(1975/監督:スティーヴン・スピルバーグ/ロイ・シャイダー、ロバート・ショウ、リチャード・ドレイファス、ロレイン・ゲイリー、マーレイ・ハミルトン)
思い出の作品から。
ピーター・ベンチリーのベストセラー小説をスピルバーグが映画化。「激突!(1972)」の巧みなストーリー・テリングで新しい衝撃を与えてくれたスピルバーグの第2作は、前作以上の傑作で、前回ブログで紹介した「エイリアン」よりも評価の高い、アメリカン・スリラーのベストフィルムのひとつである。
ニューイングランドの避暑地アミティ(架空の町)。もうすぐ海水浴シーズンが始まろうとする或る日、夜の海を泳いでいたカップルのうち女の子の方が、突然脚元に衝撃を受ける。原作では、彼女は自分の脚の付け根に手を延ばして探りにいくんだが、片方の脚が太股から先が無くなっていることに気付く。
映画では、この後、女の子の身体は海中に引きずり込まれ、更に波の上に上半身を出したまま、右へ左へ激しく移動する。この間は悲鳴を上げていたと思うが、アッという間に姿は消える。
浜辺にいたボーイ・フレンドの視線は、突然いなくなった彼女の姿を求めて、暗い波の上を彷徨うだけであった・・・。
翌日、この女の子は砂浜で無惨な肉塊となって発見される。
シャーク・アタック(鮫による襲撃事故)の可能性を予想した当地の警察署長ブロディ(シャイダー)は、鮫に詳しい海洋学者フーパー(ドレイファス)を喚んで、調査を依頼する。死体を見たフーパーは、巨大なホオジロ鮫に間違いないと言う。
アミティは、避暑目的の海水浴客の財布が収入源の町。市長(ハミルトン)は、鮫の噂が広まらないようにブロディにくぎを刺す。
町の男達は大勢で鮫退治にボートを繰り出し、大きな鮫を捕まえて帰って来る。市長はじめ町のみんなは一安心(のフリ?)をしたが、フーパーとブロディが獲物を調べると、件の鮫とは違うモノであった。
ブロディは、海開きの延期を市長に進言するが、市長は言うことを聞かない。うやむやのうちに海水浴は始まり、ブロディの不安は不幸にも的中する・・・。【続きはビデオで】
ベンチリーの原作では、海洋学者とブロディの妻との不倫話が挿入されたりしていたが、パニック映画の今作品ではカットされた。当然でしょう。
私には、ロバート・ショウ扮する鮫漁師クイントが、ブロディとフーパーと3人で海に出た後、夜の食事の後にする、戦争中のシャーク・アタックの話が怖かった。
スピルバーグは、この後「未知との遭遇(1977)」「レイダース/失われたアーク(1981)」「E.T.(1982)」と3回アカデミー監督賞にノミネートされ、「シンドラーのリスト(1993)」と「プライベート・ライアン(1998)」で2回受賞した。“シンドラー”は未見だが、“ライアン”で獲れるんなら、“インディ”や“ジュラシック”でも獲れるはずだと思ってしまう。やっぱり、スピルバーグにはこのパニック物、アクション物があってると思いますな。初めてのシリアス・ドラマ「カラーパープル(1985)」を映画館で観ましたが、最悪でした。語り口が、それまでのモノと同じでしたので、なんとまあ頭の悪い監督だったんだなあと、その時思ったもんです。「A.I.」も私はかっていません。
ロイ・シャイダーは「フレンチ・コネクション(1971)」で、ジーン・ハックマン(ポパイ刑事)の相棒役で注目された役者。鼻が少しへこんで曲がっているのは、ボクシングをしていた名残だそうです。
ロバート・ショウは、「007/ロシアより愛をこめて(1963)」でショーン・コネリーのJ・ボンドと列車の中で戦う、ロシアのスパイ役で初めて知りましたが、その後で馴染みなのは「スティング(1973)」ですね。
リチャード・ドレイファスは、「グッバイガール(1977)」で史上最年少で主演オスカーを獲った俳優。私にはコッポラ製作、ルーカス監督の「アメリカン・グラフィティ(1973)」で出てきたときが印象深いですが。尚、「アメリカン・グラフィティ」のもう一人の主役は、可愛くて髪の毛もフサフサしていたロン・ハワード(「ビューティフル・マインド」の監督)でした。
しかしながら、この映画の成功の一番の立て役者は、アカデミー作曲賞に輝いたジョン・ウィリアムズでしょう。
♪ズンズンズンズン ♪ズンズンズンズン ♪ババババーッ (←ようわからんな)
これ以降、色々なシーンで使われましたな。日本のバラエテイでも、コメディ映画のパロディでも、ヨ~ク出てきました。
