びわの実のふくらむころの保健室をさなき瞳ひたすらなりき
おほいなる鯨の旅をおもひつつちからいつぱい見ひらくまなこ
(金沢早苗 ランドルト環)
翳む目は右も左も分からずに目を凝らしおり今の日本に
ピント合う瞬時に赤い気球見え国外脱出うながすごとし
(加藤隆枝 遠近両用レンズ)
ただの豆にしか見えない真実は分からなくてもよいではないか
遠方を見ていれば視力は良くなると聞いたが回復した人知らず
(上原康子 限界はまだ)
〇・七がよく見えなくて〇・八が見える不思議を抱へて帰る
眼鏡をば換へずに済んだよろこびは刺身定食を上にさせたり
(中地俊夫 見えて来ました)
***********************************
短歌人11月号、11月の扉。題詠*視力検査を詠む
おほいなる鯨の旅をおもひつつちからいつぱい見ひらくまなこ
(金沢早苗 ランドルト環)
翳む目は右も左も分からずに目を凝らしおり今の日本に
ピント合う瞬時に赤い気球見え国外脱出うながすごとし
(加藤隆枝 遠近両用レンズ)
ただの豆にしか見えない真実は分からなくてもよいではないか
遠方を見ていれば視力は良くなると聞いたが回復した人知らず
(上原康子 限界はまだ)
〇・七がよく見えなくて〇・八が見える不思議を抱へて帰る
眼鏡をば換へずに済んだよろこびは刺身定食を上にさせたり
(中地俊夫 見えて来ました)
***********************************
短歌人11月号、11月の扉。題詠*視力検査を詠む