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Cinema Cafe ~シネマ・カフェ~

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東南角部屋二階の女

2010-02-23 | 邦画(さ・た)
 東南角部屋二階の女


  あらすじ 
死んだ父親の借金を背負い、古アパートが建つ祖父の土地を
売ろうとした僕。理不尽な仕事から逃れようと突発的に会社
を辞めてしまった後輩。フリーの仕事もままならず、結婚で
その不安を解消しようとする彼女。嫌なことからはなんでも
逃げて生きてきたあの頃。取り壊し寸前のアパートに僕らは
偶然集まり、あの人たちに出会った。そしてわかったんだ。
彼らの生き方が。それがわかったとき、ほんの少し何かが
変わり世界が違って見えてきた…。

【出演】
西島秀俊、加瀬亮、竹花梓
塩見三省、高橋昌也、香川京子
大谷英子、赤堀雅秋、浜田晃
利重剛




  感想  ※ネタバレ注意

真剣に生きることを避けている若者たちと、日常を丹念に
生きている年老いた老人たち。同じ場所と同じ時間を共有
し、同じ想いを胸に抱くまでの、その穏やかで、胸揺さぶ
られる日々を描いた、どこか懐かしくも新鮮な光を放つ物語。

主演は、西島秀俊、加瀬亮、竹花梓、そして香川京子。
監督は、27歳の驚異の新人女性監督・池田千尋。



親の借金を背負い苦しんできた人生の中で唯一の逃げ道を
見つけた主人公のもとに、人生に悩んだ2人の若者がやって
きてしまう。その中で大切な思いのつまった場所に気づき
自分たちの人生に再出発を見つけるまでを描く。

序盤で3人の若者がひょんな事からあのアパートに住むまで
のいきさつは面白いんだけど、その後の展開がちょっと間が
多いので、退屈に感じる人は多いのでは。

ただ、アパートのある風景から、役者たちの表情から感じる
ものを映像にうまく表現できていると思う。視点が良いなと
感じた。

台風で偶然開いてしまった一室で、主人公がどう感じ、売る
ことを諦めたのか、もぅ少し変化を見せてくれたらメリハリ
が出て良かったと思う。

ボクはこの映画の雰囲気はすごく好きなので、それを新人の
女性監督が作ったというので、今後の作品にも期待したい。




【評価】
 (3.8点/5点満点中)

 東南角部屋二階の女 HP

守護天使

2010-02-22 | 邦画(さ・た)
 守護天使
 


  あらすじ 
薄給メタボで恐妻家のサラリーマン・須賀は、鬼嫁から500円
のお小遣いをもらい満員電車で会社に向かう。通勤途中の駅で
虎の子の500円を落とした彼は、拾ってくれた優しい女子高生
の涼子に一目ぼれしてしまい、勝手に彼女を守ることを決意
する。
その事を幼馴染のチンピラ・村岡に相談するも、「いまどきの
女子高生は乱れてるぞ」と一蹴される。おまけに、彼女が
書いたらしいブログには、彼女の淫らな日々がつづられていて。

【出演】
カンニング竹山
佐々木蔵之介
與真司郎
忽那汐里
寺島しのぶ




  感想  ※ネタバレ注意

さえないサラリーマンが初恋に一念発起して、闇サイトの罠に
捕まった女子高校生を魔の手から守るために立ち上がるラブ・
コメディー。



映画初主演となるお笑い芸人・カンニング竹山が、いつもの
“キレキャラ”を封印して、真面目でひたむきな中年サラリーマン
を好演、観る者に勇気を与える人生賛歌でもある。
監督は、『キサラギ』でブルーリボン賞など数々の映画賞を受賞
した佐藤祐市。


あのカンニング竹山が普段とはまったく違う情けない中年リーマン
を演じている、そしてその悪友には、佐々木蔵之介演じるチンピラ
の村岡に、ひきこもりの青年・大和が偶然見せたインターネットの
裏サイトに、通勤途中で情けない自分に優しくしてくれた女子高生
の涼子が写っていたいたので、彼女を魔の手から救うべく立ち上がる
というもの。

佐々木蔵之介や寺島しのぶ、大杉漣たち演技派俳優が、まわりで
がっしりと固めていて、冴えない主人公を演じた竹山も悪くない
演技で面白かった。
彼女を守るために尾行するのですが、どっからどう見たって完全に
ストーカーにしか見えない(笑)!
ヒーローに憧れていたらしいのですが、作中で胸の辺りで光る携帯
の灯りとカラータイマーの着信音が、メタボヒーローになりきって
るんですが、見た目は変態だから笑える!

