徒然なるまままに

展覧会の感想や旅先のことを書いてます。

2009年9月の記録

2009-09-28 | 美術(Index)
2009年9月の記録

  • 5日 御赦免300年記念 一蝶リターンズ ~元禄風流子 英一蝶の画業~ @板橋区立美術館
        重要文化財 英一蝶 布晒舞図 遠山記念館 

  • 5日 知られざるタオの世界
    「道教の美術 TAOISM ART」 -道教の神々と星の信仰- @三井記念美術館

  • 5日 パリ・三越エトワール帰国記念
        陶 愛と死の融合
        十二代 三輪休雪展 @日本橋三越本店
     
     はじめて拝見。「続・卑弥呼の書No.5」(1992年)などの大作。「摩利耶」など「陶」と「エロス」の融合は、現代美術ではあるが用の美とは、ちょっと程遠い世界。

  • 5日 美しきアジアの玉手箱 ―シアトル美術館所蔵 日本・東洋美術名品展@サントリー美術館

  • 6日 館蔵 秋の優品展 絵画・墨跡と李朝の陶芸 @五島美術館
     久々に「上畳本三十六歌仙絵 紀貫之像」が展示されていた(9月23日まで)

  • 11日 イタリア美術とナポレオン展 ~コルシカ島 フェッシュ美術館コレクション~大丸ミュージアム・東京
     ジョヴァンニ・ベッリーニ《聖母子》1460-80年頃
     サンドロ・ボッティチェッリ《聖母子と天使》1467年‐70年
     フランソワ・ジェラール《戴冠式のナポレオン1世》 1806年
     コッラード・ジャクイント《サン・ニコラ・デイ・ ロレネージ聖堂のドーム 装飾のための習作》1731年頃

  • 13日 名優たちの系譜 -幕末・明治の歌舞伎と現在- @太田記念美術館

  • 18日 染野夫妻陶芸コレクション ― リーチ・濱田・豊藏・壽雪 ― @東京国立近代美術館 工芸館
     濱田・豊藏の作をこれだけまとめてみたのは実は初めて。仲のよい夫妻だったようで、奥様はご主人を追うように亡くなられている。

  • 18日 所蔵作品展「近代日本の美術」@東京国立近代美術館
     2009.6.13-9.23(後期)
     坂本繁二郎の特集 「坂本繁二郎(1882-1969)のの作品の多くは、コントラストを低くした同系色で描かれています。それゆえ、最初は茫漠とした絵と見えるかもしれませんが、しばらく見ているとモチーフが盛り上がってくるように感じられます。デジタル画像の処理を通して色彩についての理解が自然と深まっている今日こそ、坂本の絵画をよりよく楽しむことができるのではないでしょうか。」とあるが、流石MOMATの学芸員のかたの説明はわかりやすい。
     川端龍子《草炎》は、伝統的な金地墨彩の逆の墨地金彩だと気がつく。
     フランシス・ベーコン、 スフィンクス-ミュリエル・ベルチャーの肖像 1979 は、初めて気がついた。こんな作品所蔵していたのですね。http://f.hatena.ne.jp/images/fotolife/V/V20/20090716/20090716220258.jpg

  • 18日 ウィーン・ミュージアム所蔵 クリムト、シーレ ウィーン世紀末展 @日本橋高島屋
     アカデミズムに訣別を告げた「ウィーン分離派」を中心に展示される。
     グスタフ・クリムト 《パラス・アテナ》 1898年
     エゴン・シーレ《自画像》
    ほか

  • 19日 聖地チベット-ポタラ宮と天空の至宝 @上野の森美術館
     カーラチャクラ父母仏立像
     十一面千手千眼観音
    など 
     素晴らしいがちょっと政治的に複雑な気分。

  • 19日 平常展 東京国立博物館 本館
  • 19日 平常展 東京国立博物館 表慶館 アジアギャラリー
  • 19日 慶應義塾創立150年記念夢と追憶の江戸 -高橋誠一郎浮世絵コレクション名品展 @三井記念美術館

