月の岩戸

世界はキラキラおもちゃ箱・別館
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ミネラウヴァ・8

2017-01-16 04:16:04 | 詩集・瑠璃の籠

なにもかも無駄になった
なにもかも無駄になった

すべては
花のようにかわいい
あの女を手に入れるためだったのに

好きだって言えないから
言うと負けるみたいで嫌だから
ぶすにして何とかしようとした

馬鹿な女に嫌なことをさせて
糞を塗って嫌なものにして
いうことを聞かない女は
ことごとく殺した

そうやってみんな女を
馬鹿なことしかできない
馬鹿なものにすれば
あれも手に入ると思ったのだ

だが痛い女は生き残ったのに
いい女はすべて死んだ
二度と戻っては来ない
月の都に飛んで行った

なにもかもは無駄だった
なにもかもは無駄だった
綾深い文明も
居丈高なビル群も
馬鹿が舌をしびれさせている美味も
絹も宝石も
大理石の庭も檜の風呂も
みんな
あれを手に入れるために作ったのに

馬鹿な男がやったことは
すべて徒労になった
はかない影に沈んだ
その鉛のような世界を
男はまだ生きていかねばならない

いやな女しかいない
黄色く染まった世界を
破たんさせないために
むさくるしく生きていかねばならない




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