徒然なるまままに

展覧会の感想や旅先のことを書いてます。

出雲と大和 @東京国立博物館

2020-01-26 | 美術
出雲と大和 @東京国立博物館

このタイトル、あまりに興味がひきません。出雲大社も訪れたことはあるし、明日香も「山の辺の道」も歩いています。いい意味で裏切られました。新聞でいろいろな遺跡からの新発掘が報じられますが、それらがきちんと時代順に展示されていて、古代日本の文明の発展がよくわかりました。何十年前の教科書のイメージより、早く中華文明が日本に到達していたようです。

  • 日本書紀 神代巻下 卜部兼夏写 1303 天理大学図書館
    冒頭は「日本書紀」。令和2年(2020)は、『日本書紀』が編纂された養老4年(720)から1300年。


  • 第1章:巨大本殿 出雲大社
    入り口に、心御柱、宇豆柱 が出迎える。出雲大社で拝見したのだが、こんなに巨大だったでしょうか?柱の直径は約1.3m、3本束ねた直径は約3m。金輪御造営差図(千家家)は、その柱の配置の差図。

    出雲大社御本殿の「古代高層神殿・雲太」の1/10の模型も、なんでこんな階段をつくったか興味深いです。

  • 第2章:出雲 古代祭祀の源流

  • 国宝 銅剣・銅鐸・銅矛 島根県出雲市 荒神谷遺跡出土 弥生時代・前2~前1世紀
    荒神谷遺跡出土の銅剣358本中168本、銅矛16本中16本すべて、銅鐸6個中5個のあわせて189点を展示。圧巻です。
  • 国宝 銅鐸 島根県雲南市 加茂岩倉遺跡出土 弥生時代・前2~前1世紀
    日本最多となる39個の銅鐸が一括出土したうち、30個が展示。シカ・ウミガメなどの絵や特殊な文様が、銅鐸によって違う。びっくりです。

  • 第3章:大和 王権誕生の地

  • 重要文化財 円筒埴輪 奈良県桜井市 メスリ山古墳出土 古墳時代・4世紀 奈良県立橿原考古学研究所附属博物館蔵
    前方後円墳の上に並べられた高さ約2.5mの世界最大の円筒埴輪。埴輪の常識を覆す大きさです。

  • 重要文化財 画文帯神獣鏡・三角縁神獣鏡 奈良県天理市 黒塚古墳出土 古墳時代・3世紀 文化庁蔵(奈良県立橿原考古学研究所保管)
    黒塚古墳は、山の辺の道を歩いた時、ちょっと遠くてスキップしてしまった。33面もの三角縁神獣鏡が出土していたとは。

  • 国宝 七支刀 古墳時代・4世紀 奈良・石上神宮蔵

  • 金銅装鞍金具 奈良県斑鳩町 藤ノ木古墳出土 6世紀 
     精巧な金具は、騎馬民族が渡来してそのまま埋葬されたのでしょうか?

  • 古事記 上巻(道果本) 1381年  天理大学図書館
  • 延喜式 巻八(九條家本)11世紀  東京国立博物館
  • 出雲国風土記
  • 播磨国風土記 11世紀から12世紀  天理大学図書館

  • 第4章:仏と政

  • 観音菩薩立像 692年 島根県鰐淵寺
  • 持国天立像 7世紀 奈良県当麻寺
     飛鳥時代の仏像が島根や当麻寺にもあるのですね。

  • 神像 素戔嗚尊、稲田姫命 八重垣神社 16世紀
     見に行ったことを思い出しました。
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    博物館に初もうで 新春の春信

    2020-01-12 | 絵画
    博物館に初もうで 新春の春信

    新春らしい春信3作品を東京国立博物館で見てきたのでご紹介。(12日訪問)

