月の岩戸

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ヴィンデミアトリックス・15

2016-10-18 04:14:57 | 詩集・瑠璃の籠

馬鹿な男の過ちは
正直な自分の働きで
女性の心を得ようとせずに
嘘ですべてをだまして
自分の思い通りにしようとしたことだ

すべての女を
嘘でくだらないものにして
簡単に食える肉にして
全部手に入れてしまえば
一番ほれているあの女も
自分のものになると思ったのだろう
愚か者め

それは
海を網で捕まえようとするのと
同じことだ
何もなりはしない
馬鹿なことをやっても
どうにもなりはしないことに
必死になってやりつくして
すべてが馬鹿になっても
まだやめられぬ
馬鹿はどうしようもない

愛が欲しいのなら
素直に愛すればよかったのだ
馬鹿にしたりせずに
小さなことでも心を尽くして
大切にしてやればよかったのだ
そうすればおまえは
一番好きな女と
美しい暮らしをしていくことができたろうに

女に糞を塗りたくって
いやなものにして
糞に染まらない女は
馬鹿にして殺し尽くしたら
もう女がいなくなった
何もかもはもう
それで終わったのだ

おまえたちの馬鹿の歴史は
もうそれで終わりだ
これ以上の未来はない
それでも生きていかねばならない
無意味の世界を背負って
永遠の愚を
自分の骨をきしませるほど
おまえたちは身に染みつけていくのだ

それでも何もできないと言って
逃げる者は
地球にいる資格を失い
永遠のシジフォシアに向かう




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