脳機能からみた認知症

エイジングライフ研究所が蓄積してきた、脳機能という物差しからアルツハイマー型認知症を理解し、予防する!

友人への便りー「どうせ齢をとるとボケるから」は間違いです

2015年11月24日 | 二段階方式って?

久し振りに友人のお宅にお邪魔しておしゃべりを楽しみました。もうお暇する頃になって友人から気になる発言がありました。
帰宅後、どうしても訂正しておかなくてはと思って手紙を書きました。

―略ー
今日の手紙はボケの話です。先日おしゃべりを楽しんだときに『どうせ齢をとるとボケるから」とおっしゃいましたね。
それは違います。
体力その他と同じように、脳機能、特に前頭葉機能も正常老化の宿命を持っています。ただそれだけであるならば、できないことは増えてきますが、例えば、注意集中・分配力、テキパキ捌く、発想力、独創性、根気、計画立案力etc
これらはすべて若いころのように力を発揮することは難しい…
けれども、前頭葉機能の一方の柱である状況判断、そして行動を決定する力(意欲を含めこれこそ自分らしさだと思っています)には、何の変化もありません。むしろ人生経験がプラスに働くのではないでしょうか?
私は先日誕生日を迎えました。しみじみと来し方を振り返り「よく生きてきた」とちょっと感動し、同時に、感性の部分が変わらないことにも驚きました。一番変わらないのは「どういうことにやものに心動かされるか、好奇心や感動の方向性」ではないでしょうか。

正常老化だけならば、私が私らしくいることは十分に可能です。体が持たなくてたとえ寝たきりになっていてもです。
人生で遭遇するいくたの出来事のうち、生きる力を打ちのめされるようなことが起き、それに負けたとき、今までのような生き方をつづけることが難しくなってしまいます。
それは脳機能から言えば「使わない状態」生きがいもなく、楽しんでいた趣味もやめ、交友も途絶え、家に閉じこもって何もしない日々が続くのです。
だから筋肉で言う「廃用性萎縮」が起きて機能低下が始まります。正常老化の道筋とは別の急角度の老化です。
その道に入ったら小ボケ3年、中ボケ4~5年、6年もたつとそろそろ「ボケたんじゃない?}と言われるようになるのです。

脳機能を測ると、正常老化か老化が加速され、どこまで行ったかなどすべてわかるのです。
高齢者の方々をボケさせないためには、このメカニズムを理解してもらうこと、脳機能測定を行って早めに見つけ生き方の軌道修正をすること(脳の使い方を変える)
この2点が大切です。
脳の萎縮、アミロイドベータやタウ蛋白など、マスコミや専門家の解説していることとははっきり違いがありますが、ここ十年を超える実践の中から「生き方こそ認知症を予防するカギ」と確信してがんばっています。
―略ー

 

 


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