    1点目は、12年前にも訪れた博物館に初もうででも、拝見した「鼠、猫と遊ぶ娘と子供」(A-10569-1271)。ねずみが娘の胸元にはいっている。実は前回は、本館1室に壁に展示されていたので、非常に遠くから鑑賞することになり、鼠をみるのが大変だったが、今回は中央の展示台に横置きされていたので、よくよく鼠が鑑賞できた。作品の制作時期だが、これが干支の子を題材とした作品ならば、春信の錦絵は明和弐年から明和七年(没年)までに限られるので、明和五年(戊子)の作品ということになるが。



    本館10室には2点。1点は、「女中年礼」(A-10569-1241)。富田板、画工鈴木春信「春信」(印)とあり、春信の初期の大判紅摺絵の世界に1点しかない作品。調べてみると2005年2014年にも展示されていたようだが、初見。



    もう1点は、「追羽子」(A-10569-127)。こちらも、春信らしい作品。


    とはいえ、こんな「追羽子」の風景は、今は新春でもみないなというのも、ちょっと寂しい。

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    ハプスブルク展 @国立西洋美術館

    2020-01-12 | 絵画
    日本・オーストリア友好150周年記念
    ハプスブルク展 600年にわたる帝国コレクションの歴史
    @国立西洋美術館

    展覧会は、帝国コレクションの歴史と銘うたれており、ハプスブルグ家がコレクションを形成した順にたどる。

    1.ハプスブルク家のコレクションの始まり(マクシミリアン1世)
    2.ルドルフ2 世とプラハの宮廷
    3.スペイン・ハプスブルク家とレオポルト1世 
    4.フェルディナント・カールとティロルのコレクション
    5.レオポルト・ヴィルヘルム:芸術を愛したネーデルラント総督 
    6.18 世紀におけるハプスブルク家と帝室ギャラリー
    7.フランツ・ヨーゼフ1世の長き治世とオーストリア=ハンガリー二重帝国の終焉

    ハイライトは何といってもベラスケス4点。
  • ディエゴ・ベラスケス 宿屋のふたりの男と少女 SMB
  • ディエゴ・ベラスケス スペイン国王フェリペ4世(1605 –1665)の肖像
  • ディエゴ・ベラスケス スペイン王妃イサベル(1602 –1644)の肖像
  • ディエゴ・ベラスケス 青いドレスの王女マルガリータ・テレサ(1651–1673)

    あとは、、ブダペスト国立西洋美術館の作品のいくつか
  • ジョルジョーネ 青年の肖像 1508 -10 年頃 SMB、絵画館
  • ディエゴ・ベラスケス 宿屋のふたりの男と少女
  • ヴェロネーゼ(本名パオロ・カリアーリ) 男性の肖像 1555年頃 SMB、絵画館
  • ヤン・ブリューゲル( 父) 堕罪の場面のある楽園の風景 1612 /13 年頃 SMB、絵画館


    ルブランのマリー・アントワネットの肖像画もテレビを見たばかりだったので印象的だった。その髪型を流行させたのは彼女自身だ、この肖像画をおくられたマリー・テレーズは、たしなめた(?嘆いた)という。
  • マリー・ルイーズ・エリザベト・ヴィジェ=ルブラン フランス王妃マリー・アントワネット(1755 –1793)の肖像 1778 年

  • ヨーゼフ・ホラチェク 薄い青のドレスの皇妃エリザベト(1837–1898) 1858 年
    も、美人で有名な皇妃エリザベトは、こんな顔をしていたのかと。

    それにしても、3連休の上野の人出はすごかった。何といってもゴッホ展。入場まで110待ちの表示で長蛇の列では仰天。
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    スーチンを見にオランジェリー美術館コレクション展に

    2020-01-03 | 絵画
    「オランジュリー美術館コレクション ルノワールとパリに恋した 12 人の画家たち」@横浜美術館

    オランジュリー美術館には訪問したことがあるのでスキップしようかと思っていたが、スーチンChaïm Soutine(1893-1943)が多数展示されていると知り訪れた。松方コレクション、コートルド美術館展でのスーチンが印象的でちょっと気になっています。

