所用で松江エリアへ行った。梅雨の合間の好天で、日中は直射日光が暑く、夜は湿度が高くて寝苦しかった。
21日(木)から22日(金)まで、一泊二日の日程で移動したが、往復共に「やまなみ街道」を走った。途中、「道の駅;高野」で休憩したが(往復路)、通過時刻が早かったか混雑はなかった。往路はトイレ休憩のみで、復路では土産用に「高野大根」を購入した。「土産がダイコンだって」と言われそうだが、福山市内で購入するより品質が良く、安価だった。
山間部を通るこの自動車専用道から見る景色は、緑の山並みか荒れた田畑か耕作されている田畑。山間部の現状が見て取れるようだった。
大体松江エリアへの出張では、会場とホテルへの移動だけで観光はない。今回も違うことはなかった。宿泊は宍道湖北岸、松江大橋北詰のホテル。目の前に宍道湖が拡がり、遠くに県立美術館が見えていた。「嫁が島」は、「あれがそうだろうなあ」程度に松の木が生えて見えていたが、霞んで良くは見えなかった。着いたのは夕方、そそくさと入浴や夕食を済ませていたので外の景色を見るゆとりがなかったが、翌朝の朝食時(6時と案内されたので行くと、6時半からなので待ってくださいと)宍道湖から中海へ繋がる水路を走ってくる沢山の漁船が見えた。「あ、シジミ漁の舟だ」と思ってみると、小型の舟が犇めくように宍道湖へやって来た。ほぼ同じ水域で止まり漁を始めていた。資源保護のために漁のできる時間が決められているようである。
6時過ぎにそそくさと朝食を終えて、持ち出し用のコーヒーをいただき湖岸へ急いだ。湖岸の朝の空気を吸い込もうと出かけたが、湖岸へ着くと「シャッ、シャッ」と遠くから音が聞こえた。どうやら船上から大きな鋤簾で湖底を掘り、湖水で濯いでいる音のようだった。遠く離れた船上からの音が、まるで風が送ってくるように聞こえる。鋤簾で規格外のシジミを落とすための濯ぎの音だが、資源保護のためのひと仕事。宍道湖のシジミは「ヤマトシジミ」と言われるが、粒は小さい。朝食でシジミ汁を頂いたが、小さいので身を食べるには手間がかかりすぎ、結局汁を飲んだだけに終わった。
シジミ漁の音は初めて聞いたが、人間の営みの音に違いない。湖水を吹く風と、水面で休むカモを見ながら、宍道湖岸の時間が過ぎて行った。なんだか“特をした”気持になった短い時間だった。
遠くに「国宝松江城の天守閣の最上部」が見えていた。