徒然なるまままに

展覧会の感想や旅先のことを書いてます。

2月の記録

2006-02-28 | 美術(Index)
2月の記録

今月は結構忙しくて鑑賞だけして、記録していない展覧会が多数あります。コメント、TBへのリプライが遅くて申し訳ありません。

展覧会(日付は鑑賞日)
  • 3日 渋谷で出会うポーラ美術館の印象派コレクション展

  • 11日 オルセー美術館
  • 11日 中世(旧クリュニー)博物館 @パリ
  • 11日 ルーブル美術館
  •      フラゴナール没後200年特別展示 @ルーブル美術館

  • 15日 パウル・クレー展 大丸・東京
  • 15日 印象派と20世紀の美術(常設展示) ブリヂストン美術館

  • 18日 ニューヨーク・バーク・コレクション展
  • 19日 特別展「書の至宝-日本と中国」(後半)
  • 19日 現代書道二十人展50回記念「日本書壇の歩み―昭和から平成へ」
  • 19日 東京国立博物館 常設展示
  •      速水御舟浅井忠
  •      国宝室 法華経(久能寺経) 方便品・厳王品 ほか 
  • 19日 中村不折コレクション 日中書法名品展@書道博物館
  • 19日 「大いなる遺産 美の伝統展」
  •      速水御舟浅井忠  

    読書
  • 書籍「20世紀絵画」 宮下誠著   このアイテムの詳細を見る
  • 「フランス絵画史」高階秀璽     このアイテムの詳細を見る
  • 「二時間の印象派」西岡文彦    このアイテムの詳細を見る
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    「大いなる遺産 美の伝統展」 @東京美術倶楽部

    2006-02-27 | 美術
    東京美術倶楽部
    創立100周年記念「大いなる遺産 美の伝統展」
    2005年2月5日~26日 9~19時(金曜日は20時まで)
    東京美術倶楽部[東美アートフォーラム]

    1.国宝を中心とする古美術の名品
    2.日本近代絵画の巨匠たち 知られざる名作を集めて
    3.近代工芸の創生 新たな美を求めて

    19日13:00過ぎに表記に行ってきました。5分ほど入り口で入場制限されましたが、国宝室への入場に15分ほど待たされたのを除いては、ゆっくりと鑑賞できました。遊行七恵さんの4回に渡る力作にはとうてい及びませんが、つらつらと眼に留まったものを。

    日本画

  • 小林古径 《山鳥》昭和13年(霊友会、ニューヨーク万国博覧会「雪」と題し出品):古径らしい凛とした山鳥、背景の雪がまたいい。展覧会の冒頭を飾るのに相応しい優品。
  • 下村観山 《三保富士》(巴里日本美術展出品1929):画面を上下に分け、上段に富士の頂をアップにして台形に描き、下段に三保の松原を描く。
  • 前田青邨 《洞窟の頼朝》昭和32年(日本美術院の「十大家名幅展」出品 ):緻密な鎧装束。NHKの日曜美術館で本作品が放映されていました。
  • 菱田春草 《柿に猫》明治43年:《黒き猫》は、《柿に猫》と《落葉》のあわせて描いたことになるのでしょうか。
  • 富田溪仙 《東山夜桜図》昭和7年:上空から俯瞰した東山(円山公園)の夜桜。京都を桜を愛でたくなります。
  • 上村松園 《櫛》昭和15年:松園の得意とする透き通るような技法が櫛の表現に光ります。
  • 伊東深水 《通り雨》昭和24年 (第2回日本美術協会展): 横で鑑賞されていた妙齢のご婦人は、朝丘雪路さんに似ていると話されていました。
  • 奥村土牛 《八瀬の牛》 昭和14年(静岡県美寄託、青丘会第4回展) :存在感のある牛です。
  • 土田麦僊 《甜瓜図》昭和6年(埼玉県立近代美術館、第2回七絃会):黄緑の色合いの美しさ。透明感のある甜瓜。北斎展に展示されていた《西瓜図》(宮内庁三の丸尚蔵館蔵)にも似た雰囲気の漂う作品。
  • 速水御舟 《びなんかずらにるり図》 昭和7年(1932)(角谷二葉堂新作画展):昨日のBLOG参照

    洋画

  • 浅井忠 後日書きます。
  • 藤島武二 《官女と宝船》(1920、大正9年):>昨夏オークラで鑑賞した《幸ある朝》(1908、明治41年)は、欧州滞在中の作品だったのでしょうか?それから12年の歳月がこの気品ある知的な日本女性像に結実したのでしょうか?

