5522の眼

ゆうぜんの電子日記、2021年版です。

ランスへの旅

2014-03-08 23:14:22 |  文化・芸術
名古屋市長がフランスのランス市との姉妹都市提携の実現に向けて取り組みたいと語ったというローカルニュースを読んだ。

市議会での議員質問に対する「提携を視野にいれて話を進めたい」という市長の応えだったようだが、姉妹都市提携話が具体的になっているということでもなさそうだ。ニュースによると、名古屋市美術館とランス美術館の間で友好提携の覚書が交わされ、ランス市所蔵のレオナール・フジタの絵画展を再来年1月から開催するべく計画中だという。2年も先の絵画展開催だけが姉妹都市提携話に展開していくというのも些か腑に落ちないが、ニュースでは明かされない伏線もあるのだろう。

名古屋は「ものづくり都市」のはずで、文化都市を宣言した訳でもあるまいが、このニュースを読んで昨年秋の《アイチトリエンナーレ》が比較的好成績だったということも関係するのだろうかと考え、これまでニューワールドに偏っていた4つの姉妹都市に欧州の都市を加えれば「歴史と文化の箔」がつきそうだと考えた輩がいるのかもしれないとも思った。

ところで、ランスという名前は聞いたことがあるが、フランスのどの辺りに位置するのだろうとWIKIで調べてみた。パリ北東、ベルギーとの国境に近い、シャンパーニュ・アルデンヌにある人口20万弱の中都市だ。北緯49度より上に位置するから、日本で云えば北海道よりさらに北になる。寒い冬からは抜け出てはいないはずだ。

ランスはローマ時代に遡る古い町で3世紀の遺構も残っているほどだという。奈良の都よりもっと古いという訳か。5世紀にはフランク王国の王様が此処で戴冠式を挙行したのが例になってそれ以後は歴代王の戴冠式が行われてきたため、「戴冠の都市」とか「王様たちの都市」と呼ばれるのだそうだ。ノートルダム大聖堂はそうした戴冠式の舞台としても有名なのだ。たかだか400年の歴史では尾張名古屋もかたなしである。こりゃ歴史学者ならずとも面白そうではないか。

シャンパン醸造の中心地ということは呑み助はもちろん食通にとってもきっと美味なるフランス料理が楽しめるはずだ。レオナール・フジタとの縁も深いとなれば日本の美術愛好家も注目するだろう。TGVや高速道路など都市間交通にも便利な処のようだし、大学もあるとすれば、経済・文化的な相互関係も築きやすいといえるかもしれない。

ランスは、ドイツ、イタリア、イギリス、オーストリア、チェコといった欧州各地のほか、アメリカやアフリカも併せて合計7都市との姉妹都市提携をしているようだ。最初のアジア地域の都市として名古屋が名乗りを上げるのは良いタイミングなのかもしれない。しかし、ラブコールを送るからには、こちら側からのしっかりした提携目的と条件の提示(プロポーズ)が必要だろうし「花束やプレゼント」も贈るつもりがなくてはなるまい。仲を取り持つ優秀な「周旋役」も大切になってくる。ランスの市長は女性らしいからそれなりの気配りも河村市長には求められるといわけだ。

先ずはセントレア発のパリ観光旅行には必ず「ランスの文化巡り」コースを付けて販売し、多くの名古屋人に現地を実体験してもらうのが「シンパ」を作る方法としては簡単で効果的だろう。姉妹都市が一部の役人たちの間で密やかに決定されるのは面白くはない。






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