  • 19日 島屋史料館所蔵名品展(後期)@泉屋博古館 分館
     竹内栖鳳 「アレ夕立に」 明治42年(1909)
     中村貞以 「平和」
     横山大観  蓬莱山 1949年; 大作で壁にかかりきれない。

  • 27日 芭蕉 <奥の細道>からの贈りもの @出光美術館
     書として芭蕉の句を展観する。なかなか興味深かった。
  • コメント (1)
    • X
    • Facebookでシェアする
    • はてなブックマークに追加する
    • LINEでシェアする

    春信 @高橋誠一郎浮世絵コレクション名品展

    2009-09-20 | 絵画
    慶應義塾創立150年記念
    夢と追憶の江戸
    -高橋誠一郎浮世絵コレクション名品展-
    2009年9月19日から11月23日
     前期 10月12日まで
     中期 11月1日まで
     後期 11月23日まで
    三井記念美術館

    高橋誠一郎浮世絵コレクションに、春信は29点(こちら)。そのうち27点が展示される。以下がリスト。何といっても風俗四季哥仙の12枚が愁眉。三井高大(?)氏から譲り受けたという。27点のために、あと2回通わねばならぬ。
    展示法として、そのまま浮世絵を置いてある方法をとっているため、表面のようすがよくわかり、よかった。このため、歌麿の高名美人六歌撰 難波屋おきた は雲母摺りが残るのがよく鑑賞できる。また一作品一作品解説があるので、画題が勉強になる。


    図録番号-展示期間(1,2,3期)作品名

  • 40-1 巨川 坐鋪八景 手拭かけ帰帆
  • 41-2 春信画 鶴上の遊女

  • 28-3 春信画 風俗四季哥仙 立春 天の戸の明るけしきも静かにて雲井よりこそ春は立ちけれ
  • 29-1 春信画 風流四季哥仙 二月 水辺梅 末むすぶ人の手さへや匂ふら梅の下行水のなかれは
  • 30-1 春信画 風俗四季哥仙 竹間鶯 窓ちかき竹のは風も春めきて千代の声あるやとのうくいす
  • 34-1 春信画 風俗四季哥仙 水無月 吹風は川辺涼しくよる浪の立かへるへき心ちこそせね
  • 37-3 春信画 風俗四季哥仙 神無月 偽りのなき世なりけり神無月たか誠よりしくれ初けん
  • 39-2 春信画 風俗四季哥仙 庭の雪 あとつけね程をも見せん庭の雪人もとうふまて消すもあらなん
  • 31-2 鈴木春信画 風俗四季哥仙 三月 こきませに色をつくしてよる貝は錦のうらとみゆるなりけり
  • 32-2 鈴木春信画 風俗四季哥仙 卯月 人もとへ咲けや卯月の花さかりこてふに似たる宿の垣ねを
  • 33-3 鈴木春信画 風俗四季哥仙 五月雨 ふるすさふとたへはあれと五月雨の雲ははれ間も見へぬ空かな
  • 35-2 鈴木春信画 風俗四季哥仙 立秋 浅からぬ契りをそおもふ天の川あふせは年の一夜なれとも
  • 36-3 鈴木春信画 風俗四季哥仙 仲秋 秋萩の花野の露にかけとめて月もうつらふ色やそふらん
  • 38-1 鈴木春信画 風俗四季哥仙 神楽月 杉たてる門はなけれと里かくら是や宮井のはしめなるらん

  • 45-3 春信画 春駒
  • 42-1 春信画 廊下相撲
  • 46-1 鈴木春信画 宮参り
  • 47-2 ()雪転がし
  • 43-2 鈴木春信画 子供の相撲
  • 48-3 鈴木春信画 銀鞍白馬 見立源氏
  • 44-3 鈴木春信画 双六のけんか
  • 49-1 春信画 子供の遊び 影絵
  • 50-2 鈴木春信画 一本菊
  • 51-3 春信画 白象と唐子
  • 52-1 春信画 髪洗う二美人
  • 53-2 春信画 蚊帳の母子
  • 未出展 まつさかや内(遊女と禿)
  • 未出展 大門口
  • 54-3 春信画 萩

