今回は中国語講師スタッフの梁さんと戎さんに、日本の居酒屋文化について中国と比較しながら話していただきました。
Q:中国にも居酒屋はたくさんありますか?
梁:中国には日本のようなシステムの居酒屋はあまり多くありません。大都市にはいくつかあるにはあるのですが、その多くは日本人が多く居住する地域ではないかと思っています。それにしても日本にはたくさん居酒屋があるのに対し、中国にはこのような形態のお店が少ないのはちょっと不思議ですね。
戎:日本人は会社帰りに会社の同僚と居酒屋に飲みにいったり、大学生も値段が安いので居酒屋に行く機会は多いのですが、中国ではそもそも夫婦共稼ぎの家庭が多く、会社の同僚とお酒を飲む機会もあまり多くないと思います。もし、夫だけが毎晩のように飲みにいったりすれば、間違いなく夫婦喧嘩になるでしょうね。
梁:日本では会社のストレスを発散したり、人間関係を強固にするためにお酒を飲むということをよく聞きますが、居酒屋はそのような場所として最適な場所なのかもしれませんね。大学生もあまり小遣いはありませんから、居酒屋で飲み放題コースにすれば、安い値段で長い時間を過ごすことができるので、都合がいいのかもしれません。
戎:そういえば中国では「食べ放題」のお店は聞いたことがありますが、「飲み放題」のお店はあまり聞いたことがありませんね。しかも居酒屋にはお酒の種類がたくさんあって、梅酒やサワーなど女の子にも飲みやすいものもたくさんあるので、女子学生にとってもありがたい場所かもしれませんね。
梁:実は私も居酒屋に行くとサワーなどを注文することが多いのですが、お酒の種類の豊富なことがお気に入りの要因になっています。いろいろ新しいメニューを注文して、自分の好みにあった味を発見できると嬉しいですし・・・。ですから、日本の女子学生はお酒を飲みに行く機会も中国に比べて多いと感じます。
戎:中国では料理店で食事をしながらお酒を飲むというパターンが多いのですが、お酒の種類が少ないうえに、「白酒」などアルコール度数の高いお酒を瓶ごと注文してそれを皆で楽しむというのが一般的です。お酒好きでお酒の強い男性にとってはいいのかもしれませんが、あまりお酒の強くない人にとっては日本の居酒屋のように好きなものを好きなだけ注文できるシステムの方がありがたいといえますね。
梁:お酒だけでなく、料理についても同じような違いがあると思います。中国では大皿で料理を注文して、それを皆で箸をつけながら食べることによって、親密さが増すという意識があるように思えます。一方、居酒屋では料理も小皿ですから基本的にはひとりで一品を注文する形になり、皆で分け合うというよりは好きなものを好きなだけ注文するというのがシステムですね。私は、居酒屋のこのようなシステムが中国ではなかなか普及しない理由のひとつではないかと考えています。そこには食に関する文化の違いもあるのかもしれませんね。
戎:中国では料理が大皿で出てくるのであまり種類をたくさん注文することができませんが、日本の居酒屋では一品の量が少ないので、たくさんの種類を楽しむことができるのはとてもいいと思っています。確かに食文化に関する違いはあるのかもしれませんが、中国にも日本の居酒屋がもっと増えることを期待したいですね。