今年は1月31日に旧正月の春節を迎えましたが、今回は中国語スタッフの梁 思潔講師に春節の思い出を尋ねてみました。
Q:旧暦大晦日から新年1日にかけてはどのように過ごしましたか?
梁:大晦日の午後になると、祖母と母と私で餃子つくりを開始し、夜に家族や親戚が集まって餃子を食べながら、「中国版紅白歌合戦」とも呼べるテレビ番組「春節晩会」を見て過ごすのが慣例になっていました。この餃子のなかにはコインを入れたものがあり、コインの入った餃子を食べた人は新年の運勢が良いと言われていましたので、自分にもあたりますようにと願いながら餃子つくりをした記憶があります。そして、年が改まる頃になるとこれも恒例の花火、爆竹が始まるのですが、私も父親に連れられて花火の打ち上げを行ったのですが、あまりにも大きな音がするので小さい頃はとても怖かった印象があります。
Q:年が明けてからはどんなことをしましたか?
梁:新年になると親戚の家にいってあいさつをしたり、親戚の人も我が家にあいあさつに来たりと人の出入りが多くなります。親戚の人たちとのあいさつのときには子供にお年玉を渡す風習がありましたので、わたしも親戚の人たちが来るのを待ち遠しく思っていました。でも大人たちの楽しみは親戚の人が集まったときに行う麻雀大会のようでした。このときばかりは、大人たちも嬉しそうな顔をしながら麻雀に真剣に取り組み、我が家もとても賑やかになった印象が残っています。そして、旧暦の1月5日は「破五」と言ってそろそろお正月も一段落して徐々に日常生活が始まる頃になりますが、この「破五」の日にも餃子を食べる習慣のある家庭が多いと聞いています。でも我が家ではこの日の夜にも再度花火をする習慣があり、正月の五日間を無事に過ごすことができたことをお祝いしたものです。
Q:そのほかにも旧正月の風習は何かありましたか?
梁:これは行ってはいけないという風習ですが、お正月の期間中は散髪してはいけないと言われており、もし散髪すると母親の兄弟に不幸が起こるからだと言われていました。そして旧暦2月2日は「龍抬頭(龍が天に昇る日)」と言いますが、この日には「剃龍頭」という風習もあるので、この日になるとようやく散髪することができ、街中の理髪店や美容院は混雑します。特に赤ちゃんのいる家庭では、この日に髪の毛を切ると縁起が良いともいわれているので、この日に赤ちゃんの髪の毛を切る家庭が多いそうです。さらに、この日に龍にまつわる食べ物を食べて吉祥を願うという風習もありますので、この日には「龍胆」と呼ばれるきび粉でつくられた点心を食べることのできるお店は繁盛しました。