気まぐれ徒然かすみ草ex

京都に生きて短歌と遊ぶ  近藤かすみの短歌日記
あけぼのの鮭缶ひとつある家に帰らむ鮭の顔ひだり向く 

短歌人4月号 同人のうた 2

2017-04-12 12:22:51 | 短歌人
3Bの鉛筆を用ゐ草色の手帳に記すうたのかけらを
(小池光)

よべばすぐもどつて来さうな田村さんの写真によばれまたみる歌集
(蒔田さくら子)

雨水まであと幾日か夕やみに暦の二月しろく泛びぬ
(斎藤典子)

納豆巻き囓りながらに読む外信トランプの馬鹿トランプの馬鹿
(森澤真理)

金借りて姿消したる老人のハンカチは椅子に忘れられをり
(吉浦玲子)

みどりの葉すらりと立ちてすずしかる水仙の花は少年のかほ
(加藤満智子)

そしてまた死は石のようか上向きに揃えられたる母の足に触る
(小野澤繁雄)

濡れている冬の星空祈るごと歩けば遠くなる帰り道
(八木博信)

いつも飴持ち歩く人ととなりあひ会話とぎれて食むハッカ飴
(寺島弘子)

靴ひもを結び直して出てゆきしあの日の吾子はさらに遠のく
(岩下静香)

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短歌人4月号 同人1欄より。

さまざまに指の触れたる上掛けのパッチワークに身は覆はれて
(近藤かすみ)

一月に有沢螢さんのお見舞いに行ったことを一連にして、4月号詠草として十首を送った。載るのは七首。事情を知らずに読んでもわからない歌である。
ほかの方の作品を読んでいて、家族や友人の挽歌があるが、どこかが欠けていてうまく読み取れない。歌そのものとして良くないとダメだから仕方がない。


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