Ruby の会

シニアライフ~能楽・ボランティア・旅行・食べ歩き・演劇などを綴っています

映画「死にゆく妻との旅路」

2011-02-24 | 映画・テレビ・演劇・芸能

 1999/12/18のY紙夕刊に、”「二人でいたい」治療拒む~夫と放浪の末 がんで逝った妻”の見出しで載った記事。夫の清水久典氏は、保護責任者遺棄致死事件で逮捕された。事件から1年後、手記が月刊誌に掲載され、後に文庫化された本が「死にゆく妻との旅路」だ。口コミで15万部売り上げたそうだ。

 友人のSaさんが本屋の隅にあった文庫本を見つけ、買って読んだところ大変感動した、としつこく勧められた。この類の本は、あまり好きじゃないが、何度も勧められて一応読んだ。やはり違和感があった。そのうち映画化されると聞いた。高岡大和でロケをしていた、とも聞いた。Saさんによると、三浦友和はスマートすぎる、役所広司がいいそうだ。などなどと、曰く因縁のある映画が、石川県と富山県で先行上映されている。

 2/19(土)は、「ジーン・ワルツ」を見る予定だった。ところが、若い友人のNoちゃんが「死にゆく…」の先行上映初日の券を申し込んだら当たったそうで、都合で行けないのでどう?とようこ姫さんに電話があったらしい。二人入れるそうだ。「見たくない」と言ったら、「タダだよ!舞台挨拶もあるよ!」と言われ、結局見ることに。氷見や高岡でロケをしているから景色だけでも見るか、くらいの気持ちで見に行った。イオンの映画館は満員だった。 
          

 ポスターが何枚も貼ってある。二人がワゴン車で回った北陸~山陰~東海地方の地図もある。        

                    

          

 清水氏は当時52歳、七尾で小さな縫製工場を経営していたが、長引く不況と知人の借金の保証人になったのが災いし、多額な借金を抱え込む。金策と職探しに駆け回るが思うように行かず、なけなしの50万円を手に逃げるように故郷を離れる。11歳年下の妻ひとみさんは、がんに侵されているにもかかわらず病院での治療を拒み、「おっさん」と呼び慕う夫に強引について来る。そして、ワゴン車での旅~272日、6000km~が始まるのだ。

 最初はハローワークや観光地の旅館での職探しを続けるが、しだいに望みも当てもない旅になっていく。だが、街の銭湯に行ったり、海で魚を釣り調理して食べたり、高岡大和で買い物をしたり、二人の旅先のささやかな生活をずっと追う。(高岡駅南口も出ます)
 「おっさんの好きなようにすればいいよ」と言う妻。「jそうやね、じゃ、○○へ行こうか。」と答える夫。だが、妻の病状は悪化して行く。最後はガソリン代もなくなり、氷見海岸にとどまることに…。島尾の海岸の動物園前を掃除する夫・・・。そして妻はワゴン車の中で息を引き取る。

 心配するお兄さんや娘さんも登場するが、ほぼ全編が二人のさすらいの旅。同じ逃避行でも、「悪人」では周辺社会のの出来事や人物を鋭く取り上げるが、これは実話なのでただただ二人の愛の記録である。
 しかも、本は夫の久典さんの手記、映画は妻のひとみさんの目で描かれるのでさらにせつない…。やはり、私向きではなかった。だが、こんな生き方(死に方)を選んだ夫婦の姿に心を動かされた。
 下は、主演の三浦友和さんと監督の塙幸成さんの舞台挨拶。主演の二人(妻:石田ゆり子)は、なりきっての熱演だった。
            

 三浦友和さんの言葉:この生き方が間違っていたとは言えないし、正しいとも言えない。
 石田ゆり子さんの言葉:こんなにも人を愛することができるなんて、素晴らしいと思いました。(チラシより)
 この言葉に尽きる。最後の取り調べの警官の常識的な感想に共感しながら映画館を出たが、心の奥に温かいものが沸いて来た。
 


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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (森のくまさん)
2011-02-25 09:05:34
清姫さま
タダはいいですね。が、行くかどうかは迷いますが。が、どんなストリーからも学ぶことはあります。
Unknown (姫)
2011-02-25 16:45:55
なんじゃかんじゃと言いながら、書いたのですね。
わたしは、もう少ししてから・・と思っていますが、・・
何しろ、映画だけであとは白紙だから書けるかどうか・・
清姫さんは、いつもいろいろ書いているので、これ以上の物はかけないな~と思ってしまいます。
Unknown (清姫)
2011-02-25 18:35:23
くまさん
地元の懐かしい場所や風景が出てきます。
この海を、そんな思いで…と想像しながら見てました。
Unknown (清姫)
2011-02-25 19:09:56
姫ちゃん
ハハハ、なんじゃかんじゃと言いながら…です。先行上映を見た者の責任かな~と思って。
今日、「ジーン・ワルツ」の最終日で、無理やりに予定に入れ見てきましたが、コレはフィクション。「死にゆく…」は実話の強味がありますね。
あなたの正直な感想をぜひ聞きたいですよ。
Unknown (つも)
2011-02-26 20:06:39
先日、たまたま大和に行くとおばさんたちで人だかり。何かと思って見ると三浦友和さん、監督、市長さんのトークショーでした。手形も取っておられたそうです。
Unknown (清姫)
2011-02-26 20:52:20
つもさん
へえ~、高岡市も力を入れているのですね。
大和店内の場面、大和の紙袋が出てきますからね。
全国的にどんな反響があるのかな~と思っています。

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