月の岩戸

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カノープス・30

2016-11-04 04:16:48 | 詩集・瑠璃の籠

自分を愛してくれる愛を
あれほど裏切り
コケにしておきながら
いざ自分が大変なことになってみると
誰も自分を助けてくれないと言って
人をなじるのが馬鹿なのだ

どんなに馬鹿をやっても
必ず許してくれ
助けてくれ続ける愛など
ありはしない
無条件の愛はあるが
それは存在を保証してくれる愛であって
永遠に自分を助けてくれ続ける愛ではない

馬鹿をやって苦しんでいるおまえを
助けないことよりも
おまえを見捨てるほうが楽だと
すべての人類が思うようになるまで
おまえはやってしまったのだ

調子に乗って
馬鹿をやり続けていれば
神が怒って乗り出してくる
そこまでなるまで
おまえはやってしまったのだ

おまえは人類のすべてを裏切り
傷つけた
よって人類の世界にはいられない
果てしない徒労の荒野で
たったひとりとなり
助けてくれる人間は自分ひとりしかいない
その孤独の中に沈み
充分に自分と話し合うがよい

おまえは何をした
何をしてこうなったと
自分で自分を詰問するがよい




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