どるち & えこう の 『美術館・博物館めぐり』 & 『美味しいもの』日記なのだ

プレーリードッグのぬいぐるみの『どるち』と 飼い主?の『えこう』が書く 美術館・博物館や 飲食店の感想なのだ

『岡本神草の時代展@千葉市美術館』なのだ

2018年06月18日 | アート【展覧会 & 常設】(~2022年)

ぼくらわ 千葉市美術館で 7月8日まで開催している<岡本神草の時代展>を見に行ったのだ



ぼくの気になった作品なのだ

岡本神草<拳を打てる三人の舞妓>の草稿などを含めた数点の見比べなのだ

こちらが<「拳を打てる三人の舞妓」草稿>なのだ



1番良かったのわ <拳を打てる三人の舞妓の習作>で ぼくらわ 前々からずっと見たかった作品なのだ


両端の舞妓の髪の部分あたりに うっすらと線が入っているんだけど その部分をトリミングして出品したみたいなのだ

その部分だけ見ると 白い柔肌 笹色紅の唇 描き途中だけど 目を引く赤い着物や 襦袢?の金を含んだ赤で うっとりするくらい美しいし ほんのちょっとデロリ感もあると思うのだ

この習作の色使いで 完成作品を見てみたかったのだ・・・

※参考として 出品した部分の画像を載せるのだ



隣にわ <拳を打てる三人の舞妓(未完)>も展示していて 見比べてみると こちらの方が お顔が細く描いていて 可憐な印象を受けるのだ

こちらが 隣に展示していた<拳を打てる三人の舞妓(未完)>なのだ



あと 解説に載っていたんだけど<拳を打てる三人の舞妓の習作>の翌年に 同じ草稿の作品が完成したそうで 第3回帝展に入選したが その後行方不明になってしまったそうなのだ

その行方不明になった作品が いつか見つかって欲しいし ぼくらもその作品を見てみたいのだ

※参考として載せるけど その行方不明になった作品の画像なのだ


なので 3点の<拳を打てる三人の舞妓>を制作していたのですねなのだ


甲斐荘楠音<横櫛>なのだ


確か同じような構図のものが3点あって ぼくらわ 2009年に広島県立美術館所蔵のものを見たことがあったけど 岩井志麻子の「ぼってい、きょうてぇ」の本の表紙の絵になっている この作品わ ずっと前から見たかった作品で 念願が叶ったのだ

顔が白粉で白く 目の周りなどが赤い感じがするからか 妖しさと儚さを表情に秘めた女性で美しいのだ 着物の女性って 胸を抑えめ(小さく?)な印象があるんだけど この作品わ 帯の上にバーンと胸が乗っているのが気になったのだ

あと 出来ることなら 同じような構図の3点を 一緒に見比べをしてみたいし いつか 甲斐庄楠音の大きな展覧会を開催して欲しいのだ!!


この展覧会わ 去年 京都で開催された巡回展で 千葉に巡回しないと思っていたから 京都まで行こうと思っていたくらい 見たかったので 今回 岡本神草の作品をまとめて見ることが出来て 嬉しかったし もう1度見に行きたいと思っているくらいで 年間ベスト10入りの候補に入るくらい オススメだと思うのだ



ここから先わ えこうの感想なのだ

千葉市美術館 <岡本神草の時代展> 7月8日(日)まで

http://www.ccma-net.jp/exhibition_01.html

作品リスト
http://www.ccma-net.jp/exhibition_end/2018/0530/0530_list.pdf




展示数は、参考作品も含め約170点強あり、岡本神草の作品は草稿などが多めですが、約120点を展示しています。岡本神草以外の作品は、7階の最後にまとめて展示していました。(※10点くらい展示替えあり)


気になった作品

5.岡本神草 手毬と折紙など

紙に手毬、鶴の折紙、羽子板の跳ねなど、女の子の遊び道具が描かれ、白い鶴、手毬の青や橙色?など、色の配置がいい。隣に同じような作品があったが、そちらは雑多な感じだったので、余計にそう思った。


21.岡本神草 藤に鴨

満開に咲く藤の下で、ゆったりとリラックスしている3羽の鴨、背景から判断すると夜を描いたものか?主張をしないが美しく咲く藤の姿がいい。


34.岡本神草 猫

↓こちらに画像が載っています。
http://search.artmuseums.go.jp/gazou.php?id=181570&edaban=1

墨で描かれている丸まって眠る可愛いネコで、輪郭線はぼかしているみたいだった。


36.岡本神草 アダムとイヴ(※展示終了)

ゴーギャンに影響を受けて描いた作品のようで、人物が簡素化して描かれており、作品パネルがなかったら、岡本神草が描いたとは思えなかったし、ある意味インパクトを受けた。


39.岡本神草 「花見小路の春宵」部分草稿1(豆千代)

↓こちらに画像が載っています。
http://search.artmuseums.go.jp/gazou.php?id=173027&edaban=1

NO.42と43の中央にいる舞妓豆千代の草稿。着物の裾に手を入れ可愛いポーズをしている。未完と違い、こちらの着物の色は同じ緑でも、うぐいす色のようなうすい緑で、大きて可愛らしい千鳥の模様があり、着物の下に着ている赤との色の相性がいい。


42.岡本神草 「花見小路の春宵」草稿

↓こちらに画像が載っています。
http://search.artmuseums.go.jp/gazou.php?id=173026&edaban=1

提灯を持つ女の子の案内で、桜が咲く花見小路を歩く3人の舞妓。草稿だからか、人物の顔がマンガチックに見える。


43.岡本神草 花見小路の春宵(未完)