    (慶応大学のサイトの順)
  • コメント
    • X
    • Facebookでシェアする
    • はてなブックマークに追加する
    • LINEでシェアする

    表慶館 アジアギャラリー

    2009-09-20 | 工芸
    表慶館 アジアギャラリー
    2009年8月4日から2010年1月31日
    東京国立博物館

     東洋館が工事で休館となり、2009年8月4日(火)より、表慶館(アジアギャラリー)で東洋の彫刻・工芸・考古遺物を展示されている。はじめて覘いてみたが、いままでの東洋館の展示と違って、精選された文物がライトアップされて展示されているので、思わず見入ってしまった。


    第1室 中国考古
     饕餮紋ホウ(とうてつもんほう)がライトアップされる。表面の凹凸の影が強調され、何度も見ているはずだが、ギャラリーの名に相応しい。甲骨文にもライトのため、思わず目がいく。

    第1室 中国彫刻 
     如来三尊仏龕が1点。

    第2室 中国工芸
     横河民輔氏寄贈作品より、東晋時代から清時代までの中国陶磁器の代表作品を展示する。どれも優品ばかりで目移りしてしまう。リストしておこう。ただこのコーナーは照度不足。もう少し明るくてもいいと思う。重文 三彩龍耳瓶は、三彩をこの夏は優品を多く鑑賞したので見比べる。

  • 青磁四耳壺 1口 古越州窯 東晋時代・4世紀 TG-2056
  • 青磁蓮弁文盤 1枚 南朝時代・5~6世紀 TG-2110
  • 重文 白磁鳳首瓶 1口 唐時代・7世紀 TG-645
  • 重文 三彩龍耳瓶 1口 唐時代・8世紀 TG-647

  • 白磁蓮花文皿 1枚 定窯 北宋時代・11~12世紀 TG-736
  • 青磁唐草文水注 1口 耀州窯 伝朝鮮出土 北宋時代・11世紀 TG-1247
  • 白釉刻花唐草文水注 1口 磁州窯 北宋時代・10~11世紀 TG-766
  • 白磁牡丹文輪花鉢 1口 北宋~南宋時代・11~12世紀 TG-1244
  • 重文 青磁輪花鉢 1口 南宋官窯 南宋時代・12~13世紀 TG-1234
  • 白釉黒地白花牡丹文枕 1個 磁州窯 北宋時代・12世紀 TG-2003

  • 素三彩瑞果文皿 1枚 景徳鎮窯 清時代・康煕年間(1662~1722年) TG-1082
  • 重文 粉彩梅樹文皿 1枚 清時代・雍正年間(1723~35年) TG-1333
  • 豆彩瓜蝠文皿 1枚 景徳鎮窯 清時代・雍正年間(1723~35年) TG-1004-1
  • 藍釉粉彩桃樹文瓶 1口 景徳鎮窯 清時代・18世紀 TG-1019
  • 紅釉瓶 1口 景徳鎮窯 清時代・乾隆年間(1736~95年) TG-1052
  • 白磁印花蓮花文鉢 1口 景徳鎮窯 元時代・14世紀 TG-731-1

  • 豆彩龍文壺 1口 景徳鎮窯 明時代・成化年間(1465~87年) TG-1002
  • 黄地緑彩人物文鉢 1口 景徳鎮窯 明時代・嘉靖年間(1522~66年) TG-951
  • 五彩花鳥文方壺 1口 景徳鎮窯 明時代・隆慶年間(1567~72年) TG-906
  • 五彩龍鳳文面盆 1口 景徳鎮窯 明時代・万暦年間(1573~1620年) TG-909


    第7室 西アジア・エジプトの考古と美術
    第8室 インド・ガンダーラ彫刻
    第8室 東南アジア彫刻

     東博にも、こんなものがあったのか、と思わせる展示。いつもはあまりに多く展示されていて、見過ごしてしまうのだが、単純にこれくらいに絞られると、考古学的に価値があるというよりは、逸品のみが展示されていて、ただ美しく、楽しく鑑賞できる。


