気軽に洋書ミステリー

家にいてもすることがないおじさんは考えました。このままではボケる。そうだ!好きなミステリーを英語で読もう!英語力???

Touch & Go by Lisa Gardner

2015-12-13 17:22:44 | 読書感想

Bostonの高級住宅街で大手建設会社の社長夫妻Justin Denbe,Libby Denbeと娘Ashlynが誘拐される事件が発生する。警備会社に勤めるTessa Leoniは、早朝、建設会社からの依頼で事件を独自に調査するよう、上司から命令される。
現場に着いたTessaは、捜査官にJustinがGPS付きのジャケットを着ていることを伝え、GPSトラッカーで彼の居場所を突き止めるようとする。しかし、誘拐犯にGPSの存在を察知され、GPSはNew Hampshire州北部の廃屋の側に放置されていた。FBIと共に事件を担当することになったNew Hampshire州保安官のWyatt Fosterは、GPSが放 置されていた場所に人質の死体がないことに安堵し、人質が生きていると確信する。だが、州北部の広大な原野の中にいると思われる人質を探し出すことはに絶望感を抱く。

Tessaは誘拐犯人が家族全員を拉致したことから、身代金目的の誘拐ではないと考える。身代金が目的なら夫のJustin1人を拉致すればいいはず、さらに、誘拐犯が家族の貴金属を放置して行ったことから、彼女は個人的な恨みから、家族は誘拐されたと推測する。
そして、誘拐犯人が家の警報装置を解除していたことや、部屋の配置を熟知していたことなどから、身近な人間が事件に関与していると確信する。

Tessaは、会社内や家族の周りの人物で、彼らに恨みを抱いているものがいないか調査していく。
だが聞き取りを始めると、一家を知る誰もが彼らに好意的で、Justinの社員からの人望、愛妻ぶり、娘に対する溺愛ぶりを語り、また、妻のLibbyの夫に対する献身ぶりを褒め、Denbe一家は誰もがうらやむ理想的な家族だと、Tessaに断言する。

しかし、一見、幸せそうに見える家族の暗部を身をもって知っているTessaは、粘り強く聞き込みを続け、やがて、彼ら家族の世間に知られたくない秘密を暴き出していく。さらに、順調そうに見える会社の窮地も。

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前作で与えたTessaの強烈なキャラに惹かれて、シリーズの続編であるこの本を読むことにした。だが、Tessaは、前作の一人称から今回は三人称に変わっているせいなのか、一人称で語られる、人質に囚われたLibbyのキャラが強く印象に残った。子に対する絶対の愛が胸を打つのかも。

ただ、Tessaが警察官時代を含めて誘拐事件は初めて、29才という若さと経験不足ということから、捜査に当たる刑事達から最初、軽んじて見られていたが、徐々に能力が認められて彼女の意見が捜査方針に取り入れられていく様子は、Tessaファンとしては溜飲が下がる思いがした。

また、Libbyの身辺を調べるのに行きつけの美容院に行ったのは、女性ならではの視点。ちょっと思いつかなかったが、聞き込みの内容を読んで、なるほどなぁと納得。

誘拐事件の結果は、ある程度予測できるのだけど、それでもどういう顛末になるのかハラハラさせてくれて、面白く読めた。

ただ、この作者は、どうも捜査官同士をくっつけすぎる。D.D.WarrentとBobbyの元恋人同士、今回のシェリフのWyattとFBI捜査官Nicoleも元恋人という関係、そしてTessaとWyattもデートの約束をしている。男女コンビが好きなのかな?

 ★★★★ 384ページ Kindle版


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