無人島プロダクション作家全員展 「移動 ~無人島 in 高円寺での最初で最後のグループ展~」 。
そうなのです、このタイトルにあるように無人島プロダクションはこの展示を最後に別の場所に移転するとのこと。
ところが移転先はまだ決まっていないそう。うーん、どこになるんでしょうかね。
実は今回はオープニングにお邪魔してきました。
ところが行かれた方であればご存知かと思いますがあの小さなスペースです。
ものすごい混雑で、作品をひととおり鑑賞することで精一杯。正直、冷静な状態ではないのでこれは再訪せねばと思ってて昨日2回目に行ってきたところ。
ああこの狭い階段を上がるのも今回の展示が終了するまで。。。
センサーライトで照らしてくれるところも好きでしたよ。
さて、無人島プロダクションの作家は以下の8組。
八谷和彦
八木良太
チン↑ポム
風間サチコ
臼井良平
朝海陽子
田口行弘
松田修
このラインナップを改めて見てみると無人島プロダクションの藤城さんてすごいなあと思います。
会場はこんな感じです。
作品リスト順に紹介してみます。
臼井良平「生活」
上の画像の向かって右。掛け軸ちっくなモノクローム。
でも、よく見てみるとカレンダーみたくめくれる仕組み。
一番下の紙には小さな動物くんが一匹。意味は聞いてみてくださいね。ああってなりますが力が抜けます。ってかよくこの切手を見つけてきましたね。
タイトルが何故こうなったのかは今度、臼井さんに尋ねてみたいと思います。
朝海陽子「Untitled」
タイトルにあるお題「移動」の通りなのでしょう。
かっこいいモノクローム写真。車から見たであろう夜のストリート。
朝海さんの写真で組みではなく、1点のみの作品は初めて見ました。
やっぱり単体でもチカラがあります。
田口行弘「FABRIC/K」
前回の展示で度肝を抜いてくれたので期待しておりました。
コマ撮りのアニメーション。いつもは海外ですが、今回のはなんと原宿。
以前の原宿での展示のがもとになってるようです。
モノの動きがいちいちリズミカルで見ててひたすら楽しい。
お見事!
八木良太「現在地」
入口から向かって右と左の壁に向かい合うように設置された液晶モニター。
どちらも列車の先頭車両からの映像。
でも時間軸がおかしくなってて一見しただけでは分からない。
実際にタネを明かしてもらうまでは分かりませんでした。ちょっとだけ妙な感じというのがよいです。
答えは無人島で聞いてみてくださいね。
八木さんはもう一点、以前の「回路」の時のビジュアルを描いた「Circuit」が出ています。
松田修「AとB」
前回の初個展で作品の傾向が一方向なのが気になってたのです。
これ、映像がかわいい!以前の毒の入った監事も好きなのですが、こういうふり幅があるのが見れてすごくよかった。
前回とは違うようでいて、「おれがおまえで、おれがおまえで」というテーマはちゃんと通じてるのだなあと。
八谷和彦+タナカカツキ「Small Friends(Fairly Finder Ex)」
虫眼鏡を覗いて「!!」となってください。
キラキラしてる世界が広がってるよ!
大好きなタナカカツキさんが協力してると知って納得。
風間サチコ「RINKAI・沼・90」
今回も圧倒されました。
この唯一絶対感には敵いません。
技法とモチーフの奏でる異様な不況和音!版画でこんな作品作ってるのって風間さんだけなのでは。
テーマはバブル華やかなりし頃。
三角フレームで囲われたバブルの塔(△はKKK?フリーメーソンのマーク?)。
ジュリアナのおねーちゃん。逆に今になって実現に向けて動き初めたリニアモーターカー。
とにかく圧巻です。
Chim↑Pom「小津安二郎の墓拓」
ほんとタイトルまんま!でも、荘厳です。よく取れたなあと。(そういう行為に対して、技術的に素晴らしいという意味で)
たった1文字「無」と刻まれてる。
無人島の「無」。小津安二郎はその終わりに「無」を墓に描いた。無人島プロダクションは「無」からはじまるっていうことでそうなったというような話をオープニングでちらっと聞いたと思います。(言い回し、ニュアンス等違ってたらすみません)
もう一点は映像でその名も「泥棒」。
無声映画よろしく軽快な音楽に乗せて泥棒が街を練り歩く。そこから先のことは実際に映像を見て確認してください。
けっこうヤバイことをすーっとやってしまう。
あと面白いのは作中でいろんなひとと仲良くなってる姿がとてもほっとする。
おまわりさんに怒られちゃうんだけどなんか憎めない。
泥棒を描いてるのに古き良きものの匂いがするという妙な逆説。
今のご時世のほうが世知辛いってことなんでしょうか。
<無人島プロダクション関連記事>
・八谷和彦”初”ドローイング展~手で描いたものしか出しません~(無人島プロダクション)
・八木良太 個展 直線か円環か積層か(無人島プロダクション)
・八木良太展「回路」(無人島プロダクション)
・Chim↑Pom展 サンキューセレブプロジェクト アイムボカン(無人島プロダクション)
・Chim↑Pom「オーマイゴッド」展(無人島プロダクション)
・Chim↑Pom展「オーマイゴッド~気分はマイアミビーチ~」(無人島プロダクション)
・Chim↑Pom展「FujiYAMA,GEISHA,JAPAnEse!!」(無人島プロダクション)
・風間サチコ 展(無人島プロダクション)
・風間サチコ展 満鉄人 VS プリズン・ス・ガモー(無人島プロダクション)
・風間サチコ 展「昭和残像伝」(無人島プロダクション)
・臼井良平展「Sunday Remains」(無人島プロダクション)
・臼井良平 展「Flying goza mat」(無人島プロダクション)
・臼井良平 個展「encounter」(無人島プロダクション)
・朝海陽子 個展「22932」(無人島プロダクション)
・田口行弘 個展「Über ~ performative sketch」(無人島プロダクション)
・松田 修 展「オオカミ 少年 ビデオ」(無人島プロダクション)
・池松江美(a.k.a.辛酸なめ子)展「セレブ 犯罪 トリップ」(無人島プロダクション)
・3rd Anniversary ムジントウ「バー(もどき)無人島」(無人島プロダクション)
・熟女クラブ~日本美術を生で見る会(無人島プロダクション)
なんと今回の記事も含めて20件!
本当に面白いなあと思ってるから通ってしまいます。移転後も期待です!!
2/20まで。PM1:00~PM8:00OPEN。 ※祝日(2月11日)以外無休
漸く、無人島プロダクションの凄さを
実感させていただきました。
この最後の・・・含め2回しか行っていない
のですが、今回のあざみ野八木さん展示で
頭をガツンとやられた感じです。
あおひーさんのこの記事がとってもとっても
参考になりました。
ありがとうございます!
今度はTBばっちりです。
無人島プロダクションはほんとこの短い期間でものすごく作家さんたちが成長してるのにびっくりします。
しかも面白さの質にブレがない。だから追いかけてしまいます。
わたしもなんとかがんばってあざみ野に行ってこようと思います。