脳機能からみた認知症

エイジングライフ研究所が蓄積してきた、脳機能という物差しからアルツハイマー型認知症を理解し、予防する!

脳リハビリのコツ

2015年04月07日 | 認知症からの回復

幼児教育を専門にしている友人が来ました。
「モンテッソーリ教育というのはね。簡単に言うと、
考え抜かれた教具を揃えておいて、誘導などはせず子供の自主性に任せます。
そうすると、子供たちがちょうど自分にあったものを選んで興味深く使っていくのです。
どの子も同じように、さまざまな教具を楽しんで使います。
自主性を重視するので一斉教育はしないけど、継続的に見ていくと発達に沿って興味が次々に移っていくのがよくわかります。
そして見事に成長していく…」

アケビの花

アケビと実はそっくりなムベの花。花はびっくりするほど違います!

「他の子の使っているのを見たりもするのだけど、おもしろいのは発達段階のちょっと先のレベル。
できないから、手は出さないけどまず見る。そして別のシーンで熱心に取り組む姿を見せてくれる。
ちょっと先というのが大切なところで、とても難しいことだと、チャレンジはしない。当たり前というと当たり前だけど」

冬アジサイ、コバルトブルーに少し色づいてきました。

そこで私。
「小ボケや中ボケ(つまり、世の中ではまだ認知症とは言われないレベル。小ボケは社会生活にトラブルが出る段階。中ボケは家庭生活にトラブルが出る段階)の人は、脳の老化が加速された状態というのがエイジングライフ研究所の考えです。
高齢者に退職や病気や心配事などが起きたとき、それに負けてしまうと『生きがい、趣味なく、交友も楽しまず運動もしない』ナイナイ尽くしの生活に入っていく。その結果、脳の老化が加速されるのです。使わないから老化が進むということ」

ベニバナトキワマンサク

「小ボケや中ボケの人に対して、脳リハビリをするのは、体を使わなかった人たちが運動ができるようにリハビリをするのと同じ。
脳の機能分担を理解して、運動領域、右脳の機能を主に使うようにするのだけど。
コツはさしあたって『できること』をやるのが大切で、以前できていたからと言って高いレベルのことを求めると行き詰まる。いかにも言葉の力は残っているので、本人の言うことだけ聞くと目標設定が高くなりすぎてしまう恐れが大。
実際にやっていることをよく観察して、無理のないテーマを与えてあげるようにする努力が、周りの人には求められます。
例えば、色や形の情報を処理する右脳のリハビリとして、パズルは手軽で有効なもの。
ただ、大人だからと細かいピースにすると手が出せないだろうということは想像できると思うけど、脳のレベルに合わせると10ピース以下の場合だって不思議ではない」

伊豆では多く見られるキブシ

「ピースの少ないパズルの図柄は、あまりにも子供向き。例えばカレンダーの写真などを利用して裏に厚紙を貼って、4ピースくらいから始めます。
簡単そうなら、それぞれを半分にすれば8ピース。簡単にできるという成功体験が継続につながるという訳です」

などと話し込んでいたら、ちょうど居合わせた人が
「子供も、小ボケや中ボケの人も、ちょっと先に合わせているということでしょ?」

バルボコディウム


そうですね。子供の脳の成長直線ははっきり上向きですし、高齢者はどう考えても、そう下向きです・・・
でもよ~く使って、老化を先延ばしにしましょうね。


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