気軽に洋書ミステリー

家にいてもすることがないおじさんは考えました。このままではボケる。そうだ!好きなミステリーを英語で読もう!英語力???

Stalking Susan by Julie Kramer

2013-11-10 10:01:41 | 読書感想

結婚2周年の記念日に警察官であった夫が殉職して以来、精神疾患に陥った36歳のテレビリポーターのRiley Spartzは 3ヶ月の休職のあと仕事に復帰した。精神的落ち込みから立ち直るため、またこのところ目立ったリポートをしてなかった彼女は、上司や仲間たちに自分の存在をアピールするためにもビッグスクープを欲していた。
そんな時、彼女が新人だった頃から顔なじみで、彼女に秘かに捜査情報を教えてくれていた殺人捜査課の刑事Nick Garnetは、今は刑事をやめてショッピングセンターの警備主任になっていたが、彼女にこっそり警察から持ち出した未解決の古い犯罪資料のコピーを渡す。

その中にSusan ChenowithSusan MorenoというSusanという名前をもつ女性が1991年、1992年と一年離れているが11月19日という同じ日に殺されているという新聞記事があるのに気づく。それぞれの事件は別々の事件として扱われていたが、同じ日付け、同じ名前の女性が殺されているということで、以前、Garnetは、名前と日付の一致を述べて、ふたつの事件に関連がある可能性を主張したが、捜査主任は関連性を認めず、彼は捜査を断念していた。

Garnetは、もし、彼女がふたつの殺人事件を関連づけることができたら大スクープになると話し、彼女がふたつの殺人事件を調査するように仕向ける。

 資料を読み始めたRileyは 二人の被害者には殺害方法、貧民住宅街に住んでいた被害者の死体が高級住宅街の側に放置されていたことなど、さまざまな共通性を感じ取りスクープになりそうな予感に興奮する。
Rileyは同僚のコンピュータお宅のLee Xiongに事件の概要を話し、データベースにアクセスして11月19日に殺されたSusanという名前の犠牲者が他にいないかどうか調査するよう頼む。

被害者の両親などのインタビューなどを始めたRileyは上司のNoreen Banksから後90日で雇用契約が切れる、再契約して欲しいのなら視聴率の取れる事件を追求するよう求められ、彼女のSusanについての調査を認めながらも、視聴者から告発のあったペット葬についての潜入取材を厳命される。

RileyはインタビューのときにSusan Chenowithの母親からもらったSusanの写真で彼女が殺されたときに着ていたはずのレインコートが翌年に殺されたSusan Morenoが着ていることを発見し、さらに、彼女が殺された日に彼女と話した警官は 娼婦である彼女はレインコートなどは着ていなかったと断言し、Rileyはふたつの事件が関連しており、シリアルキラーの犯行であること確信する。

そして、調査を頼んだXionからのメールでRileyは1990年11月9日にSusan Reddingという名前を持った女性が殺害されていたことを知る。さらに、1994年11月19日にSusan Niemczykが自殺していることを。
前者は犯人が逮捕されており、後者は自殺であったが。

 今年の11月19日が近づく中、11月の最初の日曜日のニュース番組で「Deadly Anniversary is Approaching」というタイトルのもとRileyは殺害され又は自殺した4人のSusanという女性の奇妙な整合性について話し、さらにシリアルキラーの可能性についても言及する。報道は38%という高視聴率を記録し、Susanという名前の女性達にパニックを起こすほどの反響を起こし、報道局長のNoreenはさらなる調査をRileyに厳命する。Rileyは、その先に待っている奈落に気づかずに、高揚感に包まれる。

*******************************************************************************

この主人公のキャラクターがとても良い、一人称で話は進むのだが、語り方が心地よかった。事件の進展の合間合間に自分のことや亡くなった夫のことなど語られていくが、語り方がうまく興ざめすることなくRileyの辛い心境や職場内の関係などわかり、彼女がなんとかスクープをゲットするよう応援したくなる。

 

作者はテレビの関係者であることが 読んでいると推察できる。例えば、被害者の両親にインタビューするときなど視聴者を意識して悲しみにくれて涙するところを撮らないと意味がない考えて思惑通り泣いてくれるようインタビューで誘導していく。自分の局が放映するまでは他の局のインタビューは受けないように頼んだりと、放送界の裏側がわかって面白かった。

調査が進むにつれて手がかりが出てきて、それぞれの殺人をつなげるという小道具のだし方がうまい。そして、ひねりもうまく利いている。また、昔のミステリーによくあった被害者などの一覧表を作っていてくれるのは、物語を頭の中で整理するのに便利であった。プロットもちょっと昔のミステリー風だった。

★★★★

 


コメントを投稿