    解説からの引用:明治38年から約4年間、ヨーロッパに滞在して制作したこの画家は、帰国後、そこで受けた新しい刺激を生かす努力を続ける。大正3年の「東洋振」、同5年の「芳」から顕著になる東洋的な画風を深化した結果が、同9年に描かれたこの1点である。初期の傑作「天平の面影」(明治35年)に通じるものがあるとはいえ、極めて現代的で、気品に富む女性から受けた香気を官女的なイメージに置き換えた表現に他ならない。

  • 岡田三郎助 《あやめの衣》昭和2年(ポーラ美術館)(ポーラコレクション)(第2回本郷繪畫展覧会):印象的です。
  • 小磯良平  《合奏》昭和48年(第37回新制作展):少女のこちらを向く姿。画家の暖かい眼差しを感じます。

    近代工芸
    ここは一寸会場が混みあっていました。富本憲吉が3作品が印象的でした。
    《白磁蓋付壺》(1933 大原美術館)
    《色絵陶筥》(1941)
    《色絵金銀彩菱四弁花蓋付飾壷》(1959 茨城県陶芸美術館)

    古陶器
    12世紀の高麗青磁が10点。高麗青磁はいいですね。11世紀から13世紀の中国の陶器が21点展示されていた。素人目にも優品。

    屏風
    波濤図屏風はモダン。

    国宝
    《源氏物語絵巻 夕霧》(五島美術館)
    《紫式部日記絵詞 第三段》(五島美術館):
     両作品とも大昔に五島美術館での微かな記憶での印象とは違い、明るく展示されていて色合いが素晴らしかった。料紙もすばらしい。
    《書状(離洛帖)》 藤原佐理筆(畠山記念館):佐理はこの日は2点も鑑賞。伏見天皇、松平不昧公所持
    《絵因果経》(東京藝術大学):バーク・コレクションにも同様な絵因果経がありましたが、こちらは素晴らしい。
    《林檎花図》 伝 趙昌筆 (南宋)(畠山記念館):
    《鶉図》 伝 李安忠筆 (南宋)(根津美術館):両者とも実はよくわかりません。地味です。
    《青磁下蕪花生》 南宋 (アルカンシェール美術財団(東博寄託)):ちょっと首が太い気がしてあまり趣味ではないです。
    《玳玻盞天目茶碗》(相國寺 承天閣美術館):TakさんのBlogに経緯が詳しく書かれています。かわいらしい。松平不昧公所持。
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    速水御舟 《萌芽》《びなんかずらにるり図》

    2006-02-26 | 美術
    19日に速水御舟(1894-1935)の2作品を鑑賞。最近鑑賞した作品を含めてリストする。

    《萌芽》 大正元年(1912) 原三渓旧蔵
    2006/2/7~ 2006/3/19 東京国立博物館 18室
    淡い色彩の辛夷(コブシ)、泰山木、シダを背景に、深山の尼僧を描くモノトーンを基調としたの象徴的で幻想的な作品。18歳の作品とは今気がつく。

    《渓流》 大正8年(1919)
    2005/11/27-12/24 MOA美術館 所蔵近代日本美術の巨匠たち
    画面中央の渓流の青が西洋画なタッチで印象的。

    《門(名主の家)》大正13年(1924)
    2005/12/24~2006/3/5 所蔵作品展 近代日本の美術 東京国立近代美術館
    門の前に吹き立つつむじ風を描く。

