月の岩戸

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カブディリナン・2

2017-11-27 04:15:17 | 詩集・瑠璃の籠

動物的エゴとは
自己存在の幼期における
自分の輪郭のようなものだ
それがなければ
自分と神とを区別できなくなる

切ないほど痛い
自己保存欲の証なのだ

しかし
自己存在もそれなりに大きくなり
自分が豊かになってくれば
それは邪魔になってくる
他存在との共同作業が多くなり
愛の理論を知れば知るほど
自分の輪郭に強くこだわる心が邪魔になる

ここで
自分よりいいものに負けたくないがために
自分の輪郭にこだわり
動物的エゴに自分を明け渡すと
人間の迷いが始まるのである

自己存在の世界には
自分より大きく美しいものなど
あふれるほどいるのだが
それがつらくてならず
世界中で一番自分を偉くしようとして
すべてをさかさまにしようとするのだ


のやり方で
全存在を支配しようとするのである
そういうものが
多数出てくるのが
人間の醜悪期というものなのである
その期間においては
善と悪の勢力が拮抗し
人間は大きく苦悩する

自分を守るための
自分の輪郭はすでにはっきりとできている
ゆえに自己存在はもう
動物的エゴにこだわる必要はない
それがなくとも自分を区別できるのである
しかしそれも
実際エゴを捨てて見なければわからないことだ

いつまでも
子供のころのタオルケットのように
動物的エゴを持っていてはいけない
それはいらないものなのだ
捨てなさい
捨てても何もつらいことはない

かえって新しい愛の世界が
はっきりと見え
自分の本当の幸福は何なのかということが
見えてくるのである




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