外苑茶房

神宮外苑エリアの空気を共有し、早稲田スポーツを勝手に応援するブログです。

残念なこと三題

2010-05-25 19:00:38 | 社会全般
今日は、昼前に赤坂の日枝神社を訪れました。

職場の先輩が体調を崩されて、このたび退職されることになっていまったので、神社から病気平癒のお守りをもらうためです。

人一倍ハードに働く方で、私も何度となく貴重な助言をいただきました。
しかし、今週末が最終出勤日。
極めて残念な形となりましたが、何とか健康を取り戻していただきたいという願いを込めて、お守りを渡したいと思います。

さて、フィナンシャル・プランニング(FP)という言葉は、今や、すっかり一般的になりました。
FPの基本は、生涯の総収入と総支出を均衡させることです。
総合計では均衡していても、結婚時期や家族構成により収支にギャップが生じる時期がありますので、貯蓄とローンの機能を利用して、収入の先送り、あるいは収入の先取りをして収支のギャップを埋めます。
また、火災や病気などの予期せぬイベントによる収支ギャップに備えて、保険商品も併せて利用します。

収支ギャップをあまり考慮する必要のない、一部の富裕層の方々については、所得税や相続税の対策、あるいは資産の運用効率向上が中心となりますが、多くの家庭では、中長期的な収支均衡を目指すことが最優先の課題となります。

この考え方は、国の財政にも、そのまま当てはまるはずです。
国債発行額の調整を通じて、短期的な収支ギャップを埋め、保険的機能を有する準備金を積み立てながら、中長期的な収支を安定させていくことが基本です。

この基本を踏み外した国債発行や準備金取り崩しは、将来世代に増税を課して、現役世代がその資金を先取りして費消してしまうこと、あるいは市場の混乱などの不測の事態に対して無防備で脆弱な財務体質というツケを将来世代に押しつけることを意味します。

将来世代は、まだ現在の政治や社会に対して発言力を持ちません。
だからこそ、現役世代は十分に自重しなくてはいけません。

天下の大新聞やテレビ局が、ワイドショーと大差ない目線で、政治家と一緒にワイワイと騒いでいるのは、本当に残念に思います。

普天間問題と同様、国として判断を下す時に何に重きを置くべきかを明らかにして、同じ認識に到達した上で各論に入らないと、感情論に左右され、場当たり的な政局運営になってしまうからです。

また、巨額の資金管理を委ねられている立場の官僚の意識の低さも、極めて残念です。

昨日の日経夕刊に、大蔵省出身で元・防衛事務次官の方が、「退官して時間の余裕ができたから、夏目漱石全集を一から読み直し始めた。かつて読み取れなかったものが味わえる」云々と、中学・高校時代から読書好きであった思い出にも触れながら、コラムを書いていらっしゃいました。

既に、この方がご隠居さんというのならば、構いません。
しかし、この方の肩書きは、防衛省所管の財団法人・世界平和研究所の現職の理事長なのです。

そこのホームページを見ると、「国際社会が直面する課題・問題に対して発信する政策研究提言機関」とあります。
まさに世間から厳しい視線を浴びている公益法人の一つです。

しかし、その組織のトップは、時間に余裕ができたと夏目漱石の読書に夢中の様子であり、そのことを特に気がねすることなく新聞に書いているのですから、官僚の世界では、それが普通の感覚なのでしょう。

また、そのような寄稿の依頼は、財団法人の広報部門を窓口としているはずですから、その部門の担当者の現状認識も緩いというか、社会一般のそれとズレがあります。

その財団法人の理事長職は、言ってみれば自動車のエンブレムのような存在ということなのかも知れません。
「この財団法人は、次官OBが代表を務める高い格の組織なんだぞ」と内外に存在を示すのが役割で、自動車の整備や実際の運転は別の人に任せているわけです。

車のエンブレムの役目ならば、お車代程度の報酬の名誉職でも構わないはずですが、実際にはそんな給与水準のはずがありません。

国民はたまったものではありません。
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