テアトル十瑠

1920年代のサイレント映画から21世紀の最新映像まで、僕の映画備忘録。そして日々の雑感も。

マイケル・コリンズ

2003-10-12 | ドラマ
 「クライング・ゲーム」のニール・ジョーダン監督作品
アイルランドの英国からの独立運動に活躍した人物の話。人物史ではなく、独立運動と彼を取り巻く人間関係が主題。年代的には日本の大正時代。

 第二次世界大戦中の、ドイツ占領下におけるレジスタンス活動と同じで、イギリス側の対応は極悪非道と言っていい。最終的にコリンズは、アイルランドをイギリス連邦下の自由国として認めさせるが、北アイルランドは分断されてしまう。これが現在のIRAという国際的にはテロ組織といわれるものを作ってしまったわけだ。
 コリンズは是か非か?アイルランドの歴史上の重大な問題として残っているのだろう

 一番ビックリしたのは、コリンズ一味への報復として、イギリスがラグビーの試合中の競技場に戦車を送り込み、何の警告も無しに、選手や観客へ機関銃による銃撃を開始したこと。アングロサクソンの鬼畜ぶりを改めて思い知る瞬間であった

 映画は、コリンズの奥さんにジュリア・ロバーツ、独立運動の仲間にアイダン・クイン、同じく独立運動仲間でアイルランドの初代大統領になるデ・ヴァレラに「ダイ・ハード」「ハリー・ポッター」のアラン・リックマンとそれなりに揃っているが、コリンズ役のリーアム・ニーソンにいまいち華がなく、平面的な人物に見えてしまうのが大減点。そして、コリンズは30歳そこそこのはずだが、ニーソンはどうみても40代。部分的な描写には迫力もあったが、ストーリーはダラダラと時系列に追っているだけで、もう少し工夫が欲しいと思った。

・お薦め度【★★=悪くはないけどネ】 テアトル十瑠

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2 コメント

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巨体のコリンズ (万葉樹)
2009-09-07 20:52:48
以前、十瑠さまにおススメいただきましたので視聴したのですが、アイルランドの独立運動を描いたものとしては、「麦の穂を渡る風」のほうが好みですね。

マイケル・コリンズを英雄視しているため、デ・ヴァレラなど袂を分かったかつての同志が悪のように描かれているのが気になります。
じっさい平和条約締結の代表者は別人であるなど、かなり史実を歪めている部分もあるとか。

>コリンズ役のリーアム・ニーソンにいまいち華がなく、平面的な人物に見えてしまうのが大減点。

キャスティングが悪かったとは思うのですがニーソンは北アイルランド出身なので起用されたんでしょうね。
皆といるとひとりだけ頭が飛び抜けるほどの長身という意味では目立っていますが、挑戦的な戦略家という感じでいえばもっと若い方がよかったかも。

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リーアム・ニーソン (十瑠)
2009-09-07 23:05:13
「シンドラーのリスト」でアカデミー主演賞にノミネートされたし、このコリンズ役でもヴェネチアで賞を獲っていて、演技派のはずなんですが、私には面白みのない演技でしたね。
多分、演出がまずかったのでしょう。

「麦の穂を渡る風」、まだ観てません。
その時はまたお邪魔します。
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