まわりの個性的なキャラクターも中々面白い。
本人だけでなくチンピアですら恐れる恐妻家を演じた寺島しのぶ
の暴れっぷりも笑えるけど、終盤では少し切ない面も見せたり
普通なら絶対につるまない情けないメタボ中年、チンピラヤクザ
、ひきこもりの青年の3人も映画ならではのシチュエーション
ですね!

きっとこの映画を観たら、あの3人を応援したくなるかも?(笑)




【評価】
 (4点/5点満点中)

 守護天使 HP

千里眼

2010-02-20 | 邦画(さ・た)
 千里眼


  あらすじ 
突如、日本列島を謎の爆破が襲う。それは正体不明のテロ
集団“ミドリの猿”に操られた男が米軍基地からミサイルを
発射したことによるものだった。横須賀基地に飛んだ航空
自衛隊二空尉・岬美由紀は、そこで“千里眼”の異名を持つ
カウンセラー兼脳外科医の友里佐知子と出会う。ふたりの
女は互いに協力し“ミドリの猿”の陰謀に立ち向かうのだが…。

【出演】
水野美紀
黒木瞳
柳葉敏郎




  感想  ※ネタバレ注意

『催眠』のヒットを受けて再び松岡圭祐の原作を映画化した
サイコ・サスペンス。



んー…サイコ・サスペンスではあるのだけれど、微妙な出来
になってます。
はじめのシーンや、「緑の猿」など世界観は悪くないと思う
「千里眼」というのを扱うのも面白いと思いました。

ただ、サスペンスとしてはすぐに「緑の猿」の正体もわかって
しまうし、「催眠」に比べると怖さもない。

特に微妙なのが、いきなり催眠をかけられた男がアメリカ
の軍事施設にいるのだ?どうやって入ってきたのか?
あんな状態の犯人なら、誰か不審に思うだろうし、紹介される
軍事兵器も妙にしょぼく聞こえる。
実際、ミサイルがマッハどれくらいのスピードで飛ぶのか
わからないが、あんなに速いのか?
去年のミサイル騒動の時には、そこまで速くなかったと思う
けど…。

それと一番この映画を面白くしなかったのは動機。
サスペンス系の映画で、これがしっかりしていないと
それまでしっかりしていた構成も、台無しだ。
この映画の犯人の動機は、仮面ライダーのショッカーと同じ
ようなもんだから、画面越しに「えーー!!」って叫んでたよ。

最後のアクションシーンも、邦画にしてはしっかりとしている
と思うが、水野美紀が仮面ライダーに見えてしまった。


【評価】
 (3.5点/5点満点中)

GSワンダーランド

2010-02-16 | 邦画(さ・た)
 GSワンダーランド
 


  あらすじ 
1968年、GS(グループサウンズ)ブームの頃。新人バンドを
捜していたレコード会社、ファインレコーズは、弱小プロダ
クションを営む浅井をスカウトに走らせた。
そんな時、見出されたのがマサオたち「ザ・ダイアモンズ」の
3人。だが、レコード会社が用意していたのはオルガンがメイン
の楽曲だった。そのため、梶井は以前事務所に押し掛けて
きた歌手志望のミクを男装させ、新メンバーにしてしまう。
こうして即席バンド「ザ・タイツメン」のデビューが決まったが…。