    《びなんかずらにるり図》 昭和7年(1932)
    東京美術倶楽部 創立100周年記念「大いなる遺産 美の伝統展」
    色彩豊かな秋を描く。赤く実る美男桂の実と瑠璃鳥の青が美しい。葉の描き方が御舟らしい。
    コメント (1)
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    天皇皇后両陛下が「書の至宝」展をご覧に

    2006-02-24 | 美術
    天皇皇后両陛下が「書の至宝」展をご覧に

     平成18年2月1日(水) に天皇皇后両陛下が「書の至宝」展をご覧になりました。

     本件について、ジャーナリストの田中信彦氏があるメンバーサイト
    「中国国営通信社・新華社のネット版に出ていた。記事とリンクした読者の掲示板を見てみたら「何はともあれ喜ばしいことだ」といった好意的な書き込みが目立つ。(中略)中国の歴史文物の素晴らしさは誰にも異論のないところで、中国の人々にとっても強く誇りとする部分である。そこに天皇が自ら出向いて鑑賞したことが中国人のプライドをくすぐったのだろう。こういう点は非常に大事なことで、大多数の日本人が中国の文物に親近感を抱いているのは事実なのだから、中国のメディアがこういうニュースを大きく伝えてくれるのはありがたいことだと思う。(後略)」
    と感想を述べていて初めて気がつきました。
     
     天皇陛下が、外国の文化に敬意を払うだけで他国ではニュースになるかと思うと素晴らしいこと。あまり天皇陛下がどんな展覧会をご覧になるかは気にしたこともなかったが、外交上は大変重要なことなのですね。
     一方われわれ日本で海外の展覧会にいく機会は多いと思うのですが、外国の方が日本文化の展覧会に触れれる機会は非常にすくないような気がします。今回「中日書法珍品展」は上海でも開催されますが、大変いいことですね。今年は東京国立博物館はニュージランドに貸し出しをするようですが、さらにもっと日本の文化を世界に伝える役割を担うことを頑張ってもらいたいですね。

     なお、朝日新聞の書の至宝展ホームページでは、
    「書の至宝展」閉幕 18万人が来場
     東京・上野の東京国立博物館で開かれていた特別展「書の至宝――日本と中国」(朝日新聞社など主催)が2月19日、閉幕した。(2/19) 詳しく≫

     皇太子ご夫妻、書の至宝展を鑑賞[2/14]
     常陸宮妃華子さま、「書の至宝展」鑑賞[2/14]
     書の至宝展、三笠宮妃百合子さまら鑑賞[2/10]
    としか掲載されていません。また、宮内庁のホームページの皇太子同妃殿下のご日程には、「書の至宝展」は掲載されていません。うーん。朝日新聞のミス?。

    P.S.平成18年2月15日(水) には 、皇后陛下が「渋谷で出会う ポーラ美術館の印象派コレクション展」をご覧になったとのこと。Bunkamuraのホームページには何も掲載されていないようです。
    また、平成18年2月3日(金)には、皇太子殿下は、「東京-ベルリン/ベルリン-東京展」及び「ドイツ・デザイン展」オープニングセレモニー にご臨席された由。

    宮内庁のホームページはこちら。
    コメント
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    特別展「書の至宝-日本と中国」(後半)

