昨年、山崎直子宇宙飛行士がISSへ滞在したとき、記念品(OFK)として朝顔の種200粒を持参した。帰還とともに持ち帰り、日本宇宙少年団の活動として希望する分団に僅かずつ配布し栽培された。「宇宙から帰ってきた種」として大事に栽培され、交雑されていないと思われる種を回収し、2世代目の種として保管することになっている。そのため栽培された団体から栽培記録と共に種も回収されたが、交雑の有無を確認するためにYAC本部から栽培記録の精査を依頼され、栽培記録が送られてきた。記録を詳細に読み検討したが、厳密に評価すると栽培している現地の様子が確認できていないので、写真などからでは評価は難しかった。「おおよそ大丈夫」と思われるものは、そのように評価させていただいた。ただ、送られてきた栽培記録は素晴らしく、栽培にも記録にも物凄いエネルギーが使われていると思われ、頭が下がる思いであった。
ISSから持ち帰られた種の交雑されていない2世代目を確保することも大事な活動だが、それよりも「命のつなぎ」を考えると「大事に心をこめて栽培し、記録する」ことにも大きな意義があるように思えた。「現在残されているアサガオの種には、間違いなく山崎さんが宇宙へ持って行ったアサガオのDNAが受け継がれている」ということは事実であることを踏まえて、「命をつなぐ営み」として、営々このアサガオの栽培を続けていけば良いと評価するところである。これらの活動は、いずれ「東日本大震災で大きな被害を被った地域で、このDNAを受け継ぐアサガオの花で勇気づけを期待する」という活動に繋げられるであろう。