【出演】
栗山千明、石田卓也、水嶋ヒロ、浅利陽介
温水洋一、三倉茉奈、三倉佳奈
ケンドーコバヤシ、大杉漣、高岡蒼甫
武田真治、杉本哲太、岸部一徳




  感想  ※ネタバレ注意

ビートルズやベンチャーズ、日本のスパイダースやブルーコメッツ
などに触発され、わずか2年余りの間に数多のバンドがデビュー
する空前のバンド・ブームの時代。
その最中に白タイツの“王子様風”ファッションで登場した「ザ・
タイツメン」。栗山千明、石田卓也、水嶋ヒロ、浅利陽介の4人が、
60年代からタイムスリップしてきたかのような風貌で、GSサウンズ
に挑戦する。



長い黒髪がトレードマークの栗山千明が演じる、ショートカット
の男装は新鮮な驚き!彼らが歌う楽曲「海岸線のホテル」は、
作詞:橋本淳、作曲:筒美京平というGSではお馴染みのコンビ。
また、レコード会社社長役で、「ザ・タイガース」の岸部一徳が
出演している。

グループサウンズというのが流行していた時代。
この当時、ビートルズが来日してどれ程の影響力を残していった
のか、当時の芸能界をグループサウンズを通して、よくわかる。

そして主人公たちのグループサウンズは「ザ・タイツメン」
決してお笑いグループじゃない、男装した栗山千明演じるミク
がすごいハマっていて、美少年としてモテはやされ、一気に有名
になっていくところなど、芸能界の怖さと面白さがあり、ミクを
支える石田卓也、水嶋ヒロ、浅利陽介もみんな何だかんだ言い
ながらやさしく見守っているのも微笑ましくて良かった。

今観ると、とてもこれが流行ったのかと目を疑うような格好を
してグループサウンズなら何でも流行った世の中と、そんな
流行に流されながらも、青春とは何なのか?夢とは何なのか?
意外と笑いだけでなく、しっかりと構成された内容にノスタルジー
に浸れるだろう。

ところどころに織り込まれた笑いもボクは好きな感じで、あの
高岡蒼甫がかなりヘンテコな役をしているんですが、かえって
面白くて良い味出してました。

おやじ4人組「ザ・フレッシュフォー」があらゆる場面で大活躍!
この温水さんは見逃せない(笑)!


【評価】
 (3.8点/5点満点中)

 GSワンダーランド HP

ダメジン

2009-12-14 | 邦画(さ・た)
 ダメジン


  あらすじ 
毎日が夏休みのような暮らしをしているダメジン3人組のリョウ
スケ、ヒラジ、カホル。ある日、猫じじいから「インドでは一生
ブラブラしてても何とかなる」と聞かされる。
リョウスケの幼馴染のチエミは3年ぶりに恋人のササキと再会
する。リョウスケ達はそのササキから無理やり鍾乳洞へ行くの
に誘われるが、その帰り道に置き去りにされる。
仕方なく歩いて帰ることにしたリョウスケ達は、途中で野宿した
際に謎の宇宙人ゴールデンチャイルドから世界を救うために
インドへ行くようにお告げを受ける。 インドへ行くための資金
として100万円必要だと聞かされた3人は旅費を貯めようと
するが…。

【出演】
佐藤隆太、緋田康人、温水洋一、市川実日子
篠井英介、ふせえり、笹野高史、岩松了
山崎一、片桐はいり、麿赤兒、謙吾
伊東美咲、吉岡秀隆




  感想  ※ネタバレ注意

大人になっても毎日が夏休みのような人々の、楽しくてゆるい
日常を描いたコメディ。
怠け者の人々が一念発起、インド行きのために奮闘する姿を
おもしろおかしく描く。



「イン・ザ・プール」「亀は意外と速く泳ぐ」の才人・三木聡監督が
2002年に撮り終えながら様々な事情で完成までにおよそ4年
の歳月を費やした事実上の監督デビュー作。

この映画に出てくるキャラクターは全員タイトル通りのダメジン
ばかり、ひとりもまともなキャラクターが出てこないばかりか
物語りもハチャメチャっぷり全開!三木聡監督のゆる~い世界
はここでも発揮されていた。

登場人物も、個性豊か過ぎというか…でも憎めないキャラばかり
あの『時効警察』のお馴染みキャストもいるし、個人的には
インバさんの下半身が最後まで気になってしまった(笑)。

