備前焼 やきもん屋 

備前焼・陶芸家の渡邊琢磨(わたなべたくま)です。陶芸、料理、音楽、路上観察……やきもん屋的発想のつれづれです。

なんじゃこりゃ~ぁ \(◎o◎)/ 

2010-02-05 09:01:45 | 陶芸
窯から出したばかりのヤキモノは石や砂が噴出していたりしてザラザラなので、砥石やサンドペーパーや備前焼の破片などを使って、手触りを確認しながら磨いていきます。

その作業中には、なかなかに興味深い発色の物があると見とれてしまいます。


今回の「なんじゃこりゃ~ぁ \(◎o◎)/ 」は、上の写真のもの。


勿論、釉薬は使っていません。備前土100%。燃料も割り木100%。
窖窯に入れて焼きました。

窯を出してから、その原因を考えていると「なるほどな~」と。
灰釉(土灰釉)や青磁などの発色のパターンを思えば、その生成過程が思い当たる。
土ありき、窯詰めありき、窯焚きありき…。というオーソドックスな仕事の組み合わせ。

備前焼の粘土の持つポテンシャルはまだまだ知らないだけで、ず~っと深遠なんだろうなぁ。
備前産の天然素材だけで、もっともっと面白いことが出来ると思う。
そして同時に、自分では「こんなん出来た!」って思っても、とっくの昔に既にあった事なんだと思う。

それを考えると、人の一生分の仕事量なんて、たかが知れている。
人生は短いなぁ。



面白いのは遊びに来たヤキモノ屋さんに見せると皆、大笑い。「なんじゃこりゃ~」
釣り師には、「アオブダイやな~」と。
皆さん「スゲ~なぁ」と好評なんだけど…。

本人としては…
少しの範囲で出ていれば、翡翠の如く美しい。(と本当に思う)
ただし、『過ぎたるは、猶及ばざるが如し』の典型。(のような気がする)




実はもっと強烈な発色のモノもあるのだけれど、見た人に拒絶反応が出るといけないので、blogではここまで。
「アバターかよって思いました」とだけご報告。細君の反応は、 ┐(-。ー;)┌


「備前焼じゃないみたい」という言われ方には馴れているし、それについてどうとも思わないけれど、今回は少々ビックリした。
窯出しの手が一瞬止まって「全部これやったら…」と、ドキッ! 

原因の推測があるので、次回、同じような発色が出ても驚かないと思う。
むしろ、推測の検証にはなるな。


備前の土って凄い! 

もっともっと違うステップに進みたいなぁ。


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