馬糞風リターンズ

世ノ中ハ何ノヘチマトオモヘドモタダブラリト下ツテモオラレズ

映画「舟を編む」

2013年11月14日 | 映画
映画「舟を編む」を観ました。10月25日に書いたブログですがUPするのを忘れていたようです。近くの映画館での公開が終わってしまうので駆け込みで見に行きました。コマーシャルメッセセージ風に言えば「珠玉の名作」となるのでしょうが、見終わって「心地の良い」映画でした。
 国語辞典「大渡海」を出版しようと奮闘する出版社の辞書編集部の人間模様を描いた作品です。
原作は三浦しをんの同名の小説だそうです。辞書の話ですから原作の小説を読むべきかもしれませんが残念ながら原作は読んでいません。
小説「舟を編む」も「2012年本屋大賞」受賞作だそうです。映画化は原作に劣ると言われますが、原作を読んでいないので分かりません。映画「舟を編む」が原作より劣るのかも知れませんが、映画だけしか知らない者にしてみれば5ツ星の秀作でした。
 1996年の日本アカデミー賞で主要6部門を独占し、米国など海外でも高い評価を受けた周防正行監督の「シャル・ウィ・ダンス?」や神山征二郎監督の「ハチ公物語」のように日本映画の将に珠玉の小品を、ハリウッドの巨大資本で原作とは似ても似つかぬ映画にリメークされた苦々しいことがありましたが、この「舟を編む」はどうかリチャード・ギアが食指を動かさないことを願っています。
辞書監修の松本朋佑(加藤剛)が新米編集員の馬締光也(松田龍平)に「“右”という言葉を説明できるか?」との問いかけに馬締光也はドギマギしながら「西を向いた時、北にあたる方、が右」と答えます。
 皆さんも興味があればお手持ちに辞書で「右」の語釈を調べてみては・・・・・。
手持ちの「広辞苑」4版では「南を向いた時、西にあたる方」 岩波国語辞典初版「東を向いた時、南の方」 三省堂例解新国語辞典第2版「人の体で、心臓のないがわ、また、野球でいえば、キャッチャーから見て、一塁がわにあたる方向」・・・・・・等などです。
辞書によって、また、同じ辞書でも改訂版では同じ言葉でも語釈が変わります。辞書を比べて読むのも面白いかもしれません。
イトマン事件の被告許永中が獄中で「広辞苑」を熟読して「教養」が付いたと語っているそうです。
 映画の公開にあわせたのでもないでしょうがNHK BSプレミアム で「 ケンボー先生と山田先生~辞書に人生を捧げた二人の男~ 」というドキュメントを再放送していました。三省堂の「三省堂国語辞典」を編纂した見坊豪紀さん(ケンボー先生)と、「新明解国語辞典」を編纂した山田忠雄さん(山田先生)の、それぞれの辞書を生み出した背景を伝える番組でした。この番組もとても面白い内容でした。

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