2月に小布施に行きました。今、思い起こしてもやっぱり小布施っていい町だなあと思います。
どこにその秘密があるのか、ちょっとまとめておきたいと思います。
「通り抜け厳禁」とか「通行ご遠慮ください」という看板ならよく目にすると思うのですが、小布施堂本家の門には「ご自由にお通り抜けください」の案内板が控えめに掲げられています。
もう一つの酒蔵、「松葉屋」への道にも「通り抜け可」
「
ガイドセンター「ア・ラ・小布施」の展開するプチホテルの前、ここにも。「通り抜け可」
この看板を見るだけで心が和みます。
もう一つ、小布施町にはオープンガーデンの精神がいきわたっています。
お店だけでなく一般の家でも「オープンガーデン」の看板があるとお庭を拝見できるようになっているのです。
先ほどの「松葉屋本店」玄関です。右端の小さな案内板がそのマーク。
そこからほんの数分のところに、「鈴花」があります。水戸岡鋭治さんがデザインを手掛けたことで有名ですが、店主の鈴木徳一さんの真摯な姿勢の店づくりが、小布施町を飛び越えた評価につながっています。しなの鉄道のろくもん電車の食事提供はうれしいニュースでした。
庭の入り口には「オープンガーデン」の案内板があります。中央左の柱に掲げられています。
その「鈴花」の外観です。
小布施のまちづくりは「修景」と言われる取り組みから始まってます。もともと小布施にあった家屋の壁材の組成まで調べたということです。
町中にある、修理を加えられたお蔵。
このお蔵の壁の色と「鈴花」の壁の色は同じでしょう。
新しくオープンした「かんてんパパ」ショップ。この店舗もまた共通するたたずまいを見せています。この場所にもともとあった古民家を小布施風にリノベーションしたと聞きました。古きを大切にしながら、新しい取り組みにも積極的な町なのです。
新しい取り組みとして「まちとしょテラソ」にも触れないわけにはいかないでしょう。「死ぬまでに行きたい 世界の図書館15」に選ばれています!
去年初訪問しましたので「小布施への旅ー続、心惹かれる建物群」にまとめてあります。
また、こういう新しいお店もできました。カフェ「珈茅」
古民家の風情と、モダンな「OPEN」の看板の対比が面白い。
朝は7:00から始まりますが、午後は早めに終了。こういうゆったりとしたお店のあり方も小布施風なのかもわかりません。古民家でいただくカプチーノはマイセンのカップでサービスされました。
私は小布施には仕事で行きますから、観光に避ける時間はほんの少しです。
ご紹介はとても偏ったものになっていると思いますが、それでもそろそろ小布施通いも15年。表面にあらわれるものの下に脈々と流れている小布施の人たちの心を少しは感じることができたのではないかと思っています。
交通の要衝であった歴史、人や物が集うところに文化が生まれ、旅人や芸術家をもてなすホスピタリティの伝統。そしてそれが今に続き、小布施の町の「おもてなし」の根源的なものを支えているのだと思います。そのことを感じることができればできるほど、訪れた人たちは故郷に帰ったような居心地の良さを感じることにつながるのでしょう。