気軽に洋書ミステリー

家にいてもすることがないおじさんは考えました。このままではボケる。そうだ!好きなミステリーを英語で読もう!英語力???

Dead Famous by Carol O'Connell

2013-06-02 12:25:57 | 読書感想

4ヶ月前、シカゴで精神科医として働いていたJohanna Apolloは患者のひとりのFBI捜査官が彼女の待合室で今話題の連続殺人犯The Reaperに殺されてから 、FBIの監視の目を逃れて、NYのホテルに人を見ると襲ってくる凶暴な猫と一緒にひっそりと暮らしていた。そして、名前を偽りRikerが運営を任されている犯罪現場の清掃を請け負う会社の一員として働いていた。

シカゴでは 誰もが有罪であると疑わなかった裁判で無罪の評決が陪審員によってなされ、その後、評決をした陪審員がReaperとマスコミによって名づけられた殺人犯によって次々と殺される事件が起きていた。FBIが彼らを保護しているにもかかわらず次々と犠牲者がでる中、陪審員たちはFBIの保護を信頼せず密かにシカゴを抜け出して他の州に移り住んでいった。
殺された捜査官はこの事件を捜査しており、何か手がかりをつかんだためにReaperに殺されたと思われた。FBIは彼女が何かを知っていると考え彼女の行方を追っていた。

全米のマスコミが この事件で沸き立っている中、Ian ZacharyをパーソナリティとするNYのラジオ番組は、行方をくらました陪審員の目撃情報を募り、確かな情報には賞金を与えるというショッキングな生放送を毎夜放送し高聴取率をはじきだしていた。そして、Johannaは、全米でもっとも悪名の高いZacharyいうこの男から、この特殊な仕事についてのインタビュー依頼をRikerを通して受けていたが断っていた。Rikerは会社の宣伝になると考え、彼女に出て欲しいと考えているのだが・・そして、Johannaはいつもこの番組を聞いているのだが。

 彼女の経歴を調べ、 彼女とシカゴの事件との関連を知ったMalloryは この事件を利用して復職しようとしないRikerをなんとか復職させようと計画する。MalloryはRikerにJohannaが偽名を使っていることを知らせるが、RikerはJohannaの彼に与える癒し感に好感をもち 偽名など意に介さない。

しかし、Malloryの思惑通り、FBIがJohannaに接近してくる。そして、FBIを振り切っての帰途、Johannaは、いつも遭遇するホームレスの男を通して彼女を見つけたというReaperからのメッセージを受け取る。翌朝、Reaperからのメッセージを彼女に伝えたホームレスの男が公園で殺されているのを彼女は発見する。

最初は 死体発見者として彼女から事情聴取していた警察だが、彼女の指紋の照会から、本名がJohanna Apoloという精神科医であり、殺害の手口が同じであるシカゴでのFBI捜査官の殺人事件の現場にもいたことを知り、一転、容疑者として彼女を扱うようになる。

10代の精神異常の犯人から銃撃されて死の淵まで追い込まれた恐怖から、二度と刑事に戻るまいと考えていたRikerだがJohannaの無実を立証するため、また、Reaperから彼女を守るために一連の事件に関する捜査を開始する。

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読んでいて衝撃的なのは 物語の中だけの設定なのかもしれないが 殺人犯から逃れている陪審員の所在を明らかにしたら賞金をもらえる番組。

こんなこと有りかと思って読んでいくとさらに衝撃的な事実が明らかになっていく。Malloryが知っていたにも関わらず、渡された捜査資料などには書かれていなかった事実にショックを受けたRikerじゃぁないけど、この事実を著者はもっと早くに教えてくれた方が この本を読むスピードをあげていったと思う。・・でも、ミステリーとはこういうものか?

この本の主役はJohannaだと思う。このキャラクターがすばらしい。10代の頃から背中にできた腫瘍のため背骨が曲がり前かがみになってしか歩くことができない。しかし、そんなハンディキャップを持っているにも関わらず、精神科医として人に心の安らぎを与えることを目的として生きている。Rikerも彼女といると安らぎを感じているようで、Malloryは銃撃されたショックから立ち直って刑事として復帰できるようJohannaがRikerを治療してくれることを願っているのだが。

Malloryは相変わらずruthless(JohannaのMalloryに対する出会った印象)
FBIのデーターなどをハッキングしたり、盗聴装置をつけたり、捜査に必要と考えたら証拠をでっち上げて証人を拘留したりとマイペース。ただ、パートナーとしてRikerを復帰させようとする必死さ、そして、孤独さが随所に感じられる。
そして、相変わらずの病的なほどの整理好き、散らかっているのを見ると直さずにはいられない・・この性格、好き!いつもにやにやしながら読んでる。そして、もうひとつ、写真のピンぼけ、尾行の他に弱点があったんだ。

★★★★


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