ゲシル先輩がサイボーグというか(笑)あの機械がなければ
生きていけない体になってから、あの後の最後も気になる。
いたるところで小ネタや小道具が飛び出すので、ボクは好き。

あの地面にヒモが生えていて、引っ張ると次々にヒモが出て
くるのとか、小さい時にやったことがあります!
何か思い出したら、可笑しくなってきたから不思議です。
ここまでくると、完全にこういう作品が好きか嫌いかの好みの
問題だと思う。




【評価】
 (3.5点/5点満点中)

誰も守ってくれない

2009-12-06 | 邦画(さ・た)
 


  あらすじ 
幼い姉妹の殺害事件で未成年の容疑者が逮捕される。その
瞬間から容疑者の家族は、マスコミや世間の目を避けるため
警察の保護下に置かれ、中学生の妹・船村沙織の担当は
刑事の勝浦に任される。ホテルや自宅アパート、友人の
マンションを転々とするが、マスコミの執拗な追跡に行き場を
無くした勝浦は、かつて担当した事件の被害者家族が営む
伊豆のペンションに身を寄せる。そこへ沙織のボーイフレンド
が駆けつける。

【出演】
佐藤浩市
志田未来
柳葉敏郎
石田ゆり子
佐々木蔵之助
佐野史郎
木村佳乃




  感想  ※ネタバレ注意

犯罪者の家族を保護するという一般には知られていない警察の
役割に注目した「踊る大捜査線」シリーズの脚本家・君塚良一
が10年越しの企画を完成させたシビアな社会派ドラマ。



手持ちカメラとロケ撮影をメインにしたセミ・ドキュメンタリー
撮影によって、少年犯罪、家族の崩壊、表層しか追わない
マスコミ、歯止めのかからないネットの暴走など現代社会
の残酷ですさんだ部分がリアルに描かれる。

加害者の兄の家族であり妹の志田未来演じる少女を保護
する役を佐藤浩市と松田龍平がコンビで熱演。
映画が始まってすぐに、犯人の報道が放映される。その時
加害者側の家では、加害者の家族を守るための法的手段が
なされていた。
加害者側を守るという行動は、実際に警察が認めていること
ではないらしいが、かなり現実的とも思える説得性のある
内容になっている。
プライバシーを無視した報道や、過激なネット住民たちから
遠ざけるために、わけのわからない内に離婚させられ、
また母親側の婿養子として結婚させられる両親と妹。
何も理解できないままに進んでいく状況や、それからの
過激なマスコミたちの追い回しなどを見ていると、本当に
その真意がうなずける。

そして佐藤浩市が良い演技で、過去に悩む刑事を被害者と
加害者の間で揺れる姿を見事熱演していたし、松田龍平が
また良いスパイスを与えていたと思う…ちょっと危ない
匂いが漂っていて、一見ネットのだいまじんに見えなくも
ないし、何かやらかしかねない風貌でもある。

ネットでの祭り状況も恐ろしいくらいの忠実さ…かな。
実際に現場にまで現れたりはしないと思うけど、近い怖さ
は十分伝わった。

救いのあるラストも、実際にはそこまで心を開くことは
難しいのかもしれないが、あれは2人の…いや妹家族の
未来を応援したくなる終わり方で良かったと思う。


【評価】
 (4点/5点満点中)

 誰も守ってくれない HP

七人のおたく

2009-12-03 | 邦画(さ・た)
 七人のおたく


  あらすじ 
ミリタリーおたくの星亨(南原清隆)が「ある作戦」を決行
すべく、様々な「おたく」を勧誘、井加江島に集結させる。
島に着いた6人が星に聞かされた作戦の目的とは…。

【出演】
南原清隆
内村光良
江口洋介
山口智子
益岡徹
武田真治
浅野麻衣子



  感想  ※ネタバレ注意

赤ん坊を奪い戻すために一致団結する7人の“おたく"の活躍
を描くアクション・コメディ。

ウッチャン、ナンチャンが主演で出ているということも面白い
が、江口洋介や山口智子も出ています、改めて観てみたら2人
とも若い!てか、みんな若い!