    2006-02-22 | 美術
    特別展「書の至宝-日本と中国」(後半)
    東京国立博物館
    2006年1月11日から2月19日

     まだ、オルセー美術館、一角獣の記録も書いていません。ようやく19日に鑑賞した展覧会の1つめをアップできます。TB、コメントの返事が遅れますが週末にがんばります。

     18日に15:00頃に訪れると16:00からの整理券を配っているという。というわけで、19日最終日に久々に開門前の9:15分くらいから並んで入場しました。9:20から入場が開始されました。入りが悪いということで招待券を朝日新聞が大量にばら撒いたという噂の真偽は不明ですが、前売り券よりはとにかく招待券を持ったひとが多かったのは確か。
     第一室の王羲之の淳化閣帖(最善本)のところが混むのは判っていたので、まずはそこへ。第1週に訪れたときに鑑賞した冒頭の箇所のほうが、素晴らしかった。そして、今回のお目当てのひとつは、王羲之の双鉤填墨の国宝《孔侍中帖》(前田育徳会)。喪乱帖が前半に展示されていたが、後半は国宝 孔侍中帖 、妹至帖と展示された。本当は第5週に行けば後半の2点が鑑賞できたのだが妹至帖が鑑賞できず残念。国宝《真草千字文》(智永)(個人蔵)は、漢字の千字の手本。楷書と草書で書かれている。冒頭の《天地玄黄 宇宙洪荒 日月盈昃 辰宿列張》しか知らないので、展示箇所は途中で意味不明。「いろは」の意味と「千字文」の意味を考えると、あまりに内容が異なることに気づく。「千字文」は(少なくとも冒頭は)壮大な宇宙を謳い、「いろは」は無常を歌う。ある時代の文化はその時代までの環境や歴史が形成したのだろうが、その時代の生んだ「千字文」や「いろは」の文化がさらにその後の国民性の違いを形成したとしか思えない。

     これ以降は、御物・献上品、国宝が多すぎて、消化しきれないのですが、印象に残ったのは、
  • 《伊都内親王願文》 伝橘逸勢筆 1巻 平安時代・天長10年(833) 御物。三筆の橘逸勢は今回の展覧会ではこの一点。本文は伝橘逸勢筆、署名と赤い手印は伊都内親王。多くの赤い手印が押してあるところで真剣に願掛けしていることがよくわかります。
  • 《書状(恩命帖)》 藤原佐理筆 1巻 平安時代・10世紀 宮内庁三の丸尚蔵館蔵。達筆ですね。。藤原佐理は当日「大いなる遺産 美の伝統展」でさらに国宝《離洛帖》(畠山記念館)も鑑賞したということで、すごいことです。前半で出展されていた《国申文帖》とあわせて、現存する五通のうち三通を拝見したことになります。どの作品もややうすい墨で速い筆跡で一気に認めています。「一墨之様」と評されたとのこと。

     仮名の美~平安時代中期・後期では、
  • 国宝 古今和歌集巻第五(高野切本) 源兼行筆 1幅 平安時代・11世紀 個人蔵。断簡されていない高野切本を拝見。やはり断簡とは違い迫力があり素晴らしいですね。所謂第二種です。完全な形で現存するのは、あとは第八巻と第廿巻です。拝見する機会を得たいものです。

  • 万葉集巻第九残巻(藍紙本)藤原伊房筆、1巻 平安時代・11世紀 京都国立博物館蔵。これは4日間で書き上げたということは今BLOGを書いていて気がつきました。もう少し字をよく拝見すればよかったです。
  • 国宝 元暦校本万葉集巻第十二・二十 2冊 平安時代・11世紀 東京国立博物館蔵
  • 国宝 金沢本万葉集巻第三・六残巻 藤原定信筆 1冊 平安時代・12世紀 東京・前田育徳会蔵 。料紙は二重丸の雲母(きら)刷り。美しいです。前田利常の愛蔵品。
    前期に、
    桂宮本万葉集 源兼行筆 1巻 平安時代・11世紀 御物
    金沢本万葉集 藤原定信筆 1冊 平安時代・12世紀 宮内庁三の丸尚蔵館蔵
    を鑑賞しているので、五大万葉集は、あとは天治本。

  • 国宝 類聚歌合(二十巻本歌合)巻第八・十一 2巻 平安時代・12世紀 京都・陽明文庫蔵。 きちんと見そびれました。

    伝統の和様と個性の墨跡~鎌倉時代から室町時代~
  • 国宝 泉涌寺勧縁疏 俊じょう筆 1巻 鎌倉時代・承久元年(1219) 京都・泉涌寺蔵
  • 大燈国師上堂語 一休宗純筆 1幅 室町時代・15世紀 東京国立博物館蔵。自由奔放。字の最後の一画を伸ばして、「し」っぽのようになっていて楽しい。一休筆といって皆が納得。
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    現代書道二十人展50回記念「日本書壇の歩み―昭和から平成へ」

