暇つぶしひつまぶし

四方八方に興味が伸びる一貫性の無いだらだら日記。
ブームは日々移り変わります。

新井素子「おしまいの日」

2008年09月05日 | 本のこと。
夏休みの間は混雑して寄り辛かった図書館通いが復活。
サイコホラー系の本ばっかり借りてきてしまった。
いつか読もうと思いつつ、パラ読みすると文体が何だか馴染めなくて
なかなか読む気になれなかった「おしまいの日」なのだけど、
図書館で文庫が目に入ったので借りてみました。
割と古い作品ではあるけれど色々と思うところあって面白かった。

「おしまいの日」は、残業続きの夫の帰りを待って
その毎日を日記に書きとめている結婚7年目の主婦のお話。
と書くとなんだか普通だけど、その普通が異常で怖い。

一人称の日記文と三人称の文で交互に展開していきます。
日記からどんどんおかしくなっていく状況が読み取れる。
途中書いた文を塗りつぶしてあったり、なんか壮絶です。

主人公の三津子の献身的で異常なまでの(まあ既におかしくなっちゃってるんだけど)
夫への依存が何より重たくて、夫もその献身ぶりが重たいと感じているのだけど
そう思ってしまう自分に罪悪感を抱いて、またストレスを溜める・・・
誰も悪くないのに負のスパイラルにはまっていくのがゾッとします。

読みながら「こりゃーおっかねえ嫁さんだなあーダンナも大変ね」
とか思ってたのだけど、最後の三津子の手紙を読んで物凄く納得しました。
ああちょっとわかるかもしれない・・・と。

正常と異常の境界線って曖昧だよなー。


独身時代に読んだら、また違った感想を抱いたと思います。
一応新婚の自分が読むような本では無かったか?
いや、むしろ作者あとがきにあった「おしまいの日ごっこ」をやるべきなのか?

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