おはようございます。旅人宿 会津野 宿主の長谷川洋一です。
数年前に興味を持って購入した書籍で積ん読(つんどく)のままのものがあります。「ポスト・ヒューマン誕生」(レイ・カーツワイル著)です。
本来はそれを読めば良かったのでしょうが、読む前にエッセンス版「シンギュラリティは近い」が出版され、図書館にあったものですからそれを先に読んでみました。
簡単に言えばこの本は、人工知能に通じるテクノロジーについて述べているものです。特に「脳」や「人体」についての考察が、とても深いところまで丁寧にされていると感じました。
20世紀後半(1990年代頃)からコンピュータがスゴイ勢いで進化していることは身近に実感出来るのですが、「脳」や「人体」と結合したりコントロールしたりということはなんだかSFじみていて、まだ実感が無いですよね。そこが詳しく書いてあるのがこの本でした。
これとは別に、「コンビニ人間」で芥川賞作家となられた村田沙耶香さんの「消滅世界」を読むと、人工子宮により子どもを産む社会へと進化することをフィクションで体現出来ます。
村田沙耶香さんは、レイ・カーツワイルの著書を読んでインスピレーションを得たのだろうと勝手に推測していますが、小説の前提となる人の身体に対するテクノロジーは、科学的に実現できるであろうしっかりとした内容で描かれています。
主人公はディストピアへと向かってしまうものの、抗うことなく社会変化に同化していきユートピアを得る人物も描かれています。
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もうすでに充分実感出来る非身体性の科学技術による進歩と、これから結びつきが生じてくる身体性の技術進歩がヒトの進化を促進したとき、個体を持っている私たち自身がどのように変化するのか、それは幸せなことなのかということを含め、大きく考えさせられる書籍たちでした。
今日も素晴らしい一日を過ごしましょう。
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