ちょっと驚きの電話がありました。
同居のおばあさんに手を焼いて、介護保険申請のためにかかりつけ医に相談に行った人の話です。
今日の写真は、伊東市の4/10~13のサクラたち
家でのおばあさんの様子です。
1.パンツをはかずにズボンをはいてしまうかと思ったら、パジャマを脱がないまま洋服を重ねてきてしまったり、とにかく「もう一度やり直し!」が繰り返される。
その時には必ず、寒いの暑いの急いでいただの言い訳を言いたてる。
2.下着を替えるように言っても、なかなか替えない。かと思うと、汚れた下着の上に新しい下着をはいている。
3.着替えるように言うと「たびたび洗濯すると生地が傷む」「若い人と違って年よりは汚れないもの」とシラッという。
4.食事の時には、「ちょっと待ってみんなで揃って食べる」ということができなくて、一人ですぐに箸をつけてしまう。もちろん、注意しても「お味を見てみた」などと平気でいう。
5.そのうえ、食べこぼしが多いし、おかずをまぜこぜにして平気な顔をして食べている。
6.おばあさんが歩いた後は、付いて回らないと水の出しっぱなし、電気のつけっぱなしが必ずある。
エイジングライフ研究所が言うところの中等度認知症(中ボケ)の典型的な症状(クリックしてください。詳しい解説ブログにとびます)が並べたてられています。
このレベルは一言でいうと「言い訳のうまい幼稚園児」
聞いているだけでも大変・・・・・
おばあさん「お久しぶりでございます。お世話さまでございます。
ドクター「今日はどうしたの」
おばあさん「おかげさまで元気にやっております」
ドクター「血圧もいいようだし、腰痛はどうですか。田んぼはどうしてるの」
おばあさん「おかげさまで・・・何とかやっております」
いくつかの質問が繰り返された後で、ドクターは「これだけしっかり受け答えができていればいいだろう。何と言っても80超えてるんだもんな。しっかりしたもんだよ」
診察室を出て、看護婦さんが小さな声で
「親を見たことがない男って所詮こんなものよ」と慰めてくれたそうです。
認知症を症状だけで見るということをやめなくていけません。
もっともっと重い症状を訴えない限り、家族の訴えは「大げさ」とか「歳をとればそんなもの」とか挙句の果ては「関係が悪いのだろう」と決めつけられます。
何故そんなことが起きるのかというと、お年寄りの言葉の力に惑わされてしまうのです。
本当に言葉だけ聞いていると、昔のおばあさんとどこも変わらないような気になります。またそうであってほしいという気持ちも家族の側にもあるのです。
でも、本当に答えているのか?長く使ってきた日本語が、漏れ出ているというとらえ方が適切でしょう。
その状況を把握して、きちんと判断したうえでの発言とはとても思えないのは、冒頭の家庭でのやり取りを見ればわかるでしょう。
ドクターとの応答にしても、答えているのかどうなのか???
やはり脳機能を測った上で、その人を理解する方が正確ですね。
みただけで、血圧や血糖値や体重の指導を始めることはありません。まずは計測。
脳機能も同じです。
そうすると正しく理解できるので、家でお世話している人を嘆かせてしまうことがなくなります。