サムライ左近法務事務所の事件帳

本業の法律事件の他、考古学、歴史学、戦国山城等を、その実証から紹介します。

不起訴不当(虚偽告訴・偽証)

2008-05-07 20:03:46 | Weblog
以下の文書は
検察審査会が扱った事件です。
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(被疑事実の要旨)
被疑者らは共謀の上、甲に
刑事上の処分を受けさせる目的で
警察署において「障害を負わされた」などと
嘘為の申告をし、さらに○○地方裁判所の法廷に
おいて「暴行をしているところを見た」などの
自己の記憶に反した虚偽の陳述をしたものである。

(議決の要旨)
○○地裁及び○○高裁は、甲供述の
信用性のほうが被疑者らの供述の信用性
よりも高いと判断しているのであり、
これを一般市民感覚から見ると
被疑者らが甲を暴行・傷害で虚偽申告して
甲に対する傷害被告事件で口裏を合わせて
偽証したことになる。
(以下、中略)
甲は本件により、肉体的、精神的に大きな
ダメージを受けているのに対し
被疑者らは、甲が受けた大きなダメージを
なんら受けてない。

(注意箇所)
安易な告訴・告発をする者にも
それなりの自覚を持たせ、またリスクを
負わせるべきであって、本件の場合は
被疑者らに虚偽告訴罪及び偽証罪を適用すべきである。

(事後処置)
不起訴維持

(私的コメント)

長い引用文で申し訳ありません。
○○士業等は、職務上
告訴・告発状が書けますが
「善悪の彼岸」を見抜く鋭い判断力が
求められます。
こうしたケースも事例として
有る事をしっかりと認識して
置かなければなりません。

「検察審査会」
地味ですが強い発言権を有します。
「裁判員制度」を強引に推し進めるより
検察審査会の啓蒙と充実を
願ってやみません。