※ 「カラーパープル」の再見記事(2008.11.30)はこちら。
※ 「ジョーズ」の再見記事(2010.11.20)はこちら。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/10/d0/cb933c87497929129fc0f3656565bee2.jpg)
ピーター・ベンチリーのベストセラー小説をスピルバーグが映画化。「激突!(1972)」の巧みなストーリー・テリングで新しい衝撃を与えてくれたスピルバーグの第2作は、前作以上の傑作で、前回ブログで紹介した「エイリアン」よりも評価の高い、アメリカン・スリラーのベストフィルムのひとつである。
ニューイングランドの避暑地アミティ(架空の町)。もうすぐ海水浴シーズンが始まろうとする或る日、夜の海を泳いでいたカップルのうち女の子の方が、突然脚元に衝撃を受ける。原作では、彼女は自分の脚の付け根に手を延ばして探りにいくんだが、片方の脚が太股から先が無くなっていることに気付く。
映画では、この後、女の子の身体は海中に引きずり込まれ、更に波の上に上半身を出したまま、右へ左へ激しく移動する。この間は悲鳴を上げていたと思うが、アッという間に姿は消える。
浜辺にいたボーイ・フレンドの視線は、突然いなくなった彼女の姿を求めて、暗い波の上を彷徨うだけであった・・・。
翌日、この女の子は砂浜で無惨な肉塊となって発見される。
シャーク・アタック(鮫による襲撃事故)の可能性を予想した当地の警察署長ブロディ(シャイダー)は、鮫に詳しい海洋学者フーパー(ドレイファス)を喚んで、調査を依頼する。死体を見たフーパーは、巨大なホオジロ鮫に間違いないと言う。
アミティは、避暑目的の海水浴客の財布が収入源の町。市長(ハミルトン)は、鮫の噂が広まらないようにブロディにくぎを刺す。
町の男達は大勢で鮫退治にボートを繰り出し、大きな鮫を捕まえて帰って来る。市長はじめ町のみんなは一安心(のフリ?)をしたが、フーパーとブロディが獲物を調べると、件の鮫とは違うモノであった。
ブロディは、海開きの延期を市長に進言するが、市長は言うことを聞かない。うやむやのうちに海水浴は始まり、ブロディの不安は不幸にも的中する・・・。【続きはビデオで】
ベンチリーの原作では、海洋学者とブロディの妻との不倫話が挿入されたりしていたが、パニック映画の今作品ではカットされた。当然でしょう。
私には、ロバート・ショウ扮する鮫漁師クイントが、ブロディとフーパーと3人で海に出た後、夜の食事の後にする、戦争中のシャーク・アタックの話が怖かった。
スピルバーグは、この後「未知との遭遇(1977)」「レイダース/失われたアーク(1981)」「E.T.(1982)」と3回アカデミー監督賞にノミネートされ、「シンドラーのリスト(1993)」と「プライベート・ライアン(1998)」で2回受賞した。“シンドラー”は未見だが、“ライアン”で獲れるんなら、“インディ”や“ジュラシック”でも獲れるはずだと思ってしまう。やっぱり、スピルバーグにはこのパニック物、アクション物があってると思いますな。初めてのシリアス・ドラマ「カラーパープル(1985)」を映画館で観ましたが、最悪でした。語り口が、それまでのモノと同じでしたので、なんとまあ頭の悪い監督だったんだなあと、その時思ったもんです。「A.I.」も私はかっていません。
ロイ・シャイダーは「フレンチ・コネクション(1971)」で、ジーン・ハックマン(ポパイ刑事)の相棒役で注目された役者。鼻が少しへこんで曲がっているのは、ボクシングをしていた名残だそうです。
ロバート・ショウは、「007/ロシアより愛をこめて(1963)」でショーン・コネリーのJ・ボンドと列車の中で戦う、ロシアのスパイ役で初めて知りましたが、その後で馴染みなのは「スティング(1973)」ですね。
リチャード・ドレイファスは、「グッバイガール(1977)」で史上最年少で主演オスカーを獲った俳優。私にはコッポラ製作、ルーカス監督の「アメリカン・グラフィティ(1973)」で出てきたときが印象深いですが。尚、「アメリカン・グラフィティ」のもう一人の主役は、可愛くて髪の毛もフサフサしていたロン・ハワード(「ビューティフル・マインド」の監督)でした。
しかしながら、この映画の成功の一番の立て役者は、アカデミー作曲賞に輝いたジョン・ウィリアムズでしょう。
