呪われている、
どうして主人公はそんなところに泊まったの?
「うん。まずはそこから説明しよう。
主人公はマイク・エイズリン(ジョン・キューザック)。
幽霊ホテルや心霊スポットという噂のあるところに出向いては、
そのルポを執筆する、いわゆるオカルト作家。
だが、彼自身は実際にはそんなものに出会ったことはなく、
それらは客寄せのために作られたものだという考えを持っているんだ。
そんな彼の元に、
ある日、差出人不明のドルフィンホテルの絵葉書が届く。
そこには『1408号室には入ってはいけない』という
謎に満ちた言葉が書かれていた」
----そういう男だったら、
そんな葉書が届くと余計に行きたくなるよね。
「そのとおり。
しかも電話に出たホテルの受付は
いつも満室と言って予約を拒否。
1408=1+4+0+8=13。
不吉の数字ということもあり、
俄然、興味がわいてきたマイクは、
直接ホテルに出向き支配人(サミュエル・L・ジャクソン)に交渉。
『絶対に入るな』という彼の再三の警告にも関わらず
ついに1408号室のドアを開けてしまう…」
----ゴクッ。ど、どんなことが起こったわけ。
「う~ん。これを言葉で説明するのは少し難しいな。
たとえば、ラジオ付きデジタルの時計がぐるぐる回って
60からカウントダウン。
これはこの部屋に60分以上、
生きていた人はいないということを意味する
死のカウントダウン。
そしてそれが動き出すと
なぜかカーペンターズが大音量で流れるんだ。
外の空気を入れようと窓を開けると、
いきなりその窓が降りてきて手は血だらけに。
バスルームのトイレットペーパーは
使ったはずなのにきれいに折り畳まれ……。
と、いうように
最初は目に見えない恐怖がじわりじわり。
やがてそれは、この部屋で死んだとおぼしき人々の霊が
窓から飛び降りる姿や
彼に遅いあっ駆るこの世のものとは思えない異形の男と言ったように、
目に見える<恐怖>の形となって現れてくる」
----うわあ、ホントに恐そう。
主人公が作家というのもキングらしいよね。
「うん。ある意味、
これはこれまでの彼の恐怖の集大成。
溺死、焼死、さらにはビルからの落下といったように
死のイメージもふんだん。
外の壁を伝って隣の部屋に逃げようととするとそこには窓がない。
窓の向こう、隣のビルの窓の人に助けを求めると、
それは彼自身……」
----分かった分かった、もういいよ。
でも最近のキングって、
『ミスト』を見ても
親子の愛だとか、
ヒューマンな部分も描かれているよね。
「うん。この映画でも
彼はまだ幼い娘を病気で失っている。
そのことがきっかけで妻ともうまくいかなくなり離別しているんだ。
さてそのことがこの物語に果たしてどのように左右するのか?
まあ、これはあまり言わない方がいいだろうな。
実は、監督のミカエル・ハフストロムは、
撮影途中までエンディングをどうするか決めていなかったらしい。
で、スタッフと話し合いを重ねて
この形に決まったらしい」
----へぇ=っ。どういうエンディングだろう?
まさか、夢オチにするわけにもいかないだろうし…。
でも、ホテルが瘴気を孕むというのもなんだかニャあ。
「いや、そんなこともあるとぼくは思うよ。
実はぼくは子供の頃に、
なぜかスゴい妖気というか、
恐いと感じた、とある高原のホテルがあるんだ。
20年ほど経って偶然にもまたそのホテルへ。
そこで、部屋に入った瞬間、
えも言われぬ恐怖を感じて、
そのとき初めて
そこが子供の頃にきた部屋と同じだと気づいたという
オカルトチックな経験があるんだ」
----で、結局その部屋には泊まったの?