どっちかというと、ミリタリーおたくや格闘技おたく、アイドル
おたく、Macおたくなどその分野にだけ長けたおたくたちで、
一般的なオタクというよりも、マニアに近い7人が集まって
無理やり連れていかれた子供を取り返すというもの。

7人全員が活躍するのかと言われると…主に表立って活躍する
のは、主要キャラのみ。
今観たら陳腐な部分もあるけど、まあそれなりに楽しめるし
映像が古いんだけどまたそれが懐かしくて良かった。
ウッチャンとナンチャンが出ているだけあって、笑い要素は
含まれているし、添い寝のシーンとか笑えた。

久しぶりに観ると、色んな意味で面白いなと思えた作品です。
邦画はこういうところが、洋画と違って親しみを感じれる
部分でもありますね。
ウッチャンのアクションシーンは見物ですよ☆




【評価】
 (3.5点/5点満点中)

死にぞこないの青

2009-11-28 | 邦画(さ・た)
 死にぞこないの青


  あらすじ 
気弱な小学6年生・マサオ(須賀健太)は、生き物係を取り決め
たことが原因で、新任教師の羽田(城田優)に嫌われてしまう。
それ以来、羽田はマサオを攻撃し続けクラスメイトたちもマサオ
をいじめるように。そんな中、マサオの前に傷だらけで、片目
片耳がつぶれた全身真っ青の不気味な少女・アオ(谷村美月)
が現れる。

【出演】
須賀健太
谷村美月
城田優
入山法子
瓜生美咲




  感想  ※ネタバレ注意

ホラー界の俊英・乙一が書き下ろした小説を、『ZOO』でも乙一
の原作に挑んだ安達正軌が大胆なアプローチで映画化。



ホラーかと思って観てみたら、全然違ったのが正直な感想です。

ある日突然、いじめの標的にされた少年の前に現れた片目
片耳がつぶれた全身真っ青の不気味な少女・アオが少年に
いじめた原因の先生に、復讐するように迫るというもの。

先生役には、城田優が見事にハマッてるなって思った。
冷酷な美形の先生ってあそこまで怖さが増すものなんですね。
全身真っ青のデスラー総統みたいなアオよりも、こっちの
方が怖かった。

ただ、須賀健太くんがいじめられ役にしては健康すぎる気が
してならない…ラストのアオとの感動(?)的な場面では彼は
活きるのだけど、この映画の本質ってそこではなくて、いじめ
という社会の問題提示も含まれていると思うので、いじめの
部分やいじめられるきっかけとか、もう少し内容を重くした
方が原作にあってるような気もします。

そういう状況ではじめて、アオという存在がホラー的な要素
として活きてくる気がするのですが、谷村美月のアオが、
あんまり怖くないのも少し問題かも(苦笑)。
特殊メイクとか頑張ってるんだけど、その顔立ちや演技が
恐怖感よりも、友情に似た親近感のようなものに変わって
しまっている…まぁ、最後のシーンを思えばそれが逆に良い
意味で良い話で終わっているので、原作は原作。映画は映画
として観れば全然問題もないとは思う。


【評価】
 (3.8点/5点満点中)

ドロップ

2009-11-27 | 邦画(さ・た)
 ドロップ


  あらすじ 
不良に憧れて私立中学から公立に転校したヒロシ。赤い髪に
ボンタン姿で登校すると早速、不良グループに呼び出される。
浮かれ気分でついて行くと、リーダー、達也に河川敷でボコボコ
にされる。しかし、その根性を気に入られ、ケンカの後、共に
ラーメン屋に。初日早々不良グループの仲間入りを果たす。
ヒロシの生活は活気付き、達也らとつるんで他校の生徒と
ケンカの毎日。姉のユカとその恋人のヒデは、そんなヒロシを
心配していた。