♪ズンズンズンズン ♪ズンズンズンズン ♪ババババーッ (←ようわからんな)
これ以降、色々なシーンで使われましたな。日本のバラエテイでも、コメディ映画のパロディでも、ヨ~ク出てきました。
※ 「カラーパープル」の再見記事(2008.11.30)はこちら。
※ 「ジョーズ」の再見記事(2010.11.20)はこちら。
・お薦め度【★★★★★=スリラーファンなら、大いに見るべし!】 ![テアトル十瑠](http://8seasons.life.coocan.jp/img/TJ-1.jpg)
![テアトル十瑠](http://8seasons.life.coocan.jp/img/TJ-1.jpg)
この映画の影響で、これ以降映画だけでも“ジョーズ”ってタイトルのつく作品が(あるデータによると)21本も作られてるんですね。
その中の1本、「ジョーズ・アパートメント」ってどんな映画だろうと思ったら、ゴキブリがわんさと出てくる映画でした。悪食なところが鮫と似てるからなんでしょうか(^^;。
♪ズンズンズンズン ♪ズンズンズンズン ♪ババババーッ
さすが、ドリームワークス。
それだけ超リアルだったってことですな。
初めてオルカ号の横を悠然と泳いでその全体像を見せたときのショック、あまりにも大きくって恐怖を感じましたね。
俳優もみなさん良い味を出していて、素晴らしい娯楽映画の傑作ですね
そして、終盤では鮫退治のベテランが怖さに逃げ出すほどの強大なヤツだったと描いて、更に恐怖を盛り上げる。だから・・・の拍手喝采だったんでしょうね。
出演者では、市長役のマーレイ・ハミルトンについて書いてなかったですね。「卒業」のエレーン(キャサリン・ロス)の父親役でした。ミスター・ロビンソンですな。
ご承知の通り、僕は断然「激突!」派で、「ジョーズ」は演出の巧さ(ジョーズ、あははは)だけが買いです。
物語は平凡な部類ではないでしょうか。だから、却って演出、特に前半の緩急自在な展開ぶりが目を引いて「天才やな」と思ってしまうのです。
>ジョン・ウィリアムズ
あれは学習効果が利いている結果だ・・・とも思いまする。
曲自体はストラビンスキーみたい(本当か?)。
で、以前も話しましたが、十瑠さんが今一つだと仰った(過去形にしました^^)「A・I」は物凄く深遠なテーマにより成り立つ、「2001年宇宙の旅」クラスの映画です。
世間の誤解を解く為にもいつかはコラムを書かないといけないと思っているのですが、それにはスペイン映画「汚れなき悪戯」をきちんと見直さす必要があしまして、ちょっと機会がないので当座は実現しない見込み。
>「カラー・パープル」
これも意見がバッティングしていて(笑)、僕はスピルバーグのドラマで一番評価されている「シンドラーのリスト」よりも上だと思っているですよ。
姉妹の音楽的連続性のあるカットバックはそれこそ「すげえや」とため息が出たくらい。あそこは何度でも観たい。
それからこの作品は家城巳代治の「異母兄弟」に構図と展開が似ているので、思わずリメイクかと思っちゃいました。
「カラー・パープル」は、過去のその他の例もあり(笑)、評価の変わる可能性は大有りです。
「激突!」と「ジョーズ」はどちらも秀作と言う評価ですから、これ以上の話は不要ですよね。
>♪ズンズンズンズン ♪ズンズンズンズン ♪ババババーッ
↑わかります、わかります。もうこの音楽でドキドキしちゃいます(笑)。
不倫の臭いはこれっぽっちも出さずに通したのが正解でした。
ベンチリーの次作「ザ・ディープ」も映画化されたんですが、映画の出来も興行収入もサッパリだったようです。
スリラーはいろいろ観ているんですが、久しぶりにこれを観たら被害者が意外と少なくて驚きました。最近は”被害者の数・派手さ=スリル”みたいなつくりが多いけど、そんなのより断然こちらが面白いですよね!
>市長はじめ町のみんなは一安心(のフリ?)をしたが・・・
市長に「誰も海に入らないとまずい」と言われ、おそるおそる遊びにいく夫婦の表情がよかったです(笑)
よくやりますよね。観光客が入らなかった時の大変さというのがいまいち私にはわからないので、彼らの必死さもわからないのかな~?
な~る!
確かにそんな所もあるかもですね。
僕ら熟練者には、その手は桑名の焼き蛤ですが(表現が旧い!)^^
読み直している内に、また観たくなってきた