「いや、一緒に行った人と部屋を代ってもらった。
でも、その人も不気味と感じてたようだ」
----もう、弱虫だニャあ。
(byえいwithフォーン)
フォーンの一言「しかし、その葉書だれが出したのかニャあ」
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でもまあ私も、ホテルのあの閉鎖空間は嫌な感じがします。特に古ければ古いほどホテルの部屋って不気味ですよね・・・。
この作品のエンディングは撮影途中まで決まっていなかったんですね。知らなかった。
私はなんら宗教に興味ありませんし、信心も持ち合わせてませんけど、幽霊とか怨霊というより、その土地神さまに対する礼儀だと思うんで…
ところでこの映画、なんで観ることができたのかもう忘れてしまうくらい以前に観るチャンスがあって、その時は「ふーむ、うーむ」という感想しか持たなかった記憶だけ残ってるんですが…
えいさんの記事を見たらもう一度観てみたくなってしまいました。
P.S. 拳さんの記事では過分のお言葉、感涙でした。
私も他の映画好きの方がきっと記事にされてるだろうなあと思って、まずは…と真っ先にこちらへお邪魔しましたら、案の定…。
というわけでようやく記事が書けましたのでトラバさせて頂きました。いつものようにクドクてお恥ずかしい限りですが。
スゴく早くご覧になっているんですね。
daiさんのところで、
>当初監督として挙がっていたのは『ホステル』というキチガイ殺戮映画のイーライ・ロスだったらしいのですが、あんなアホに(監督を)やらしたら、血まみれ作品になっちまう」とゴネ、本作の監督であるミカエル・ハフストロームになった……
と(ごめんなさい。長く引用させていただきました)
書かれていて、スティーヴン・キングらしいなと、
にんまりしてしまいました。
この映画は、
直接的な描写よりも心理面から攻めていく、
いわばスリラーの王道。
結果、大正解だと思います。
あのラストは、主人公は嬉しいでしょうが、
妻は大仰天。
あのあと、どう説明するんだろう---と、
余計なことを考えてしまいました。
>旅先では必ず泊まる部屋のヌシに最初の入室時には「よろしくお願いします」、そして帰るときには「お世話になりました」と挨拶するようにしていました。
それいいですね。
ぼくもこれから、それやってみよう。
よろ川長TOMさんもご覧になっている。
ということは、旅に行かれていないわけですから
国内ですよね。
お蔵入りになりかけていたのかな。
もったいないなあ。
拳さんの記事、書かれたんですね。
あとでお伺いします。
よろしくお願いします。
スゴくオモシロいのに……。
ホラーとしての怖さは物足りなかったけど
楽しめました~。
演出が上手いですね、
もちろんジョンキューザックも。
壁伝いにへり歩くシーンは
高所恐怖症のわたしとしてはかなり恐ろしかったです
しかも窓ないなんて!
えいさんそんな体験があるんですね、
それは怖いですね~
わたしも怖いもの平気といいながら
こんなホテルだったらお金もらったって泊まりたくないし取材するのだってお断りです!!(笑)
ぼくはこの映画、怖かったです。
そうそう、あの経験。
別のところでも似たようなことがあって、
そのときは、連れのほうが怖がってました。
取材なんてとんでもないですよね。
実はぼくも高所恐怖症。
それに最初に気づいたのは
「嫌われ松子の一生」にも出てきた
福岡・岩田屋の屋上の観覧車でした。〔汗)
特に歩数を数えるあの演出。
高いところが怖い私はよく「何歩進めばここを抜けられるのか」なんて考えることがありますもんで。
TB&コメントありがとうございます。
私も、高所恐怖症の気があるので。あの窓のシーンは、足がすくんでしまいました。
エンディングが決まっていないまま、撮影が進んでいたのですね。まるで、『エグザイル/絆』のエピソードみたいです。
私は、後半の展開は、前半とは違って見えました。
個人的には、前半のムードを保ち続けてもらっった方が超好みではありましたが。楽しめたので良しとしています。
えいさんは、ちょっぴり霊感がおありなんでしょうか。私は、自称「霊感の強い」知人に「アナタは、まず経験することないでしょう」なんて言われたことあるけど。そんなもの、無い方がいいに決まっています。
ぼくも、子供の頃に
デパートの屋上(『嫌われ松子の一生』に出てきた岩田屋です)の観覧車で
恐怖を味わって以来、
ちょっと高い場所の描写が出てきても
手に汗握ってしまうほどの高所恐怖症。
ぼくだったら、めまいして落ちちゃうでしょうね。(汗)
あらら、となひょうさんもお仲間。
と言いつつ、いまコメントを見直して、
二度も、自分の高所恐怖症のルーツを書いていることに気づきました。
やっぱり、そうとうなトラウマになっているんでしょうね。
前半の方が、霊的な怖さが東洋っぽかった気が…。
後半は、半分、ビックリハウス。
ぼくは霊感が強いというより、
単なる怖がり屋なのかも…。