気軽に洋書ミステリー

家にいてもすることがないおじさんは考えました。このままではボケる。そうだ!好きなミステリーを英語で読もう!英語力???

Rain Dogs(Detective Sean Duffy)by Adrian Mckinty

2017-09-07 12:23:21 | 読書感想

Winner of the 2017 Edgar Award (Best Paperback Original)

1987年2月8日、IRAによる警察官に対するテロが頻発する北アイルランド。

北アイルランド警察庁(RUC)の犯罪捜査課(CID)の捜査主任Sean Duffyは、同棲していた女性から別れを宣告され一人暮らしになって落ち込んでいる時、部下のLawsonからCarrickfergus Castleという古城で女性の死体が発見されたという報告を受ける。現場に到着した彼はまるで密室のような死体発見の状況に戸惑う。

死体が発見された城の出入り口は正門のみ、城の管理人は場内に見学者がいないことを確認した後、夜6時に正門を閉め、さらに夜10時に城内を見回りし不審者がいないことを確認していた。しかし、今朝、城内を見回った管理人は、内庭に頭部挫傷した女性の死体があるのを発見し、警察に通報、Lawsonが駆け付けるまで正門を閉じていたと証言する。

死亡した女性はロンドンのフィナンシャルタイムズの女性記者Lily Bigelow。鑑識によると女性の死亡時刻は深夜。Duffyは彼が到着する前に正門から出入りした人間はいないことを確認した後、場内を警察犬も使って徹底的に探索し、誰も潜んでいないことを確認する。彼は、彼女は昼間見学者として入り、管理人の目を逃れてどこかに隠れ、深夜、城の屋上から飛び降りた考え、彼女は殺されたのではなく自殺したと断定する。ただ、死亡時、靴の履き方が間違っていること、遺書が書かれていると思われる彼女の手帳が発見されていないことに違和感を持ちながら。

やがて、彼の違和感が現実の問題となる。死体を調べた臨床医は、死因は墜死ではなく頭を殴打されたことに因る暴行死であり、彼女は殺された後、殺人者によって自殺とみせかけるために城の屋上から落とされたいう報告書をDuffyに送ってくる。

殺人者はどのようにして現場から消えたのか?城内は彼ら捜査員が事件後くまなく捜索して誰も隠れていないことは確認していた。彼は正門 の出入りがわかる監視カメラの映像を再チェック、誰も出入りしていないことを確認する。彼は、彼女を殺すことができるのは、城に居住する管理人の男しかあり得ないという結論に達し彼を逮捕し、検察庁へ送る。

しかし、管理人が犯行を頑なに否定し、司法取引にも応じない態度を見て、彼は彼の犯行について疑念を感じ始める。彼はかって密室殺人を解決した経験がある。もし、これも彼が殺人者でないのなら密室殺人になる・・・どのようにして殺人者は彼女を殺して出て行ったのか、彼は、再度、密室殺人のトリックについて挑む決心をする。そして、何故、彼女を殺されたのか?殺害の動機は何か?彼女の交友関係、仕事関係についての捜査を始める。そして彼は、彼女が読者の匿名の情報を基に、上司には内密にして、北アイルランドで行われている会社役員や政治家による児童買春についてのセックススキャンダルを取材していたことを突き止める。密室の謎が解けないままに、彼は彼女の取材メモに書かれたセレブたちに会い事情聴取を進めていく。そんな彼に政府上層部から捜査を止めるよう圧力がかかってくる。

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仕事中でも一杯やるほど酒を愛し、振られた女性に未練を残しながらも捜査中に出会った女性をデートに誘おうとする女好き?なんとも愛らしいキャラと思うと、刑事としての捜査に対する情熱はすごい。気になることは徹底的に検討する。自分ばかりでなくMcCrabban(Crabbie) Lawsonの二人の部下の意見も聞きながら納得するまで。

城の門を閉じたら密室になる場所での殺人。どういうトリックか興味をもっていたが、警察犬などを投入して、城には管理人以外誰もいない完璧に密室状態だということは証明したが、肝心の密室トリックの証明、事件の終わり方はがっかり。

E-book(Kindle版)★★★ 345ページ 2016年5月 692円(2017年購入)



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