A.I
2003-06-12 | SF
(2001/スティーヴン・スピルバーグ監督/ハーレイ・ジョエル・オスメント、フランシス・オコナー、ジュード・ロウ、ウィリアム・ハート)
ビデオが出た時はショップに30本以上出ていたと思うが、全て貸し出し中という日々が続いた作品。休みの日に何気なくそのコーナーをみたら3本ほど在庫があったのでやっと観れました。
封切前のCMで、子供のロボットの悲しげな、何かを訴えかけるような瞳に、未来のテクノロジーとヒューマンなストーリーが絡むような感動作かと期待していたのだが、期待度が大きかった分裏切られた感じである。
子供が主役なのに文字通りのセックスマシーンが出て来るというので、子供に見せる時は気を付けようと思っていたが、そういうシーンより残酷さのほうで子供には見せられないと思った。「スターウォーズ」にも用済みとなったロボットが捨てられたり、改修されて売り買いされるシーンが出てくるが、この作品では反テクノロジー主義というか、反ロボット主義の人間が、廃棄されいわばホームレスのようになっているロボットを捕まえては群衆の前で公開処刑のようにして破壊するシーンがあるのだ。群衆が指笛を吹き鳴らしながら騒いでいるこのシーンで、私はアーサー・ペンの「逃亡地帯」を思い出した。残酷な人間を対比させる事によって、主人公の少年ロボットの純真さを際だたせようとしているのだろうが、こんな単純な構成のストーリーでは、見え見えでかえって白けた。「ビューティフルライフ」の親父はドイツ軍に殺されたが、射殺シーンはなく、銃声だけで戦争のなんたるかは、充分表現できていたと思う。
ロボットが自殺(?)するってのも変な話だし、終いには涙を流す。結局何を言いたかったのって感じで、しばらく考えてみようかね。
ビデオが出た時はショップに30本以上出ていたと思うが、全て貸し出し中という日々が続いた作品。休みの日に何気なくそのコーナーをみたら3本ほど在庫があったのでやっと観れました。
封切前のCMで、子供のロボットの悲しげな、何かを訴えかけるような瞳に、未来のテクノロジーとヒューマンなストーリーが絡むような感動作かと期待していたのだが、期待度が大きかった分裏切られた感じである。
子供が主役なのに文字通りのセックスマシーンが出て来るというので、子供に見せる時は気を付けようと思っていたが、そういうシーンより残酷さのほうで子供には見せられないと思った。「スターウォーズ」にも用済みとなったロボットが捨てられたり、改修されて売り買いされるシーンが出てくるが、この作品では反テクノロジー主義というか、反ロボット主義の人間が、廃棄されいわばホームレスのようになっているロボットを捕まえては群衆の前で公開処刑のようにして破壊するシーンがあるのだ。群衆が指笛を吹き鳴らしながら騒いでいるこのシーンで、私はアーサー・ペンの「逃亡地帯」を思い出した。残酷な人間を対比させる事によって、主人公の少年ロボットの純真さを際だたせようとしているのだろうが、こんな単純な構成のストーリーでは、見え見えでかえって白けた。「ビューティフルライフ」の親父はドイツ軍に殺されたが、射殺シーンはなく、銃声だけで戦争のなんたるかは、充分表現できていたと思う。
ロボットが自殺(?)するってのも変な話だし、終いには涙を流す。結局何を言いたかったのって感じで、しばらく考えてみようかね。
・お薦め度【★★=悪くはないけどネ、長過ぎ】 ![テアトル十瑠](http://homepage2.nifty.com/8SEASONS/img/TJ-1.jpg)
![テアトル十瑠](http://homepage2.nifty.com/8SEASONS/img/TJ-1.jpg)
そのへんで感情がついていけませんでしたね。
尺も長すぎ・・ラストもよくわからんし・・
公開前は期待したのにな~~
いったん終わりかな~と思ったら、また始まったって感じの展開がありましたね。
原案のキューブリックだったらどんな風に作ったか、・・・見てみたかった・・・。
この作品は、少年型アンドロイドを通して(すかして)人間を見据えた作品です。極論すれば、彼の周囲に出てくる人間など(母親以外は)どうでも良いのです。この作品の主題はアンドロイドと人間を単純に対比したわけものではないと思います。
この少年型アンドロイドは人間の人間たる所以のアンチテーゼです。母親を憎むことも出来、母親を忘れることも出来るであろう、都合よく出来た人間と全く逆の行動を取ることを運命づけられ(プログラム通りに行動するのがポイント)、最後に死ぬことで人間と同等になる。つまり「ピノキオ」のアンチテーゼであり、母親を望んだ少年が神により天国に召されるスペイン映画の秀作「汚れなき悪戯」と裏表の関係となっている作品です。
>つまり「ピノキオ」のアンチテーゼであり・・・
オカピーさんの記事を読ませていただくと、そういう視点で観る事もできるような気がしますが、多分私には難しい・・・。
元々あの少年がロボットということで、彼に感情移入することを拒否しながら観ていたし、再見することがあってもそういうことはないでしょう。
だから少年の事を考える時に、人間との対比以外の視点を探すのは難しいです。
御記事を読ませていただくと、(私は)映画の後半の解釈を間違っているようなので、機会がありましたら再見したいと思いました。
それに反して、クローン人間をテーマにした近作「アイランド」の全く人間を描けていないこと!
しかし、現実の評価はまるで逆です。これに私は失望しました。viva jijiさんも怒髪天を衝きました。
「AI」はスピルバーグだから酷評されたと思います。「2001年宇宙の旅」と同じくらい深遠な話を、一見単純な話のように描いたからです。しかし、彼は話術が巧いからそう見える。その不幸です。キューブリックが難解極まりなく作ったら、難しいと言いながらもそれなりの評価をしたのでしょう。皮肉なものです。映画は解りやすく作るほうが難しく作るより難しいのですが。
途中人間の残虐な面が次々と出てきます。あれは対比ではなく(でもありますが)、そんな愚かな人間に憧れる少年へのキューブリックの憐れみであり、皮肉な視線なのであります。
但し、頭では分かってもそれが見えてくるかどうかは別物でしで、はたして再見してどうなるのでしょう・・・。
後日の宿題ですな。
ロボットに感情移入させられるそうで、とても奥が深そうなお話ですね。
ラストの号泣というのも気になります。
スピルバーグ監督の作品なら見てみたいですね。
僕の宿題は未遂のまんま。これの再見の前に「汚れなき悪戯」を観なければと思ったのが災いしてしまった様です。なにせ「汚れなき悪戯」がそもそも見かけない!
オカピーさんの記事を読み直すたびに再見意欲が増している十瑠でした。