ふみさんの日々雑感

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文庫「感染列島」涌井学著

2009-01-13 20:31:57 | 映画・ドラマ・小説・マンガ
映画「感染列島」を見に行こうかと娘と話していたが、本屋さんで平積みされていたので買って来て、一気に読んだ。

最初の患者が出た地域で、たまたま養鶏場の鶏がが鳥インフルエンザに罹って死んだ。だから、最初は鳥インフルエンザを疑われ、タミフルの投与と治療が行われた。

高熱と咳の状態の時には鳥インフルエンザと疑われていたが、しかし、黄疸症状と痙攣、そして、エボラ出血熱のように吐血・下血・あらゆる所からの出血で死んでしまう状態に、違うのではと疑う。ウイルスはどこから来たのかと。

沢山の同じような症状の患者が押しかけ、院内感染から、外へ、他の地域へと感染爆発は加速して行く。

東京都下の病院で、初めての患者が現れてからの50日間で日本は機能を停止してしまう。

もし、地域の封じ込めが早く完全に出来たなら、パンデミックは防げたかも知れない。地方自治体も政府も、その決断が出来ない。たとえ、自衛隊が地域を封鎖しても、無理やり脱出しょうとする人を即座に射殺出来るだろうか。その、命令を出せるだろうか。

もし、未来に、薬の効かない死亡率の高いウイルスが流行った時、この小説のような末路を辿るのではないかと不安になる。

世界的には、日本は海に囲まれた島国なので封じ込めに成功する。この、ウイルスは日本からは出なかったのだ。

未知のウイルスが流行ると
「それは何か?」
「それは何をするのか?」
「それはどこから来たのか?」
「それをどう殺すのか?」

ウイルスの宿主を探さないと、ワクチンを作れない。そして、この本のウイルスはとんでもない所からやって来た。飛行機から見下ろせば、美しい青い海の中の緑の真珠のようなある東南アジアの小さな島からやって来た。

島の人々が昔ながらのマングローブと暮らす生活をしていれば、人間が入らない島の奥地のジャングルの中に潜むウイルスは出ては来なかった。

ある会社がマングローブを伐採し、エビの養殖場を作らなかったら、マングローブを求めて島の住民が奥地には入らなかった。貧しい国の医療に日本人医師がたずさわっていなかったら、ウイルスは日本に来なかった。

そして、現実にもそうだが、この本の島の養殖場のエビのほとんどは日本行きである。

日本は世界中から沢山の食糧を輸入している。そして、残飯として廃棄される量は日本で生産される食料の量と同じだそうだ。そして、世界の飢餓で苦しむ人を全て救える量だそうだ。何と罪作りな事か。


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