    2006-02-21 | 美術
    現代書道二十人展50回記念「日本書壇の歩み―昭和から平成へ」
    2006年1月11日から2月19日
    東京国立博物館

    「書の至宝-日本と中国」を鑑賞(こちらは後日書きます。)してから、現代書道二十人展の第一部を鑑賞。この12点は、東京国立博物館所蔵というだけあり、どの作品にも凛としたものが漂う。創作については、評価する眼はないが、 手島右卿「幽人雪月」(1幅) はS40年第8回日展に出展作品。
    熊谷恒子「枕草子」(1巻)、藤岡保子「万葉集」(1帖)、宮本竹逕「宮本竹逕作品集」(125帖)、柳田泰雲「楷書屈原離騒経」(1面)は1000年を超える伝統が受け継がれていることを感じる。

    熊谷恒子「枕草子」は美しい色変わりの料紙に流麗な仮名文字。藤岡保子「万葉集」。 宮本竹逕「宮本竹逕作品集」(125帖) は古今集をS59.4.9から6.10で6帖に書写した作品。万葉集を藤原伊房が万葉集巻9を4日で書写という記録があるがそれに匹敵する。柳田泰雲「楷書屈原離騒経」は青に金泥の楷書が書かれている作品。S60.11.7-22の作品。S61年の現代書道二十人展に出品。

    特別展「書の至宝-日本と中国」に関連して現代書道二十人展50回記念「日本書壇の歩み-昭和から平成へ」を開催します。
     「現代書道二十人展」は、我が国が戦後の混乱から抜け出し、めざましい復興を遂げていた昭和32年(1957)に創設されました。
     以来半世紀、書壇を代表する20人の枠を競い合い、互いに切磋琢磨した書家は75人。文化勲章受章者、文化功労者を含む、昭和から平成の書道史に重要な足跡を刻む巨匠がきら星のごとく並んでいます。
     本展では「現代書道二十人展」出品書家の中から、東京国立博物館所蔵の過去の出品者12人の作品と、現在同展で活躍する20人の新作を通して、日本における昭和から平成への書壇の歩みを紹介いたします。

    第1部:東京国立博物館が所蔵する過去の「現代書道二十人展」出品書家の作品各1点、計12点
    場所:本館1階特別3室
    青山杉雨「黒白相変」(2面) 熊谷恒子「枕草子」(1巻)
    田中塊堂「和歌」(1面) 手島右卿「幽人雪月」(1幅)
    西川寧「黙然而笑」(1面) 日比野五鳳「いろは屏風」(6曲1隻)
    藤岡保子「万葉集」(1帖) 豊道春海「一行書」(1面)
    深山龍洞「万葉和歌屏風」(2曲1隻) 宮本竹逕「宮本竹逕作品集」(125帖)
    森田竹華「万葉短歌」(1幅) 柳田泰雲「楷書屈原離騒経」(1面)
    (五十音順・敬称略)
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    ニューヨーク・バーク・コレクション展

    2006-02-20 | 美術
    日本の美 三千年の輝き ニューヨーク・バーク・コレクション展
    Enduring Legacy of Japanese Art:The Mary Griggs Burke Collection
    2006年1月24日から3月5日 東京都美術館

    18日(土曜日)に表記に行ってきました。いくつか展覧会が重なっているせいか、上野公園で呼び込みをしているほどというぐらいで、それほどの混雑ではなかったです。

    書跡として12石山切(貫之集下)、13石山切(伊勢集)は料紙が素晴らしく選んだのしょうか。やはり女性ならではです。
    14 快慶(伝)不動明王坐像は、いいですね。
    22 平治物語絵巻断簡 綺麗な断簡です。
    23 絵因果経断簡 降魔変 これは翌日に国宝をみました。
    春日鹿曼荼羅は、バーク夫人は鹿の意匠に惹かれたのでしょうか。

