DK大衆食の旅3

路麺好きがそんな感じで巡る大衆食の旅。

魚宗@南新宿

2018年02月28日 | 弁当・惣菜・デリカ
南新宿は時に忘れ去られたかの様な谷の町である。



駅を降りると突如現れる銭湯、奥の湯は残念ながら廃業していたが、未だ小さな個人商店がぽつりぽつりと点在し、小さな町の生活を守る。そしてそれらを繋ぐのは細い暗渠。

大規模な開発の入れない地形の妙が生んだ、大都会新宿のひとつ隣の駅とはとても思えない風景。そこがたまらなく好きだ。



そんな小さな町にある一軒の惣菜店。元々は魚屋であろう屋号、魚宗。

他所者には全く知られていないが、名店である。



平日の昼どきには少し早い時間から、ぽつりぽつりと地元の客が訪れては惣菜や弁当を買い求めていくこの光景こそその証左であろう。



前回、思わず叫んだうまさの唐揚げも捨てがたいのだが、今回は魚を食べてみよう。と軒先で焼かれた鮭の入った弁当を。



奥でご飯を盛り付けてから手渡された弁当には



塩あめがひとつ。いいねえ。



そしてやはり叫んだ。
鮭。うましぎ。



それだけではない。脇を固める副菜たち。これらがまたことごとく、しみじみと、うまいのだ。






煌びやかなネーミング、色彩豊かな食材と料理、凝った装丁。
折しもその頃、隣町のデパートの7階では、そんな全国から集められた弁当が、我こそはと競い合っていたという。

対して、派手さはないがひとつひとつに実直さが篭る弁当。どちらがどうというつもりはない。
ただ、この弁当が、この谷の町と重なって見えたのである。





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