サムライ左近法務事務所の事件帳

本業の法律事件の他、考古学、歴史学、戦国山城等を、その実証から紹介します。

信州の山城「海の口城」

2008-05-10 20:06:31 | Weblog
信州の山城「海の口城」は
南佐久郡南牧村大芝にあります。
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天文5年(1536年)
武田信虎が率いる甲州勢8000が
城を攻めたが落とせなかった。
この時の城主は平賀源心。
守兵3000。信虎は断念して撤退を開始したが
嫡男の晴信(のちの信玄)が
手勢300を引き連れ
城内で酒宴中の平賀勢を急襲して
勝利を収めたと云われています。
晴信にとっては初陣を華々しく
飾った訳ですが、その主体的根拠、信憑性は
乏しいと言わざるを得ません。

山頂部は大きな岩が随所に露出していて
あまり人為的な工作は加えられていない
イメージが拭えません。
私が今まで精査してきた中では、最も築城痕跡が
見出されない「城」と言えます。どちらかと言うと
概念的には「砦」に近いかも知れません。


この付近の皆さんは今でも
正月には餅を食べないと云われています。
城が落ちたのは年取りから元旦に
かけてと言われていますので
この辺に「いわれ」があるのでしょう。

上田駿台会(明治大学OB会)

2008-05-09 18:06:22 | Weblog
昨夜は、香青軒にて
平成20年度の総会が開かれました。
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上田市に登録されている会員は
約100名前後ですが、出席者は
1/3程度。
会社経営者も多いのですが
所謂、士業も多いです。
税理士、公認会計士、社労士、中小企業診断士
行政書士、司法書士など。
最後の締めは
「白雲なびく駿河台・・」
でした。
恥ずかしながら、私は一番目しか覚えていません。
(3番まであります)
小学校、中学校、高校の同級会が
今では殆どない中で、この会だけは、私にとって
大切な交流の場です。
年会費2,000でやりくりされているスタッフには
正直、頭が下がる思いです。

不起訴不当(虚偽告訴・偽証)

2008-05-07 20:03:46 | Weblog
以下の文書は
検察審査会が扱った事件です。
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(被疑事実の要旨)
被疑者らは共謀の上、甲に
刑事上の処分を受けさせる目的で
警察署において「障害を負わされた」などと
嘘為の申告をし、さらに○○地方裁判所の法廷に
おいて「暴行をしているところを見た」などの
自己の記憶に反した虚偽の陳述をしたものである。

(議決の要旨)
○○地裁及び○○高裁は、甲供述の
信用性のほうが被疑者らの供述の信用性
よりも高いと判断しているのであり、
これを一般市民感覚から見ると
被疑者らが甲を暴行・傷害で虚偽申告して
甲に対する傷害被告事件で口裏を合わせて
偽証したことになる。
(以下、中略)
甲は本件により、肉体的、精神的に大きな
ダメージを受けているのに対し
被疑者らは、甲が受けた大きなダメージを
なんら受けてない。

(注意箇所)
安易な告訴・告発をする者にも
それなりの自覚を持たせ、またリスクを
負わせるべきであって、本件の場合は
被疑者らに虚偽告訴罪及び偽証罪を適用すべきである。

(事後処置)
不起訴維持

(私的コメント)

長い引用文で申し訳ありません。
○○士業等は、職務上
告訴・告発状が書けますが
「善悪の彼岸」を見抜く鋭い判断力が
求められます。
こうしたケースも事例として
有る事をしっかりと認識して
置かなければなりません。

「検察審査会」
地味ですが強い発言権を有します。
「裁判員制度」を強引に推し進めるより
検察審査会の啓蒙と充実を
願ってやみません。

マズローの5段階説(士業の経営理念)

2008-05-05 11:04:19 | Weblog
士業も含め
ビジネス活動の基本は
マズローの5段階説に
あると考えます。
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①生理的欲求
自分身体を維持しようとする
欲求であり、衣・食・住への基本的な
欲求。
②安全の欲求
事故、病気、経済的な不安から逃れたい、
不確実な状況を避けたいという欲求。
③親和(所属)の欲求
自分が所属する組織の中で、人間同士の
愛情・友情を求める欲求。
④自我の欲求
他人から尊敬されたり、社会的な地位を
求める欲求。
⑤自己実現の欲求
自分の能力が社会を通して
社会に活かされ、生きる喜びを
求める欲求。

個人であれ、法人であれ
その頂点に立つ経営者は、孤独で
熾烈な戦いを強いられる「サムライ」です。
社員1,000人以上の大企業の経営者となれば
その社員の家族、取引き先、仕入先などの
人間を合わせれば、計り知れない数になります。
この「計り知れない」人たちの
生活の保障を確保することを余儀なくされます。

マズローの5段階説。
私が、かつて勤めていた大企業の
トップが社員全員の前で話しました。
私自身、マズローの5段階説は本で
或る程度、拾い読みしていましたので
多少の予備知識もありました。
それもあってでしょう。
私は、この大切な話をあたかも
「ひとごと」の如く、聞き流して
しまったのです。

