備前焼 やきもん屋 

備前焼・陶芸家の渡邊琢磨(わたなべたくま)です。陶芸、料理、音楽、路上観察……やきもん屋的発想のつれづれです。

鉄バクテリア

2018-06-03 18:33:15 | 陶芸


窯焚きお手伝い先のヤキモノ屋さんの窯場の横に水路がある。そこに鉄バクテリア(代謝物・死骸)が集まっていた。
鉄バクテリアとは、水溶性の二価の鉄イオンや二価のマンガンイオンを酸化する土壌微生物の一種。(←Wiki的情報)
まぁ、簡単に言えば『鉄を喰うバクテリア』である。(←小生的情報)
陶芸業界的には『そぶ』と言う鉄原料。

そういえば小松左京のデビュー作『日本アパッチ族』ってのがあったなぁ。
戦後の大阪でスクラップ置き場に住まう人々が、くず鉄を食べて精製された鉄を排泄する新しい能力を持ち、その新しい人類と権力者との闘争劇。
中学の時に通称アパッチと呼ばれてた先生が紹介した本。ふと、思い出した。

さて、そぶの件。
今までは「無釉焼き締めのやきもん屋には要らぬものよなぁ」とスルーしていた。
しかし、まぁ、「ローカルな材料で作る」という面白さはあるので、ちょっと思い立って回収した。梅雨入り前の今がチャンスか。
そもそも安定した鉄ならば、ベンガラがあるんだけど……。しかも安いし。


窯元に在籍中にやったテストピース。

テストしただけで、その後は何もせず。

今日、掬ったもの。

手が黄色くなるが、臭いはしない。

ひとまず、裏漉しだな。


塊もすぐに潰れる。


液体が出来た。

これを乾燥させて擂るのが本来の作業工程なんだろうけど……、え~~と、白象嵌の土に使っている乳鉢は汚したくないので……、ひとまず密封の儀だ。

う~~ん、これでまた先送りか? 塩を使っていないけど塩漬けか?


精製しても効率が悪そうなので、手軽に使える方法をテストしたいなぁ。
いや、もっとも手軽なのはベンガラ使う事だろ!という内なる声が聞こえるが。それはそれとて。

でも、使い物になれば地元原料での製作となるしなぁ。
「備前産!」と言いたいだけでは……。


今回はテストだけでなく、完成イメージもある。
しかし、テストするのに時間がかかるなぁ。


さてさて……。 ( ← ベンガラは既に持っているんだが)


最新の画像もっと見る

コメントを投稿