気まぐれ徒然かすみ草ex

京都に生きて短歌と遊ぶ  近藤かすみの短歌日記
あけぼのの鮭缶ひとつある家に帰らむ鮭の顔ひだり向く 

半券 

2020-10-09 00:23:54 | 同人誌
手洗いの水が出るのを待っていたわたくしの手は人間の手か 竹内亮

何回も読めば詩になるうつむいて竹の葉よわく揺れる窓辺に とみいえひろこ

ぜったいに離さないから 約束が嘘になるとき遠くに行ける 山本夏子

喪の花を注文している人の背とあいだを置けりかすみ草ほど 岩尾淳子

ねめねめとカレーをライスと混ぜながらわたしのなかのうつわを測る 高田ほのか

夜の浜、何も見えないことを見に来たのに街の灯が刺さる、目に 千種創一

失言をきみが許してくれるならレターパックで送る紫陽花 原田彩加

天窓の灯りが照らす清潔な落雁の箱かかえて露地へ 藤本玲未

(半券 山本夏子さん発行の同人誌)

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エッセイ 私の行きたいところ

すっきりとした印象の同人誌。風通しのいい感じがする。