月の岩戸

世界はキラキラおもちゃ箱・別館
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デネボラ・7

2017-06-06 04:16:06 | 詩集・瑠璃の籠

あらゆるものを
人から盗み
顔どころか
骨や血までを
作りかえってしまった自分を
明日も生きていかねばならない

生きれば生きるほど
本当の自分が枯れていく
神が創ってくださった
自分の中の
まことの玉が
どんどん腐っていく

自分など
無意味なものだと
そういうものに
なっていくのだ
自分のなした愚かさから逃げるために
あらゆる謀略をなして
自分を作り替えようとした
そのもののさだめは
遺伝子の螺旋形の連なりの玉を
派手なガラクタの偽物の玉で
埋め変えようとしたということなのだ

人間はどんどん
おかしなアンドロイドになっていく
動きはするが
考えてはいない
しつこいまでに美しくしているが
激しく醜い
立派な勉強など何もしていないのに
世界を救った天使の美を盗んでいるからだ

あつかましいという言葉は
人間の域にあるものだ
そこまでやればもう
あつかましいという言葉では言えない
あほうのきわみというのも
汚らわしい

出て行くがよい
自分というものを
馬鹿にし続けてきた結果
とうとう自分ではなくなったものよ

あほうのあほうよ

腐りきった神の宝を抱いて
無意味の虚無に刷りつけてしまった自分を
神が導いて下さると言う
とこしへの桑の世界樹に
すむがいい




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