    最後の部屋に展示されていたのは、次の8点。オランジェリー美術館のサイトには22点が掲載されているが、ヨーロッパ一のコレクションだという。米国のバーンズがSoutineを発見したというが、バーンズコレクションのサイトには21点が掲載されている。

  • La Maison blanche(ca 1918, 1933?), RF 1963-92
  • Gladioli(ca 1919), RF 1963-95
  • The Little Pastry Cook(1922-1923), RF 1963-98
  • Landscape, RF 1963-84
  • Side of Beef and Calf’s Head(ca.1925), RF 1963-86
  • The Turkey(ca. 1925), RF 1963-81
  • The Room Service Waiter(ca.1927) RF 1960-50
  • Altar Boy(ca.1927-28), RF 1963-96

    曲がりくねった風景、レンブラントを意識した死んだ動物、肩肘が張った人物とスーチンの画題を網羅した展示だった。
    やはり人物がよかった。The Little Pastry Cookは傑作です。

    次によかったのはやはりマティス
    ドメニカがギョームの収集していた1910年代の大作は処分して、1920年代の作品を中心としたコレクションにしたという。ニース時代の装飾性の高い部屋の作品は、やはりマティスらしい。
    三姉妹(1917)は、ギョームがオークションで入手したもの。バーンズに売った3姉妹へのオマージュだという。バーンスコレクションのサイトをみるとRoom 19, West Wallにマティスの「三姉妹」が何と3枚並べて展示されている。

    マティスもスーチンもあるとなると、フィラデルフィアに行きたくなった。

    パリで見学するのと違い、解説をゆっくり読んでギョームの邸宅のマケット(再現ミニチュア)も見れ、何をドメニカが処分し、何をあとから購入したかも分かり、意外にも満足のいく展覧会でした。

    3日の1500過ぎに到着したら、寒い外を含め30分も切符の購入に並んだのだけが、ちょっと残念でした。(帰る頃には列はなかった)

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    新収蔵品が楽しみなアーティゾン美術館 1月18日オープン

    2020-01-03 | 美術
    新収蔵品が楽しみなアーティゾン美術館 1月18日オープン

    日経新聞 元旦四部。2020年文化彩る施設続々と、という記事に美術館の再オープンが紹介されていた。

    ブリヂストン美術館改めアーティゾン美術館。日時指定制チケットがちょっと面倒だと思っていたが、新収蔵品のカンディンスキーの「自ら輝く」(1924年)の写真を見て、MUST-GOだと。30点の新収蔵品が公開されるという。ベルト・モリゾ、メアリー・カサット、デュシャン、草間彌生なども購入したというので楽しみ。

    このほかには京都市立美術館が京セラ美術館として3月21日、サントリー美術館が5月13日、SOMPO美術館が5月28日に再オープンする。

    千葉市美術館も7月に再オープン、浮世絵、近代版画のコーナが新設され、図書室が拡充されるという。浮世絵関係の図書は多く所属しているので、ちょっと寄ってみたい。

    東京在住者としてショックなのは、国立近代美術館の工芸館が金沢市に移転すること。平成28年に報道発表されていたようだが、寝耳に水。兼六園周辺文化の森に旧陸軍の第9師団司令部庁舎と金沢偕行社を移転復元し、夏頃オープンとのこと。富本憲吉 作 色絵金銀彩四弁花文八角飾箱、松田権六 作  蒔絵螺鈿有職文飾箱、佐々木象堂 作 蠟型鋳銅置物 瑞鳥、飯塚琅玕斎 作 花籃 宝殿など現工芸館が所蔵している美術工芸作品の約70%が移転されるとのこと。北陸新幹線もまだ未乗車ですから、金沢を訪れるいい機会かもしれませんが。。やはりちょっとショックです。

    4月には、国立アイヌ民族博物館が北海道白老町に、絵本を中心とした文化施設PLAY!が立川駅北口にオープン。

    劇場としては、渋谷にPARCO劇場、横浜MM地区に、ぴあアリーナMM,ZEPP,Billboard Liveとライブ施設がオープン。とのこと。
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