勤続20数年、特段誇れる能力もなく
毎月給料をいただきました。
それは、当然の如く当たり前だとも思っていました。

今、こうして士業の道を選び
自らお金を稼ぐことがどんなに大変な
事か思い知らされました。
それは、覚悟以上、想像以上の世界でした。

「自己実現」
一見、会社の利益追求の手段の
ように捉えがちですが
本当は「自分自身を高める」為の
目標の置きどころ。

最近、私はそう感じるようになりました。

写真は八幡神社に
あります「夫婦道祖神」です。

今日はこどもの日」
仲の良い夫婦は
こどもにとって
大きな安心を育みます

海野一族の「会田塚」

2008-05-04 19:53:54 | Weblog
会田塚。
場所は志賀村の会田にあります。
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会田塚は
天正11年(1583)に
小笠原氏によって
攻め滅ぼされた海野一族
会田氏の戦死者の遺骨や
遺品を埋葬した塚です。
場所は広田寺(海野氏の開基)
脇の沢上にあります。

木の柱と無印の石ひとつ。
塚状の盛土は今は見られず
途中の案内板がなければ
通り過ぎてしまいます。

私は、この日、この場所で
ハチに刺されたような強い激痛を覚えました。
私の足が地に埋もれる名もなき戦死者の
遺骨を踏みつけていたのかも知れません。

小笠原氏に関しては
別の機会に紹介したいと思いますが
陰謀と暗躍が垣間見れます。

広田寺の紋は
「六連銭」です。

信州の山城「光城址」

2008-05-03 19:18:08 | Weblog
久し振りに「山城」通信です。
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場所は
信州東筑摩郡明科町光に
有ります。
城主は光氏。
何とも輝かしい苗字です。
この一帯(田沢、光、塔原、川手)
は、会田を中心にした小県郡海野系の
海野一族の支配地でもあります。
従って、会田氏、光氏、田沢氏、塔原氏も
海野一族と考えられます。
応永7年(1400)の大塔合戦に
飛賀留氏が所見されます。
のちの光氏と思われます。

桜で有名な名所です。
山城であるにも関らず
頂上は緩やかな曲線描いています。

この連休
健康を兼ねての山歩きとしては
最高だと思います。


士業は何故「サムライ」と呼ばれるのか。

2008-05-02 20:02:50 | Weblog
明確な答えは出せません。
『士』が
文字通り
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そう呼ばせているのかも知れません。
法人規模の士業または
個人事業主であっても
何人もの補助者を使っている事業主。
そんなに多くはないですから
殆どは一匹オオカミと言えます。

一人ですべきことは山ほどあります。
「待ち」の商売ではありませんから
自らが動かなければなりません。

お客様との面談。
営業での外出。
各種研修会への参加。
事務所管理。
収支の管理。
設備から始まって備品、消耗品の調達。
などなど。
これらを全て自分ひとりでこなさなければ
回っていきません。

但し、最も重要な事は
お客様と面談し
お客様の悩み事、相談事を
お客様の希望通りに完結できるか。
という事です。

様々な事例の中から
或いは経験の中から
ベストの回答を出す。

そして、その場合の多くは
「自分自身の判断」に委ねられる訳です。

お客様からお金を頂戴する以上、
「不良品」を売るなど、許されません。
(士業は、その意味では知識に置換されます)

自分で考え、最高の結論、結果を生みだす。

サムライに例えれば、普段帯刀しているのは
飾りではない。
事あれば、命を賭して「民」を守る。
だから「民」も無産階級であったサムライの
存在を許した。

サムライ=士業は
命がけで「お客様」を守る。

その精神がなければ
事件・事故の渦中に絶えずいる
「真の士業」は務まらない。

全てはお客様の為に存在する
士業。

私はそのように考えます。


士業の品格(個と組織)

2008-05-01 14:24:14 | Weblog
『品格』
なる書物がブーム
の如く矢継ぎ早に
発刊されました。
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ブームは過ぎたのでしょうか。
一頃よりは『品格』
なる言葉はあまり耳に
しなくなりましたね。
さて「士業の品格」
士業と申しても様々職種があります。
その代表格とも言える弁護士から
始まって、弁理士、行政書士、司法書士、
社労士、診断士等など。
枚挙にいとまがありません。
こうした職種・業種は独占的な要素を
多分に含みますので、一般の皆さんは
依頼する側、相談する側に立たされます。
士業はその道のプロですから
当然、業務に関して精通していますが
商売として成立するのか否かは、個人の
資質に委ねられます。
その意味においては、個人事業主若しくは
中小企業主と何等変わりません。
例え、数%の合格率である難関をくぐりぬけて
きてでもです。
試験合格はその序章。その後の勉強量が本章です。

経済用語の需要と供給。そのバランス。
このバランスがうまく取れていないと
過当競争、価格競争の波にさらわれます。
過当競争は廃業、淘汰を招来させ
価格競争は質の低下を招来させます。
それでも尚且つ大きな修正は試みず
組織(○○会)は「資格万能」の如くうたい
人を集めます。
士業の犯罪にも大きく分けて
2つのパターンが所見されます。
① 儲かっていながら、更に儲けようとして犯罪に手を染めるケース
② 世の中で先生と呼ばれながらも、その実態は生活困窮者。食うに困って犯罪に手を染める若しくは加担するケース
組織(○○会)は、そうした士業(この場合は②該当者)
である個人を糾弾し、処罰します。

問題には必ず「現象と本質」が存在します。
処罰は、その現象(事象)に対して行われる行為。
では、本質は何処にいってしまったのか。
組織は、当然ながら会費で運営されています。
単なる親睦会の集まりではありません。
会員が士業として健全経営ができるよう
側面的なフォローをしなければならない筈です。

私は士業としての個人の品格よりも
組織としての品格が、今問われているのでは
ないかと省察します。

苦労が報われるような「士業像」。
組織の頂点に立つ者は絶えず、念頭に入れる出来でしょう。