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懐ゲーレビュー『PlayMaker FOOTBALL』(PlayMaker, Inc.)

2007年02月23日 23時31分15秒 | 懐ゲー
懐ゲーと呼んでいいかどうかは微妙だが、今回取り上げるのはWindows版『PlayMaker FOOTBALL』だ。
1989年に北米で、1992年に日本語版が発売されたアメリカンフットボールシミュレーションゲーム。日本語版発売当時、非常に興味があったがPCを持っていなくて断念。ちなみに日本語版はPC-9800用とマック用の2種類だった。

1997年にPCを購入。もちろんWindowsだからプレイはできない。しかし、ダウンロード販売されており、それを購入した。価格は25ドル。後にも先にも私が購入した唯一のシェアウェアだったりする。

このゲームには3つの要素がある。
キャラクターメイキング、プレイメイキング、AIメイキングだ。

キャラクターメイキングは、単純にポジションや名前、能力値の割り振りなどからなる。通常だと大事な部分のように思われるが、このゲームではこれは枝葉に過ぎない。

このゲームの最大の魅力はプレイメイキングだ。アメリカンフットボールファンなら誰もが思う自分の考えるプレイを実際に作れてしまう喜び。おなじみのフットボールゲーム『Madden』シリーズなどでも最近は導入されているが、一から戦術を練る意味ではこちらの方がはるかに面白い。しかし、同時に難易度も非常に高い。一つのプレイを作るだけでも試行錯誤の連続である。フットボールの場合最低限用意しておくべきプレイ数は数十あるので、そこにたどり着くことさえ骨の折れる作業となる。
これに関しては日本語版が出たときに発売された攻略本『PlayMaker FOOTBALL The Book』が役に立つ。この本は単にこのゲームの攻略本としてだけでなく、フットボールを楽しむためのプレイ戦術ガイドとしても使える一冊だ。

このゲームはシミュレーターである。その魅力を支えるもう一つの柱がAIメイキングだ。『Madden』などのようにプレイヤーとして操作するスポーツゲームとしてのフットボールゲームは普通だ。『テクモスーパーボウル』のような1プレイごとにプレイをコールし、その結果を見るコーチの役割としてのシミュレーターも楽しい。だが、このゲームはそのコールをあらかじめAIに組み込んで、シチュエーションごとにプレイが選択されるようになっている。しかも、その結果が上手くいけば、そのプレイのポイントを上げて多く使ったり、逆の場合は使わなくしたりもできる。
つまり、試合を始めたら最後、プレイヤーは見ているだけという究極のシミュレーターなのである。その分、難易度は非常に高く、AIを組み上げる前に私も挫折してしまった。また機会があればプレイしてみたいと思うが、かなりの覚悟なしには1つのチームを作り上げるところまでいかないという恐ろしいゲームだ。

『ベストプレイプロ野球』シリーズに近いものがあるが、あれよりもはるかにマニアックな作りになっている。日本でも野球通は多いのだから、もっと緻密な野球シミュレーターを作ればそれなりに受け入れられる土壌はあると思うのだけどね。コンシューマでは無理でもPCゲームでなら。