    71 大麦図屏風 モダンな意匠です。緑が抜けてしまっているのでしょうか。残念です。
    74 西行物語図屏風(桃山時代)には一寸吃驚。竹内栖鳳ばりに金屏風の上に立体的に人物や樹木が描かれています。桃山時代という時代を考えれば、このような技法も当然でしょうが、その後は普及しなかったという事実と照らし合わせると、日本人のセンスには奇異に感じられたのでしょうか。

    78 洛中洛外図屏風 状態もよく絵柄も字もよく判読できて楽しめました。「かも」の橋の欄干に人が鈴なりにすわっているには笑えました。
    93 酒井抱一 桜花図屏風 豪華な金屏風に桜が咲く。構図も状態も素晴らしい。
    99 伊東若冲 月下白梅図 
    100 伊東若冲 双鶴図 
    101 曾我蕭白 石橋図 獅子落としの図ですが、湧き出てくる獅子は、面白いですね。漫画です。
    111 与謝蕪村 山野行旅図屏風、113 与謝蕪村 山居秋興図 土曜日、日曜日に5点も蕪村の屏風を見ましたが、状態がよくこんな技法の屏風も描いていたのかというのがこの2点。緑の点描でのように描かれた山がすがすがしいイメージ。「カラー版日本美術史」(美術出版社)に掲載されている新緑杜けん図と似たタッチ。


     世界有数の日本美術収集家として知られる、メアリー・バーク夫人が半世紀にわたって収集した珠玉の日本美術コレクションがニューヨークから「里帰り」しました。
     2000年に「夢の架け橋」と題し、ニューヨークのメトロポリタン美術館で開催されて好評を博したバーク・コレクションの展覧会今回は「日本の美 三千年の輝き」をテーマに岐阜、広島に引き続き東京で開催されます。
     優れた審美眼によって収集された作品は、縄文時代から江戸時代まで三千年に及び、その内容は絵画、書跡、彫刻、漆工など実に多岐にわたっています。
     なかでも「洛中洛外図屏風」「源氏物語図屏風」「柳橋水車図屏風」といった桃山時代の瀟洒な屏風の数々は圧倒的な迫力で迫ってきます。
     江戸時代の絵画では、光悦や宗達から光琳、抱一へと続く琳派、浮世絵、個性派の若冲・蕭白・蘆雪、南画の流れを汲む大雅、蕪村の屏風など多彩な流れが象徴する成熟した江戸文化を堪能することができます。
     アメリカの一人の女性、バーク夫人が生涯をかけて築き上げたこの日本美術の一大コレクションは、特に絵画作品を通して私たち日本人に自国の文化の豊かさと奥深さをあらためて教えてくれます。
     新しい年の幕開けにふさわしい、優れた日本美術を紹介する本展にぜひお出かけください。
    コメント (1)
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    フラゴナール没後200年特別展示 @ルーブル美術館

    2006-02-18 | 美術
    フラゴナール La Fe~te a` Saint-Cloud



    Jean-Honore Fragonard (Grasse, 1732-Paris, 1806)の没後200年を記念して、la Banque de Franceの所蔵している216 x 335 cmの大作La Fe~te a` Saint-Cloud がルーブル美術館で公開されている。今回(2月11日)ルーブルを訪れて最大の収穫です。

    人物が点在する風景画といったところだが、明るい青空や雲、森、楽しげな貴族たちの様はいかにもはフラゴナールの作品。画面の大きさに圧倒されます。

    この作品のla Banque de Franceにある経緯の諸説については、la Tribune de l'Artの記事を参照されたい。画像もそちらへのリンクです。昨年の12月16日から約半年間の展示。パリを訪れる美術ファンは是非見てほしい。なお、いまのところルーブル美術館のホームページにはこのことは記載されていない。

  • 2004年にN.Y.のフリック・コレクションなどを訪問したときの拙BLOG
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    印象派と20世紀の美術(常設展示) ブリヂストン美術館

