DK大衆食の旅3

路麺好きがそんな感じで巡る大衆食の旅。

はっちゃんショップ@桐生

2017年11月15日 | 大衆食堂
ずーっと以前から行きたい店であった。
はっちゃんショップ。

57歳の時、原付で日本一周した80歳のおばあちゃん、はっちゃんが営む500円ほのぼのバイキングの店である。大衆名店の匂い。

この前の連休に家族で伺ってみた。

のだが。



大間々から歩いてやってきたので予定を少し過ぎてしまったら、すごい行列になっていた。
どうやら最近TVで取り上げられたらしい。



まあ行列は仕方ないとして、酷いのは他所ナンバーの違法駐車。
近隣からの通報で警察が訪れる。



不届者供が、慌てて車を移動させに列を外れる。
警察は、皆が食事をする混み合う店内にずかずか上がり込み、はっちゃんに注意をする。
このままだと然るべき手段を取らなければならない。みたいなコトまで伝えていた。

うっすら怒りと悲しみを覚えた。
あちこち旅を続けてきたが、この上なくおぞましい場面を見るコトとなった。



誰が悪いのだろう。

この町の人々の為に500円で心尽くしの手料理を振る舞うはっちゃんがいけないのだろうか。



いや違う。良かれと思って頑張っている店に、己の利しか見えていない浅ましい連中が群がる。
ココもそんな理由で店を畳んだコトを思い出す。

そして、とある達人の言葉を思い出した。



「立ち食いそばや大衆食堂や大衆酒場は、誰かのかけがえのない居場所でもあります。

だから、その場所を居場所にしている人の身になろうとする姿勢が大事なのかなあと思います。

わたしは私自身、他の人になることはできない。

でも相手の身になって考えようとするだけでも、一歩深くなる、と思います。」



実に深い言葉である。



お店が客を思いやる。客が店を思いやる。
双方向のやり取りが店を守る。居場所を守る。
ココは唯々諾々と与えてくれるネズミーランドのような商業施設ではない。

身勝手な心持ち、振る舞いが、町の小さな大衆店一軒を一瞬にして更地にすることなど実に容易いのだ。



混雑もひと段落し、もう殆ど残ってないけどお腹いっぱいになったかい?とはっちゃんの声がかかる。
おかずが少なくなっちゃったから100円おまけね。と家族4人で会計は1500。(子供はひとり300円なんだそう。)

安くしてもらったからではない。あんなコトがあったにも関わらず、そう振る舞えるはっちゃんに心救われる思いになったのだ。



全く人間ってのはそんなコトもわかんないのかねえ。

そうとも言いたげに勝手口で座りこむネコの視線の先には、車に乗って走り去る不届者供の姿があった。




4 コメント

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Unknown (通りすがり)
2017-11-17 08:46:56
初めまして!
いつも楽しく拝見しておりました。
こちらの記事に、深く感銘を受けましたので
コメントさせていただきます。
お店の方の愛情に頭が下がる想いです。。。
不届きな輩が、早々に消えることを祈っております。
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Unknown (圧巻兵衛)
2017-11-17 08:55:50
いつも楽しく拝見しています。

他人を顧みぬ利己的な人が増えました。
とても残念です。こういういいお店がそのために
閉店などの憂き目を見ることがないよう、
祈るばかりです。

今後もいろいろと紹介してください。
楽しみにしています。
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Re:Unknown (deekay71)
2017-11-18 09:27:13
初めまして!コメントありがとう存じます。
本当ですね。
500円で食べ放題である意味、その気持ちを考えれば、お店に迷惑なんてかけられない筈なんですけどね。
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Re:Unknown (deekay71)
2017-11-18 09:28:10
いつもありがとう存じます。
仰る通りですね。
面白おかしくしか紹介しないTVやマスコミ、車社会、生活スタイルの近代化に伴う人間関係の希薄化。様々に問題はあると思うのですが、だからこそ、こういったお店で「感じる」コトが大切なんだと思うのです。

拙ブログですが今後も御贔屓いただけると恐縮です。
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