バスーンふぁんたじあ

アマチュアバスーン吹きのメモ書き。

リード自作と分解と最近の作業。

2023年10月27日 | リード
 私がリード自作を始めたきっかけは、使っていたリードの製作者(故・田中雅仁先生)がお亡くなりになり、そのリードを入手できなくなったことによる。市販のリードには、そのリードが突然に店頭から消える、というリスクがつきまとう。他にも、製作をやめてしまったり、リードの仕様が変更されてしまって自分に合わなくなる、ということはあり得る。

 先日、アンサンブルの友人から、リードの製作者が突然お亡くなりになり、とりあえずはストックがあるので大丈夫だが、その後リードをどうしようと、相談を受けた。以前に記事にもしたことがあるが、その友人の使っているリードと同じようなリードができないだろうか、と試作したことがある。自分が作っているリードとはまったくタイプの違うリードなので、同じようにできるか不安があったが、友人からは完全に同じでないにしろよく似た感じのリードだ、と評価を受けた。

 なので、今後は市販で似たようなリードを探すか、私が作って提供するか、ご自身で自作するか、の三択でしょうかねぇ、とお話をした。一番良いのは、やはり自作することだと思うので、友人が自作を決意することを願っている。ふふふ、これでリード作りという泥沼にはまる仲間を増やすことができる。

 リードを自作する場合、それまで使っていた吹きやすいリードの模倣から始めるのが最も効率がよいだろう。それは、結果、こうなれば良いという完成形が分かっているからで、目標がはっきりしている。もちろん、製作者の方に直接ご教授いただくのが一番良い。

 以前、友人のリードを真似て作ったときは、リードを一本いただいて、採寸し、分解してみた。



 分解して分かることは、さほど多くはないが、面取り(ベベリング)の具合や、ワイヤーの太さ、(ある程度の)ワイヤーの締め具合い(乾燥している状態で緩くなっているか、なっていなかなど)、ブレード全体の厚さの分布、糸の巻き方と種類、コーティング剤の使用箇所などが分かる。材料や、材料の硬度、シェイパー、削り方等については推測しかできない。

 友人の使っていたリードに関しては、見た目の形とチューブ部分のきれいな8本のスコーリングから、リーガーで市販されている、舟形プロファイル・スコーリング済ケーンの116㎜と見当をつけた。巻き糸はコットンではなくナイロン系。削り方は、メーキングマシンをかけた痕が残っているので、おそらくメーキングマシンをかけた後は、簡単な調整程度で、細かな造形はしていなさそう。メーキングマシンのメーカーは分からないが、おそらくリーガーのマシン。削り台の型はオリジナルだったり手を加えている場合は分からないので、もともとのリーガーの型と仮定する。

 プッペ組み立ての方法や手順(ケーンをどのくらい水につけておくとか、工程ごとに時間を空けるとか、プッペの状態でどのくらい置いておくか、等々)は分からないので、自分の方法でやるしかない。ワイヤーの巻き順はオーソドックスな第1ワイヤーから巻いていると仮定。ワイヤーを巻くときの微妙な力加減は分からないが、おそらくどのワイヤーもキンキンに締めてある、と想像する。糸を巻くときの力加減も分からないのと、同じ種類の糸を持っていなかったので、手持ちのナイロン系の糸で細いものを使用して、緩すぎずきつすぎずを意識して同じ糸玉の大きさになるように巻いてみる。

 メイキングにかけるときは、かけはじめる位置を同じくらいにすることと、厚さが同じくらいになるように調整。ほぼメイキングだけでほぼ完成形にするので、かなり先端は薄くなるため、刃が研げていないと先端がとんでしまう。

 手持ちのリーガーのケーンがあまりなかったので、どのくらいの硬度が丁度良いか比べられなかったが、硬めよりも柔らかめのケーンの方が近い感じになりそう。

 などなどと、いつ依頼されてもよいように記憶を確かめておく。といっても、現在手元にリーガー材は残っていないので、依頼されたら材料調達からはじめる。

 その他、最近はちょこちょことプッペを組み立てていたので、多くはないがある程度たまってきた。



 まだ試していない、チャンカヤFox1シェイパーの組み合わせのリードを、2本削ってみた。久しぶりに削ったので、少し不安。



 楽器につけて試奏する手前まで進めて、あとは吹きながら調整する。



 
コメント
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