11月最終の日曜日、グラウンド・ゴルフ仲間を誘って遅い紅葉狩りに出かけた。天候が心配されたが、幸いに雨天は免れた。
朝の9時に車で迎えに行き、R182を北進した。途中、“三和道の駅”がリニューアル・オープンしていたので、早速立ち寄った。これまでの店舗より床面積は増えたようだが、店内は閑散として見え、商品を探すにも苦労しそうだった。それでも新しくなったからか、客足は伸びているように見えた。道の駅を発ち、R182を北上して油木町から広域農道を行こうと思いハンドルを切ったが、先に看板が見えた。「先の豪雨で道路が崩れ、通行止め」とのこと。見事な景色が見られると思っていたのに、残念だった。再度国道に戻り北上。新免辺りで谷道を…と思ったが、ここも通行止め。仕方なく東城町まで北進し、西向きに左折して帝釈峡方面へ進む。途中で「蕎麦屋を探そう」と県道から外れて一般道へ。山の中を走ること数分で目的地を見つけたが、「準備中」の看板。周囲には新しい別荘風の建物が数軒見えたが、店の前を通過、帝釈国民休暇村へ向かった。休暇村本館前には、グラウンド・ゴルフのコースが一つ常設されていた。下車することなく車窓から紅葉を楽しんだが、紅葉の色は既に色褪せていた。
相渡にある「コスモドーム」でトイレ休憩をしたが、グラウンドには1コース設置されていた。一緒に行った方二人と家内は、「アカツメクサ」の四葉を見つけて摘み取っていた。そこから上帝釈へ移動、駐車場は観光シーズンでか有料となっていた(乗用車は400円)。駐車場へ車を置いて「雄橋」までを散策。距離的には、片道が1km程度とのことだった。帝釈川を流れる水は澄み、川底の様子が手に取るように見えた。このあたりの地質は「阿哲台石灰岩台地」で、帝釈川の浸食が進み、特徴ある地形が見られる。と同時に、石灰岩台地特有の植生も見られる。天候は曇りで気温も高くなかったが、それでも他府県Noの車が多く、散策する観光客も結構見えた。
この2枚の写真は、河川浸食でできた「ノッチ」と呼ばれる石灰岩の様子である。また次の写真は、樹木の根の張り方が分かるような記録写真(?)である。
自然状態での植物の生育は、環境に逆らいながら自らの体を保持するために、縦横に根を張る様子が手に取るように理解できる。植物の生命力の強さ、なのかもしれない。
河川浸食は大きな岩体をも穿ち、まるで意図的に作られたような景観を見せる。「雄橋」とは、自然が作り上げた造形で、恰も「橋梁」のように見えるからその名が付いた。次の2枚はその写真である。人の大きさと比較すれば、「雄橋」の大きさが推測できる。
上帝釈「雄橋」までの散策を済ませて、次の目的地「山楽荘(国登録有形文化財)」へ移動した。途中の県道沿いの景色も紅葉は終わりを告げているようで、どことなく寂しさを感じた。
山楽荘は「旧保澤家住宅」で個人所有の建物だったようで、後年は宿屋として使用されていたようである。パンフレットには、次のような説明書きがある。
「山楽荘(旧保澤家住宅)は、城下町の面影を残す東城市街地の南北に延びる街路のほぼ中央に位置する大規模な町屋です。建築年代の近い本館、離れ、土蔵、土壁・門が揃って現存する点や、現在では入手が難しい材の使用、欄間などの特徴的な細工が高く評価され、平成23年1月26日に国登録有形文化財に登録されました」と。
見学するに時間はそれほどかからないが、1階も2階も十分に見学できるようにしてあり、驚きと感嘆が入り混じるような感想であった。「所々に目を見張るような設えもあり、見学するには十分な価値がある。」、そう思えた。
その後道の駅に移動して遅い昼食を摂り、買い物を済ませて帰路についた。
楽しい時間が過ごせたと、同行者は喜んでいた。