日産の下請法違反

まあ、大企業がやりそうな法律違反が報道されました。

日産が下請け企業に計30億円の減額を強要していたことが発覚して、公正取引委員会から下請け法違反で再発防止勧告を受けるようです。

コストダウンが目的とみられる不当な減額強要は数十年間前から始まり常態化していたと、日産の「下請けいじめ」が明るみに出ました。

注文主の横暴を断れば、発注が無くなるかもしれないという危機感を利用した悪質なやり方ですが、バブル崩壊以降、他の大企業でも同じようなことが行われているんじゃ～ないでしょうか。

ある大企業では、それこそ釘1本から納品価格が決まっていて、同じ製品ならこの価格という徹底的な価格基準が設けられています。

たまたま日産では、納品価格が設けられていて、そこからさらに減額を強要するという自社が潤うだけの「下請けいじめ」が行われ、財政的に苦しめられている下請け企業からの強烈な「しっぺ返し」があったのではないでしょうか。

トヨタグループで頻発している不正問題と内容の違いこそあれ、同じようなことが起こっているんじゃないでしょうか。

「同じものを作れる会社は他にもたくさんある」と言われれば、値引きを受け入れるしかない下請け企業では、雇用者の賃金も思うように上げられず、下手すりゃ～従業員の解雇さえも考えねばならないほど追い詰められているんでしょう。

友人の経営者は、「とにかく他の会社じゃ～作れないものを必死で開発するしかない。親の代からずっと他社ではできないものを開発し続けている」と言っていました。

彼の会社では、新素材を使ったセンサー技術で他社を凌駕しています。

しかし、常に追いかけられていることから逃れられずに苦しんでします。

大企業には500兆円とも言われる内部留保が貯めこまれています。

この一部でも下請けに支払ってあげれば、世の中こんな不景気に悩まされていないでしょう。

昨日、株価が4万円を越える市場最高値を記録しました。

株価は上がっても、その恩恵が巷に還元されることなく資産家や大企業の懐で眠ってしまっています。

株式市場は、会社を育てるという気概を無くし、単に投資家の資産を増やすために利用される。

こんなことでいいのでしょうか。

大企業では儲けた金を貯めこむばかりで、従業員や下請け企業にはギリギリしか支払わない。

今の日本は、百姓を苛め抜いた江戸時代の殿様のような企業家で占められています。

みんなの幸せを考えられないような会社の製品が、素晴らしいものであるはずありません。

だから、ここ何十年も日本の製品は外国企業の後ろを這いずり回っているんじゃないでしょうか。

政治家も企業献金が欲しいから、内部留保には触らずに日本経済を死地に追いやろうとしています。

※内容の一部に新聞記事を引用しました。