【出演】
成宮寛貴
水嶋ヒロ
本仮屋ユイカ
上地雄輔
中越典子
波岡一喜
若月徹
綾部祐二




  感想  ※ネタバレ注意

人気お笑い芸人、品川庄司の品川祐の小説「ドロップ」が
コミック化に続いて映画化。
原作者自ら品川ヒロシ名義で脚本・監督を手がけている。



平凡な中学生が嫌で、不良になりたい。不良と言えば私立
じゃなくて公立…意味がわからない理由で公立中学に転校
する成宮寛貴演じるヒロシ。
そこで水嶋ヒロが演じる達也と出会い、ケンカに明け暮れ
恋もしてと青春映画なのである。

さすが、お笑い芸人だけあって笑わせ方を心得てるのか
ところどころコントを観させられているのか!?っていう
ような笑えるシーンが、たくさんあってかなり笑えた。

「クローズZERO」みたいな真面目にケンカをするわけ
じゃない、でも気の合う仲間がいて、ケンカして、昨日
ケンカした相手が、今日は仲間になって、そして恋をする
青春不良ものの王道パターンではあるけど、中々良かった。

ヒロシと達也だけでなく、他のメンバーや人物も個性的で
面白かったし、上地雄輔がヒロシの兄貴分的な役で、良い
役をしている。
そしてある事故がきっかけで、ヒロシが大人に成長して
いくところもまた、映画の世界ではよくありそうな展開
だが、それでは終わらない面白さが観られるのは、個性的
な役柄を若い俳優さんたちがうまく演技出来ていたから
好感が持てたんだと思う。




【評価】
 (4点/5点満点中)

 ドロップ HP

重力ピエロ

2009-11-19 | 邦画(さ・た)
 



  あらすじ 
遺伝子を研究する大学院生・泉水と芸術的な才能を持つ2つ
年下の弟・春は、仲の良い普通の兄弟だ。優しい父と三人で、
平穏に、そして陽気に暮らしている。だが、この家族には春の
出生に関わる哀しい“過去”があった。その原因をもたらした
“ある男”が街に戻ってきた。そして、時を同じくして不審な
連続放火事件が発生する。その現場には謎めいたグラフィック
アートが残されていた…。

【出演】
加瀬亮
岡田将生
小日向文世
吉高由里子
岡田義徳
鈴木京香
渡部篤郎




  感想  ※ネタバレ注意

伊坂幸太郎原作の、70万部を超えるベストセラー「重力ピエロ」
を映画化。
物語の核となる兄弟役を演じるのは『それでもボクはやってない』
の加瀬亮が兄を演じ、『天然コケッコー』の岡田将生が弟を演じる。
伊坂氏の原作ものとしては『アヒルと鴨のコインロッカー』と同様
原作の舞台でもある仙台でロケを敢行、生活に根ざした仙台の
街中が描かれているのが興味深い。
数々の謎が伏線を張りながら、絡み合ったすべての謎が解けた
とき過去から現在へとつながる家族の真実が明らかにされる。



”愛”は重力を超える‥。

あらすじを読んでから、このタイトルを観たとき誰も想像出来ない
親子の、兄弟の絆がそこにはある。
この映画は単純なミステリーじゃない。伊坂幸太郎作品に良く
みられるラストに向けて、すべての事柄が一致していくのは
観るものを離さない。
遺伝子記号も春の尊敬するガンジー等偉人たちも、その謎
に関わっているので、セリフからすべてが見逃せない。


「わたしたち、そのうち宙に浮かぶかもね。」

完璧な両親だと正直思った。そんな家族の中で弟は、不安要素
の一人、自分の持つ出生の秘密や消してしまいたい過去すべて
燃やしてしまいたかった。
そして春は、兄に気づいてほしかったんだと思う。
血の繋がりはなくっても、家族であることに変わりはない。
その証拠に兄の泉水は、弟が苦しんでいる原因を消してしまおうと
同じことを実行しようとする。

愛は重力を超える…本来この映画は、重たいもので終わるはずが
この作られた世界観の中で、それを感じさせない観終わった後
に本当に浮いたような…そんな気持ちにさせてくれる気がします。


弟の卒業アルバムの写真の中に、弟のいるところ必ず写ってる
春のストーカー・夏子さんを演じた吉高由里子が面白かった!
写真の写り方が異常なんですが、最高ですw




【評価】
 (4.5点/5点満点中)

 重力ピエロ HP