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何時、誰もが扶養義務者

2014-09-10 17:30:43 | 政治

東京」新聞より転載

何時、誰もが扶養義務者

 「あなたの親族にあたる次の方は生活保護を受給中です。できる範囲内で扶養援助してください」

 医療法人事務職、城世津子さん(55)のもとに今春、大阪市住之江区から、こんな文書が送られてきた。

 「親族にあたる次の方」というのは、三十五年前、母親と離婚した城さんの父親だった。

 父親はギャンブル漬けで借金を重ねた上、家族に暴力をふるった。十九歳のとき城さんは父親に殴られ、前歯を折る大けがをした。三十年以上音信不通で、親戚から死亡したと聞かされていた。

 文書は城さんの二人の妹のほか、大学生のめい、結婚したばかりのおいの新居にまで届いていた。

 住之江区は戸籍などから親族の住所を調べ上げ、互いに存在を知らない孫にまで、機械的に文書を送り付けていた。「思い出したくもない過去を突きつけられた。怒りとともに恐ろしさを感じる」と城さんは言う。

 厚生労働省の指針では、二十年以上音信不通など、受給者との関係を断った親族への扶養の照会は不適切と定めている。

 七月に改正生活保護法が施行され、扶養義務者への圧力が強化された。城さんのようなケースが増えるかもしれない。何時、誰もが当事者になる可能性がある。 (上坂修子)


汚染水対策 手詰まり/廃炉作業遅れを懸念 福島第1原発/大震災から3年半

2014-09-10 07:13:24 | 原発

河北新報より転載

汚染水対策 手詰まり/廃炉作業遅れを懸念 福島第1原発/大震災から3年半

 福島第1原発で行われている凍土遮水壁の設置工事=7月8日(代表撮影)

 福島第1原発の汚染水対策は、事故発生から3年半経過した今なお、予断を許さない状況が続く。1~4号機の建屋地下には1日約350トンの地下水が流れ込み、放射性物質に触れて汚染水が発生している。東京電力は建屋に入る前にくみ上げる地下水バイパスなどの対策を講じるが、抜本的な解決には至っていない。汚染水対策が軌道に乗らなければ、廃炉作業に影響を及ぼす可能性がある。(桐生薫子)

<難航する凍結>
 「地下水の流れがあり、思ったより凍らない」
 8月28日、Jヴィレッジ(福島県楢葉町、広野町)であった東電の記者会見で、福島第1廃炉推進カンパニーの増田尚宏最高責任者が明かした。
 2、3号機タービン建屋海側のトレンチ(電源ケーブルが通る地下道)には、計約1万1000トンの高濃度汚染水が滞留している。
 東電は建屋とトレンチの接続部を凍らせ、水の流れを遮断してから汚染水を抜こうと、2号機側で4月下旬、周囲の水を凍らせる作業に着手した。だが、地下水位の変動など想定外の現象が起き、凍結は難航。7月下旬には氷を投入し水温を下げたが、接続部の凍結率は92%にとどまった。
 「想定外」は地下水バイパス計画でも起きている。東電は5月以降、地下水を20回くみ上げ、計3万2942トンを海へ排出した。当初、流入の抑制効果が表れる時期をくみ上げから「2~3カ月後」と設定したが、観測用井戸では20~30センチしか下がらず、「5~6カ月後」に修正した。

<計画達成困難>
 東電は建屋周辺の「サブドレン」と呼ばれる井戸42本から地下水をくみ上げ、浄化した上で海に流す計画も立てている。
 これに対し、漁業関係者は「(海洋放出の報道後)試験操業のシラスの価格が下がった」(相馬双葉漁協)などと風評被害を懸念。「汚染水を海に流すのは絶対反対」(いわき市漁協)と反発を強めており、実施のめどは立たない。
 地中を凍らせて地下水が建屋に流入するのを防ぐ「凍土遮水壁」も先行きは不透明だ。2日現在、凍結管1710本のうち309本の掘削を終えたが、原子力規制委員会は埋設物のある場所の工事を認可していない。
 高濃度汚染水などをためるタンクの貯蔵量は2日現在、52万トンと容量の92.9%に達した。多核種除去設備(ALPS)を稼働し、本年度中に全ての汚染水を処理する計画だが、トラブルが相次ぎ、達成は困難な状況だ。

 

2014年09月10日水曜日


「夢燈花」に命の大切さ託す

2014-09-10 06:53:20 | 震災

河北新報より転載

「夢燈花」に命の大切さ託す

 2014本の手作りろうそくの火が、夕闇の校庭に浮かび上がった

 手作りのろうそくに火をともし、命の大切さを考える「みやぎ夢燈花(ゆめとうか)2014」が6日、仙台市泉区の南中山小であった。東日本大震災から11日で3年半になるのを前に、犠牲者の追悼と復興への祈りを込めた。
 南中山地区の住民らでつくるNPO「みやぎ夢燈花」の主催で8回目。2001年、大阪府池田市で起きた校内児童殺傷事件後に同市で行われた催しに共感して始まった。
 校庭には、南中山小や池田市の児童らが作ったろうそく2014本が並んだ。児童ら約500人が一本一本に火をともすと、夕闇の校庭いっぱいに光が浮かび上がった。
 NPOの石川健会長(68)は「震災からの心の復興のため、授かった命を生きる大切さを子どもたちに感じてもらいたい」と話した。

 

2014年09月10日水曜日

関連ページ:宮城文化・暮らし

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