NO.42の隣に展示しており、右上の提灯と、中央の舞妓(豆千代)の着物のみ彩色している。彩色された舞妓の着物の柄は、青海波の模様で、着物の地の色は緑に塗られていて、これだけ見るとちょっと色が少しきつい気もするが、完成していたら、ちょうど良い色のバランスとなっていたのか?気になるし、完成作を見たかった・・・。


51.岡本神草 梨花

朝靄?(暗がり?)に咲く白い梨の花、おぼろげで儚く見える。


52.岡本神草 傘をさす美人

番傘をさし、流し目で右側を見る女性。墨のみで描かれているが、大人の色香と妖しさを漂わせている。


65.岡本神草 「春のつまびき」草稿3

↓こちらに画像が載っています。
http://search.artmuseums.go.jp/gazou.php?id=173028&edaban=1

三味線を弾く花魁。この草稿は、着物と肌に若干色を塗っていて、光琳波、赤いサンゴ、貝やヒトデなどの海の柄の着物に、少しはだけた青海波の襦袢の朱がいいし、花魁の悦に入った表情というか、こちらを誘惑する感じが色っぽい。

この作品の完成されたものも見たかった・・・。あと、神草の描く女性の指は細く長いような気がする。


66.岡本神草 「口紅」草稿

↓こちらに画像が載っています。
http://search.artmuseums.go.jp/gazou.php?id=173029&edaban=1

木炭や墨で描かれ色のない状態でも、品がある。


67.岡本神草 口紅


この作品は、2015年に見ていて嬉しい再会で、最初に展示していた作品。

金色の蝋燭の炎を頼りに口紅を塗る舞妓?が描かれ、卒業制作で発表した時には、顔と着物の細かい柄は未完のままだたったそうです。

肌が透き通っていて妖しい魅力があるが、品もある。あと、黒の着物に映える内側の赤がいい。


76.岡本神草 拳を打てる三人の舞妓(未完)


制作中に母親が京都に出てきたため、制作を中断したそうです。

正直、色が地味すぎてあんまり惹かれず・・・。


77.岡本神草 拳を打てる三人の舞妓の習作


NO.76の翌年に取り掛かるが、締め切り直前になっても出来上がらす、悩んだ末、ほぼ完成していた中央の舞妓部分だけを切り取って審査に出す。入選はしたのだが、「習作」扱いで選外佳作となったそうで、発表から67年を経て、残りが見つかり、現在のように1つになったそうです。


79.岡本神草 仮面を持てる女


般若の面を持つ女性は、少し微笑んでいるように見えて背筋がぞっとするような・・・?それは、彼女の背景に薄い赤と薄墨などがぼんやりとあり、それが嫉妬の炎というか念のような感じに思ってしまった。


82.岡本神草 拳の舞妓

9年振りに見れて、嬉しい再会でした。

NO.77の<拳を打てる三人の舞妓の習作>の2年後、中央の舞妓の上半身のみを描いている。瞳は赤く舞妓の背景を薄墨で覆われていて、妖艶な雰囲気を醸し出しているし、デロリな感じもある。小さな作品ながらも、素晴らしい。

この作品のポストカードを作ってほしかった・・・。


85.岡本神草 舞妓

前にも1度見ているが、幼さがある舞妓で朱色を少し落としたかのような色の着物を着ている。ちょっとデロリ的な感じもするが、目の周りが赤く化粧しているからか、泣いているようにも見える。


104.岡本神草 化粧

首におしろいを塗る緋色の着物が美しい大人の女性、うなじから首にかけて透き通るような柔肌と、アンニュイな表情がいい。


114.岡本神草 婦女遊戯


大きさの関係か、1番最後の展示していた。

手毬と紙風船で遊ぶ2人、ともに白い桜?の柄の振袖でだらりの帯なので、舞妓か?


140.甲斐庄楠音 娘

↓こちらに画像が載っています。
http://search.artmuseums.go.jp/gazou.php?id=150358&edaban=1

激しい雨の中?傘もささずに歩く若い娘で、未完と思えるくらい着物の色が薄いような気がする。

髪がほつれ、弱弱しく思え、儚い美しさを感じる。

甲斐庄楠音の作品は9点も展示していた。


144.甲斐庄楠音 横櫛


解説には、こう書かれています。
『作品名は通称「切られお富」として知られる歌舞伎の「処女翫浮名横櫛(むすめごのみうきなのよこぐし)」からだそうです。この作品と同じ構図で大正7年に描いた(広島県立美術館)ものは、第1回国画創作協会展に出品され、衝撃的なデビュー作として知られる。』


150.稲垣仲静 きつね雨

岡本神草のNO.52<傘をさす美人>を模した作品で、隣に展示していた。15センチ四方と小さな作品で、こちらは、女性が怖く、キツネが化けたかのような妖怪のよう?


152.稲垣仲静 舞妓1

岡本神草の<口紅>の胸から上を描いたもので、稲垣仲静が描くとかなり怖い・・・。


156.稲垣仲静 丈夫


お歯黒の葉を見せ笑う島原の太夫。ちょっとデロリな感じでインパクトもあるが、よく見ると怖さはなく、キレイかも?と思える?


草稿などが多めで、完成作は少なかったのですが、その草稿を見ていると、どのように完成していたのだろうと、想像を掻き立てられます。岡本神草が38歳で亡くなってしまったのは、残念でなりませんし、彼が長生きしていたなら、その草稿を元にたくさんの素晴らしい作品を残した思いますし、どのように変化をしていったのか、気になります。

他にも、岡本神草の同時代の作品も見応えがあり、甲斐庄楠音の作品も9点見ることが出来たのも嬉しかったです。


この後わ というか 千葉市美術館でわ 見に行った日に限り再入場出来るので 12時前に美術館を抜けて 千葉市美術館からすぐ近くにある<パントリーコヨーテ>でランチをしたんだけど そのことわ 今度書くのだ



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