    第9室 朝鮮考古
     最近三国時代に興味があるので、加耶という文字を見つけたり、太環式耳飾(たいかんしきみみかざり) (新羅)の金の耳飾などに古代に思いをはせる。
    第9室 朝鮮工芸

  • 青磁蓮花文瓜形瓶 1口 高麗時代・12世紀 TG-46
  • 青磁透彫唐草文箱 1合 高麗時代・12世紀 TG-2208
  • 青磁象嵌梅竹蒲柳水禽文瓶 1口 高麗時代・12~13世紀 TG-2171
  • 粉青線刻魚文双耳鉢 1口 朝鮮時代・15~16世紀 TG-178
  • 鉄砂草文壺 1口 朝鮮時代・17世紀 横河民輔氏寄贈 TG-2125
     の5点のみ、ちょっとこれは物足りないが、青磁象嵌梅竹蒲柳水禽文瓶はすばらしい。

    今回の気合の入った展示は、2010/1/31までのようだ。



    企画展示  特集陳列「中国書画精華」本館特別1室・特別2室も開催中。
    前期:2009年9月15日(火)~10月12日(月・祝)
    後期:2009年10月14日(水)~11月8日(日)

    後期には、見たいと思っていた
    国宝 夏景山水図 1幅 伝胡直夫筆 南宋時代・13世紀 山梨・久遠寺蔵
    が展示される。楽しみ。

    工芸  特集陳列「中国漆工」 14室 2009/8/25~2009/10/18 も展示中。
  • コメント
    • X
    • Facebookでシェアする
    • はてなブックマークに追加する
    • LINEでシェアする

    名優たちの系譜-幕末・明治の歌舞伎と現在-@太田記念美

    2009-09-13 | 絵画
    名優たちの系譜 -幕末・明治の歌舞伎と現在-
    2009年9月1日から26日
    太田記念美術館



    役者絵と相撲絵は不得意。結局、何が描いていあるか分からないから。歌舞伎は数回経験しかない。浮世絵を理解するために「團十郎の歌舞伎案内 (PHP新書 519)」などは読んで「江戸では関ヶ原の戦いの戦勝組なので荒々しい芝居が好まれたとか、多少はかじったのですが。
    本展覧会は、歌舞伎に不案内な私のようなものには、役者絵への理解の一助にはうってつけの展覧会。幕末から20世紀初めに活躍した九代目市川団十郎、五代目尾上菊五郎、三代目沢村田之助を中心に役者絵が並ぶ。リーフレット500円もあり復習もできる。

    浮世絵の展覧会としては、これらの役者たちを晩年の三代歌川豊国が描いた作品が多く並ぶ
    三代歌川豊国 「今様押絵鏡 濡髪長五郎」(初代河原崎権十郎 のちの九代目市川団十郎) 1859年4月
    三代歌川豊国 「今様押絵鏡 初代中村福助の団七九郎兵衛」1859年6月

    三代歌川豊国「三代目沢村田之助の妼於加留」(錦昇堂版役者大首絵)
    三代歌川豊国「四代目中村歌右衛門の舎人松王丸」(錦昇堂版役者大首絵)
    三代歌川豊国「御誂見立狂言 三代目沢村田之助の錦升女 初代河原崎権十郎の和藤内三宮 五代目坂東彦三郎の呉将軍甘輝」
    三代歌川豊国「三代目沢村田之助の重の井 河原崎国太郎の娘おさん 初代坂東亀蔵の江戸兵衛 十三代目市村羽左衛門の井筒屋新助」1861年5月
    など  

    そのほか
    豊原国周「歌舞伎座中満久皿矢舗化粧姿鏡」 (九代目市川団十郎、五代目尾上菊五郎ほか)(明治25年10月)は、団菊のひざびさ競演の作品だそうだ。

    猿若町の江戸三座の地図なども興味深く見た。

    お勧め。もう一度、「團十郎の歌舞伎案内 (PHP新書 519)」を読みなおそう。

    團十郎の歌舞伎案内 (PHP新書 519)
    市川 團十郎(十二代目)
    PHP研究所

    このアイテムの詳細を見る

    コメント
    • X
    • Facebookでシェアする
    • はてなブックマークに追加する
    • LINEでシェアする