    2006-02-17 | 美術
    印象派と20世紀の美術(常設展示) ブリヂストン美術館
    2005年10月15日-2006年 3月26日

    久々にブリジストン美術館に足を運びました。10年ぶりぐらいでしょうか。厚手の出品録をいただいたので吃驚。
    さて展示ですが、印象派までは意外に小粒な作品でした。目立つのは、
  • コロー《イタリアの女》(1826-28)
  • クールベ《雪の中を駆ける鹿》(1856-57)
  • ルノワール《すわるジョルジェット・シャルパンティエ嬢》(1876)
  • セザンヌ《サント・ヴィクトワール山とシャトー・ノワール》(1904-06)
    くらいでしょうか。

     しかし、マティスが10点も展示されていたのは嬉しかった。マティス《縞ジャケット》(1914)のほか、1920・30年代のインテリアが5点。屋外での人物を描いた《樹間の憩い》(1923)も一寸発見だったが、風景画の《ルー川のほとり》(1925)には、こういう作品も一応あるということを認識。普段は展覧会にはなかなかでないですね。

     実はピカソ《腕を組んですわるサルタンバンク》(1923)をもう一度確認したくて、今回ブリジストン美術館を訪れました。 ピカソ美術館に行って、瀬木慎一さんの新書「ピカソ」を読んで、《腕を組んですわるサルタンバンク》は、ピカソのどの時期の作品かをもう一度確認したかった。1923年でした。1921年にポールが生まれて《アルルカンに扮するポール》1924年の前年の作です。購入当時価格が数億と話題になりましたが、それはともかく、背景の青と人物の白と赤のコントラストが洗練されていてサルタンバンクの悲しげな表情が秀逸な作品。
  • クレー《島》(1932)は、クレー展を鑑賞した後なので、チェック。

     日本洋画は、安井曾太郎(1888-1955)が没後50年ということで10点展示されていた。セザンヌに傾倒していたことがよくわかる。《水浴裸婦》(1914)、《りんご》(1942)など画題がセザンヌに影響を受けた作品は、やはり構図だけの問題になり、画題として解釈は感じられなかった。日本人には表現が難しいのでしょうか。人物像は、セザンヌの影響を受けた構図で、もちろん人物像を捉えた作品。古賀春江が3点もありました。以前は気がつきませんでした。《涯しなき逃避》(1930)《感傷の静脈》(1931)《厳しき伝統》(1931)、当時の女性ならでは感覚が感じられる作品。
    藤田嗣治の《猫のいる静物》(1939-40)は、以前より、ブリジストン美術館で好きな作品の一つ。
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    パウル・クレー展 大丸・東京

    2006-02-16 | 美術
    パウル・クレー・センター開館記念
    パウル・クレー展 -線と色彩
    2006年2月9日から28日まで

    パウル・クレー・センター開館記念のパウル・クレー展に行ってきました。2005年8月にオープンしたパウル・クレー・センターは、クレー財団と遺族のコレクションを4000点あまりを収蔵する。そのコレクションのごく一部が展示されたのが今回の展覧会。いままでも何回かクレーの回顧展は鑑賞してきた覚えがあるが、一寸だけ意識して鑑賞できた。「20世紀絵画」でも触れられていた「チュニジア旅行(1914)と水彩画」この時期の作品数点を鑑賞できたのは嬉しい。チュニジア旅行の前の「石切場にて」(1913)とか一寸暗くてゴツゴツしていている。線画で描かれた《つなわたり》(1923)、またクレーらしい《ピラミッド》(1932)《眼》(1938)、《動物たちが出会う》(1938)などがクレーのメルヘンの世界でしょうか。《喪に服して》(1932)、《来るべき者》(1933)は技法を凝らした作品。そして最後に皮膚硬化症との闘った1935年以降の線画のクレーの《天使》たちで展覧会は締め括られました。もう少し点数が鑑賞できればというところでしょうか。昨年9月にミュンヘンで市立レーンバッハギャラリー やピナコテーク・デア・モデルネで鑑賞したパウル・クレーは、抽象の印象が強かったのですが、具象的なクレーのほうがやはりメルヘンです。P.S.退廃芸術17点ご存知の方はご教示いただければありがたい。(15日)
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