徒然なるまままに

展覧会の感想や旅先のことを書いてます。

フェルメール「デルフトの眺望」と「真珠の耳飾りの少女」

2007-07-23 | 絵画
フェルメール「デルフトの眺望」と「真珠の耳飾りの少女」
Johannes Vermeer - View on Delft, 1660-61
Johannes Vermeer - Girl with a pearl earring, 1665
Johannes Vermeer - Diana and her nymphs, c.1653-1654

王立絵画ギャラリー・マウリッツハウス Royal Picture Gallery Mausritsuhuis,

日本人の観光客のなかには、他の絵画は判らないので、フェルメールのところに直行という方もいたようですが、一室一室とめぐって13室にてフェルメールにて対峙しました。

デルフトの眺望 View on Delft, 1660-61, Inv 92, 画像

マウリッツハイス美術館、第12室の最後から二つめの作品、ハルスのFrans Hals - Laughing boy(画像)の不気味な笑い顔の向こうに、第13室「デルフトの眺望」がのぞく。意外に大きなキャンバス、96.5 x 115.7 cm。他の小さなフェルメール作品に較べると普通のサイズ。正面に立つ。明るい光るような画面。白い雲、細かく輝く水面。そして明るい日差しの下の川岸。川の向こうの新教会に日が射している。これほど屋外の光線を匠に描いた画家は見たことがない。スーラにはここまで細かく光線は描けなかった。スーラの200年以上も前に、超点描派といった繊細さで光を捉えている。建物の表面はあくまでの荒く、水面や空はあくまでも滑らかなグラデーションで仕上げられている。その微妙な差が完璧な風景画を形成している。いつまで見ていても飽きない。

真珠の耳飾りの少女, Girl with a pearl earring, 1665, Inv 670, 画像

一方、第13室に足を踏み入れる謎の視線を送ってくるのが「真珠の耳飾りの少女」。振り返るようにこちらを見つめている。画像で拝見していたよりも、淡い色ありのブルー、ターバン。その淡い色合いが明るくやさしく感動的。近寄ってみれば、真珠に射す光線、唇のピンクに光る部分。1994年に表面の黄ばみをとるなど修復をしたとのこと。
肖像画ではなく、モデルを使って描くが架空の人物をえがくTRONIEと呼ばれる形式に属するとのこと。またこの作品の前のオーナーDes Tombe氏は1881年に2.30ギルダーで手に入れたとのこと。これには驚いた。

Diana and her nymphs, c.1653-1654, Inv 406, 画像
こちらはフェルメールにしては珍しく神話を題材にした作品。

この2年ほど鑑賞してきたいくつかのフェルメールの作品を鑑賞してきた。(まだまだですが)その中では「デルフトの眺望」と「真珠の耳飾りの少女」は群を抜く傑作。やはりこの2点があるから絵画史上フェルメールは評価されているのでしょう。感動で涙がでるほどです。(20日)

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1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
赤面 (Tak)
2007-07-23 23:52:29
こんばんは。

お恥ずかしい記事に
TB頂戴し恐縮です。
こんな立派な旅行記を。

それにしてもマウリッツハイスは
「天国」のようですよね。
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